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元むす

もときぞくれいじょうでみこんのははですがむすめたちがかわいすぎてぼうけんしゃぎょうもくになりません

大小判によるライトノベル小説『元貴族令嬢で未婚の母ですが、娘たちが可愛すぎて冒険者業も苦になりません』の略称。 ※正式名がタグに使える文字数30をオーバーしているため、ここでは略称をタイトル代わりとする。
目次 [非表示]

概要編集

正式なタイトルは

元貴族令嬢で未婚の母ですが、娘たちが可愛すぎて冒険者業も苦になりません

※正式名がタグに使える文字数をオーバーしており、直接タグとしては使えないので注意。


2017年10月、オンライン小説投稿サイト『小説家になろう』にて連載を開始。作者は大小判氏。

後にTOブックスから書籍化。既刊4巻。イラストはまろ氏が担当。


コロナEX及びニコニコ漫画で漫画版が連載中。既刊3巻。緋賀ゆかり氏が作画を担当。


冤罪で投獄され凄惨な拷問を受けた皇子の婚約者だった貴族令嬢が、自身を貶めた者達に深い憎悪を抱いて脱獄し、復讐の道へと歩む……はずだったが、身籠っていた双子の娘達を産むと、娘達のあまりの可愛さに復讐を忘れ、二人のために親バカな母として、冒険者として活躍するほのぼの(?)ファンタジー物語。


元は大小判氏がなろうで展開している「ざまぁシリーズ」の一つであり、そのためか登場する敵役の大半が救いようのないレベルの悪党となっている。


あらすじ編集

帝国の公爵令嬢のシャーリィは、帝国貴族に蛇蝎の如く忌み嫌われている白髪とオッドアイを持って生まれた。血の繋がった家族からも疎まれ、巡り会った自分を愛してくれる婚約者の皇子も実の妹に奪われ、婚約者達に冤罪を着せられた上に投獄されてしまう。

凄惨な拷問を受けたシャーリィは、自分を貶めた全てに復讐を誓い、その強い憎悪から超常的な力を持つ「半不死者(イモータル)」へと変貌。運良く脱獄に成功したのだが、彼女のお腹には既に元婚約者との間に出来た子供が宿っていた。忌まわしい者との子だが、子供には罪は無いと産むことを決心。産んだら後は孤児院にでも預けようとしたのだが――――


「どうしましょう、私の娘たちが世界一可愛いんですけど」


無事生まれた双子の娘の可愛さにノックアウトされ、復讐などどうでもよくなったシャーリィは、帝国を飛び出して隣の王国に移り住み、養育費や生活費を稼ぐために冒険者となり、子育てに尽力していく。


そして、十年後、何時の間にか世界トップレベルの冒険者、《白の剣鬼》と呼ばれるようになったシャーリィは、十歳になった双子の娘・ソフィーティオと仲睦まじい日々を送っていた。しかし、裏では暴君となった元婚約者の帝国皇帝の魔の手が徐々に迫って来ていた……。


主な登場人物編集

主人公一家編集

  • シャーリィ(メイン画像中央)

主人公の親バカ剣鬼

綺麗な白髪と紅色と蒼色のオッドアイを持つ。年齢は30歳だが、半不死者は殺されない限り不老不死のため見た目は19歳で止まっている。とても美しい容姿でスタイルは抜群に良く、かなりの巨乳。

帝国の名門貴族・アルグレイ公爵家の長女として生まれたが、その見た目から家族達から忌み嫌われて虐待され続けていた。しかし、皇子のアルベルトに一目惚れされて婚約者となり、王宮入りする。今まで教育を一切受けていなかったが、そこで英才教育を受けると類まれなあらゆる才覚と美貌を開花させ、皇帝夫妻や皇女のフィリアに気に入られ、立派な貴族令嬢となる。

しかし、次第に自身にコンプレックスを抱くようなったアルベルトが妹のアリスに唆され、皇帝夫妻とフィリアが不在の時に冤罪を着せられて婚約破棄の上に投獄され、一ヶ月にわたる拷問を受けて見るも無残な姿にされる。自身を裏切ったアルベルトや陥れたアリス達に憎悪を抱き復讐を誓うが、その強すぎる憎悪が引き金となり半不死者に変貌し以前の美しい姿に体が再生。それを見て驚いた獄卒が鍵を掛けずに部屋を出た隙を突いて脱獄する。

脱獄後は復讐の機会を窺っていたが、途中で妊娠していることが発覚。アルベルトとの子とはいえ子には罪はないと止む無く一旦復讐を止めて産むことにする。当初は生まれたら孤児院に預けて復讐に戻ろうと考えていたが、次第に子供の事ばかりを考えるようになっていく。やがて無事に出産した双子の娘達の穢れの無さと愛おしさを見て涙を流し、このまま復讐の道に進んでいたら我が子達を苦しめる未来になっていたと復讐を止め、双子を守り育てることを決心。帝国を離れて王国に亡命し、そこでカナリアと出会って彼女に助けられる。

こういった経緯のため、姓は名乗っていない。


ソフィーとティオと名付けた娘二人の生活費を稼ぐために冒険者となり、十年後には半不死者の身体能力や異能を使いこなす王国どころか世界屈指の冒険者となるが、冒険者ランクはBランクで止めており、「Aになると指名依頼などで拘束され、娘との時間が減るから」という理由で、冒険者ギルドがどんなに頼んでもAランクに昇格しようとしない。

パーティーを組まずに剣一つと普段着のままソロで活動しており、人並外れた美貌と実力、ミステリアスな雰囲気も相まって他の冒険者達からは近寄りがたい存在として奇異な目で見られている。しかし、カイル達と交流していくうちに徐々にそれが和らいでいき、次第に周囲から認められ憧れていく(中には「お姉様」と呼ぶ女性冒険者もいる)。


普段は穏やかで優しい性格だが、とにかく娘本位な性格でもあり、娘に近づこうとする男性(同年代の子供であっても)には平気で大の大人でも気絶するレベルの殺気をぶつけようとするほどで、母娘で下宿している宿屋「タオレ荘」に住む冒険者たちが巻き添えを食うのは日常茶飯事。

他にも、半不死者の異能を駆使して娘をストーキングするわ、目にも止まらない速さで娘の姿をカメラ(この世界には魔道具としてカメラが存在する)に撮りまくるわと、娘(というか自分の親バカとしての欲)のためなら才能の無駄遣いも辞さない。

一方で、自身に向けられる好意には非常に鈍感で、カイルから想いを寄せられていることに全く気付かず、それどころか否定している。

以前はあれほど憎んでいたアルベルト達帝国も今では無関心となっているが、娘に手を出そうとするなら当然話は別となる。それでも基本は襲ってきた相手を叩きのめすなど対処療法にとどめており、本当にどうでもいいと思っている。例外は義理の妹になるはずだったフィリアぐらいであり、彼女との仲は修復されている。

ここまで極端なのは「半不死者が精神に異常が発生したことで稀に体と魂が変異して誕生するため、精神に不安定な部分が残り何かに執着しやすい」ためであるが、シャーリィの場合は憎悪から変異したにもかかわらず母性(=親バカ)が主体の例外的な存在である。


庶民の生活には十分慣れており、忙しい冒険者業の傍らで娘のために手料理を作ったり(漫画版では市場で食材を買いまくったりもしている)と家事も行っているのだが、貴族としての貞操感がわずかに残っているのか、へそ出しミニスカ水着姿などの肌をさらす服装が大の苦手。しかも、本人は十歳の双子の娘を持つおばさんの肌を見せても周りは嬉しくないと思っており、自身の若々しい美貌をあまり自覚していない。だが、カナリアに姑息な手を使われて露出の高い服を着ることが多々ある。ちなみに、泳いだことが無いためカナヅチ。


  • ソフィー(メイン画像右)&ティオ(同左)

シャーリィの双子の娘。10歳。

ソフィーは蒼色の目のしっかり者。ティオは紅色の目で気ままな性格。二人共学校へ通学中。

母親譲りの美貌を持つため、学校での人気も高いのだが、上記の通りシャーリィが睨みを利かせているため彼氏はいない。二人とも母親のことが大好き。シャーリィのことはソフィーは「ママ」、ティオは「お母さん」と呼んでいる。

シャーリィのような冒険者になることを目指しており、ソフィーは魔法、ティオは武術が優れている。

シャーリィが二人を妊娠中に半不死者になった影響で、人間である二人も異能を受け継いでいる可能性が示唆されており、後に未来予知などの形で現れるようになる。

帝国から狙われるようになったことで自分の出生を知り、その上で母との平穏な日々を守る覚悟を決めており、以降はアルベルトをきっぱりと拒絶したり、異形化したグランに襲撃された時は覚醒した未来予知に加えてベリル&ルベウスの能力、遊び場である森の自然を生かした即席のトラップなどで翻弄し、シャーリィやカナリアが来るまで持ちこたえたりと、自分たちなりに帝国に立ち向かっていく。


  • ベリル&ルベウス

ソフィー&ティオの頭上に落下してきた鳥の魔物。

ベリルは青、ルベウスは赤い羽毛を持つ。

ベリルはソフィーの、ルベウスはティオの魔力路(生物の魔力を循環させる実体のない血管のようなもの)と同化しており、双子の使い魔となる。

魔物というより精霊に近い霊鳥であり、急成長し口からビームを吐けるようになる。

今は亡き先代の主人の「自分と似たような存在を守ってほしい」という遺言のために雛の姿で双子に接触したことが示唆されている。


王国編集

  • エドワルド・ペンドラゴ

国王。

《黒獅子王》と呼ばれる大陸史上まれに見る名君。シャーリィとは婚約者時代からの知己の仲。

際限なく暴走するアルベルト達帝国に対抗するため、フィリアと水面下で手を組んでいる。


  • アリシア・ペンドラゴ

王妃。

エドワルドと同じくシャーリィとは知己の仲で、エリザベート皇妃と一緒にお茶会をしたことがある。

ちなみに容姿は10年前からほとんど変化がないとか。


  • マーサ

タオレ荘の女将。

シャーリィが頭の上がらない数少ない人物。ソフィーとティオを夫とともに孫のように可愛がっている。シャーリィにとっては母親の先輩であり、留守の時に娘を任せられる存在。

ちなみに、夫もシャーリィほどではないが親馬鹿であり、漫画版ではシャーリィと一緒にソフィーとティオがらみで暴走する場面も見られた。


冒険者ギルド編集

  • カナリア

見た目は10歳くらいの少女だが、冒険者ギルドのマスターでシャーリィと同じ半不死者。魔族出身であり角が生えており、かなり長い年月を生きている。

冒険者ギルドの創立者でもあり、《黄金の魔女》の異名を取る世界最強の魔術師だが、超のつくイタズラ好き。そのためシャーリィやユミナにしょっちゅうお仕置き(それも普通の人間なら死にかねない、半不死者でも半殺しのレベル)されているが全く懲りる様子がない。

これでもシャーリィの後見人的存在。ゆえに直接の依頼だとシャーリィも簡単に無碍にすることが出来ない。かつて白髪鬼を手助けした逸話から帝国にとって忌々しい存在でもあり、アルベルトらからはシャーリィ達を攫った誘拐犯扱いされている。


  • ユミナ

ギルド受付嬢。カナリアの子孫。

シャーリィに何度もランクの昇格を打診しては断られ、上には文句を言われるなど苦労が絶えない。


  • カイル

15歳の新米冒険者。

初めての冒険で全滅しそうになったところを偶然にもシャーリィに助けられ、以降も度々彼女と関わるようになる。その過程でアルベルトを殴ってしまったことで彼から恨まれている(カナリアの記憶操作で事なきを得たが、それを盾にこき使われる)。

シャーリィにほのかな想いを寄せているが、年齢差もあり彼女からは息子のようにしか見られていない上にソフィー&ティオからも万が一にでも義理の父になるかもしれないという点から露骨に警戒されている(ただし、個人的に嫌われているわけではない)。


  • アステリオス

牛頭の亜人・ミノタウロスの冒険者。

経験豊富のAランクで、見かけによらず性格は温和で武人のような口調で話す。

新人冒険者の育成を行っており、同じパーティーのクードとレイア、新たに加わったカイルの指導係をしている。


  • クード

黒髪黒目の若手冒険者。

レイアとは犬猿の仲。


  • レイア

ハーフエルフの女性冒険者。

ただし、とっても背が小さいいわゆるロリっ娘。

クードとは犬猿の仲。


帝国編集

皇帝派編集

  • アルベルト・ラグドール

シャーリィの元婚約者で、現帝国皇帝。ソフィー&ティオの父親でもある。

少年時代にシャーリィに一目惚れして婚約者にしたが、英才教育で自分よりも優れた才覚を発揮した彼女にコンプレックスを抱き次第に疎ましく思う様になり、そこに付け込んだアリスの甘言で彼女に寵愛を移し、アリスの讒言を信じて婚約破棄しシャーリィを貶める。

両親である前皇帝が暗殺(表向きは病死)されたため皇帝となるも、皇妃となったアリスや悪徳貴族達の傀儡となり、アリスの甘言に乗って国を疲弊させ民を顧みない恐怖政治を横行させる暴君と化し、築き上げて来た皇室の信頼と求心力を地に落とす。他国に刺客を差し向けて要人を拉致しようとしたり、戦争をちらつかせて王国を脅迫しようとしたりと暴君という言葉が生ぬるいレベルの暴君な一方、そうした行動や外交の場で相手の国を堂々と弱小国扱いしたり、ソフィー&ティオを「皇女には皇女の相応しい名がある」と勝手に別の名前(ソフィーをソフィーリア、ティオをティオニシアと呼んでいる)を付けようとするなど国家元首としても人間としても最低限の知識や礼儀、常識すら持ち合わせていない愚人。しかも、その自覚がないどころか(アリスに甘言でおだてられた影響もあって)自分は名君になれると本気で信じており、貴族たちの思惑を超えて暴走することも多く、原作者からも「アホベルト」呼ばわりされている(婚約者時代を知るシャーリィも「ここまで愚かでは無かった」と呆れるほど)。

困ったことに、皇帝派の大半は彼のような性格ばかりだったりする。

アリスの病の所為で彼女との間に子供が出来ず、しかもアリスを溺愛しているため一人も側室がおらず後継者に悩んでいた。そんな時にシャーリィの生存と自身の子である双子の存在を知り、双子を嫡子にしようと考える。が、拉致を指示して差し向けたルドルフ達がシャーリィによって失敗し、エドワルドとの会談の場では自分の思い通りに事が運ばずカナリアに馬鹿にされたことで恥を掻かされた挙句、双子の親権をかけた神前試合に持ち込まれてしまう。試合の場で十一年ぶりにシャーリィと再会するが、当時と全く変わらないどころかより美しい姿になっていることに驚愕しつつも見惚れている。神前試合が負けた上に城を破壊される(本人はカナリアの仕業と思っている)が、それにもかかわらず無理矢理双子を連れ戻そうとして双子に拒否され、今度はシャーリィを側室にしようと言い出したことでカイルに殴られる。

神前試合の敗北により双子の親権が完全にシャーリィに移ってしまい、これ以上の強硬手段が取れなくなってしまったが、全く懲りる様子はなく今もシャーリィ母娘を手に入れる機会を狙っている。現在は破壊された城の再建のために、今までやってこなかった資金繰りに苦戦しながら多忙な日々を送る羽目になっている。また、シャーリィを見て以来、アリスへの愛情が徐々に薄れていっており、口では愛していると言っているものの、本心ではシャーリィを正室にしようと目論んでいる。これだけはっきりと拒絶されてもシャーリィ母娘が自分を本心で嫌っていることすら理解しておらず、カナリアが彼女たちを騙していると思っている有様。

だが、シャーリィやカナリアと手を組んだフィリアが本格的に活動を始めたことで徐々に追い詰められている。


  • アリス・ラグドール

アルベルトの皇妃。アルグレイ家の次女で、シャーリィの実妹。

シャーリィとは反対に両親から溺愛されて育てられたため、かなりの我が儘で自己中心的な性格。両親や兄弟とともにシャーリィを虐げていた。一方で他の貴族男性などには心優しい可憐な令嬢として猫被っている。容貌は優れているものの身体は小柄でスレンダー。

家族や周りから寵愛を受けながらも自身より優れた才能と容姿を持っているシャーリィに深い嫉妬を抱いていた。シャーリィがアルベルトの婚約者になったことに納得いかず、シャーリィにコンプレックスや不満を抱く者達を猫かぶりと甘言で上手く持ち上げて寵愛を集めさせて、シャーリィが自分を虐げたという讒言でシャーリィを貶める。

その後、皇妃になると国庫を湯水のように使って国を疲弊させ、アルベルト以外にも多くの男性と姦通を繰り返すなどという絵に描いたような悪女の所業を行っていた。しかし、子供が産めないという皇妃として致命的な先天性の病を持っていたため地位は盤石ではなく、29歳の年齢にも焦りを見せている。シャーリィが再び自分の前に現れ、しかも半不死者によって十一年前と変わらぬ美しい姿を見せたことで、強い嫉妬と憎悪が再燃する。

城がシャーリィに破壊された後、実家に身を寄せるが、王宮での贅沢な暮らしの所為で満足いかず、その原因であるシャーリィとカナリアの恨みから侍女達に八つ当たるなど荒れた生活を送る。しかも、アルベルトがシャーリィを見たことで徐々に寵愛が薄れていることや、篭絡していた貴族の中にはシャ-リィと比較されて関心が離れている者がいることを察してさらに不満が募る。

グランと密通を行っている中、グランが魔武器によって異形の姿になると、本性を露わにしてグランを拒絶して罵るが、暴走したグランによって魔武器に取り込まれて攫われる。後にシャーリィによって魔武器が破壊されて解放されるが、取り込まれたことで身体に酷い火傷を負う。これによりさらにアルベルトの寵愛を失っていくことになる。


  • ルドルフ

シャーリィの元従者で、現皇室の近侍の青年。

元々は少し裕福なだけの良家の三男だったが、両親が作った借金返済のために売られて奴隷に落ちる。ルドルフが乗った船が嵐で難破し、奇跡的に帝国の浜辺に打ち上げられたところをシャーリィに発見されて保護される。

命を助けられ、自身を従者として大切に扱われたことでシャーリィに強い恋心を抱く様になる。しかし、次第にシャーリィへの独占欲が強くなり、愛情が自分ではなく婚約者のアルベルトに向けられることに納得がいかず鬱憤と憎悪を募らせていたところをアリスに付け込まれる。本来、皇帝からアルグレイ家の者と関わることを禁じられていたにもかかわらず何度もアリスと会い、次第にアリスの猫かぶりと甘言に篭絡され、シャーリィは稀代の悪女という嘘を鵜呑みにし、シャーリィを捕らえることに協力、脱獄した後も真っ先に捜索して捕らえようとしていた。

しかし、シャーリィが冤罪だったことを知った時は動揺したが、アルベルトとアリスの「カナリアがシャーリィを操っていた」という出鱈目を信じ、今度こそシャーリィを自分の物にしようとシャーリィと娘のソフィーとティオを救出(と言う名の誘拐)するために5人の部下とともに王国に侵入し、ソフィーとティオを捕らえようとして駆け付けたカイルを負傷させた。だが、娘に手を出そうとしたことで、駆け付けたシャーリィの逆鱗に触れて"拷問剣"(身体を切断することなく壮絶な激痛を与える魔武器)を受けて失神、拘束される。本来は帝国との交渉次第で身柄を渡すはずだったが、神前試合でシャーリィに城を破壊されたことでそれどころではなくなって有耶無耶になり、現在も拘留中。

シャーリィに命を救われたにもかかわらず、自分だけを愛してくれないという身勝手な思いから逆恨みし、自分を良くしてくれるアリスにまんまと寝返って恩を仇で返す行為を躊躇なく行った外道。自分に都合の良いことしか信じず、シャーリィと再会しても自分が行った所業を忘れたかのように自分勝手に都合の良い言動をしてただ単に怒りを買い、因果応報な制裁を加えられるという救いようのない末路を辿る。


  • グラン・ヴォルフス

帝国騎士団団長。アルベルトの親友で幼馴染。

帝国武門のヴォルフス侯爵家の嫡男。幼い時から騎士として研鑚を積み、剣術の才覚にも恵まれ、女に現うつつを抜かさず親友達と切磋琢磨し合い、アルベルトに忠義を捧げる立派な性格だった。だが、アルベルトの婚約者として現れたシャーリィを見た目から快く思わず、しかも短期間で剣術の腕を追い抜かれたことで憎悪を抱く様になる。そこに付け込んだアリスの甘言に乗ってしまい、アリスに傾倒してしまう。

以後、アルベルトからアリスに忠義が移り、のちにヴォルフス家当主を継いで騎士団長となり、アリスが皇妃になった後もアルベルトに知られずに密通をし続けていた。また、騎士団も賄賂と不正の温床になっており、態度も横柄なため平民達からの評判は良くない。

一方で、アリスに傾倒してから剣術の訓練を疎かにしていたため、武術大会で一回り年下のルミリアナに敗北。しかもプライドだけが高くなっており、その後も見苦しい言い訳や相手の揚げ足を取るなど粗探しをしたため、周囲から失望と侮蔑の眼差しで見られ、アリスにも落胆されたことでルミリアナに強い苛立ちと憎悪を覚える。さらに神前試合でルミリアナを超えるシャーリィの実力を見たことで今まで溜まっていたものが爆発。強くなって双子を連れ戻せばアリスに振り向いてもらえると思い込み、当時の皇帝が管理の名目でヴォルフス家に下賜した危険な魔武器を持ち出す。その魔武器は人を殺す度に力を得る性質を持つことから、軽犯罪者や無実の罪の者達を捕らえては独断で裁決し、魔武器で次々と処刑し続けた。

結果、魔武器と融和して異形な姿となって強大な力を得たと自画自賛していた。しかし、それを見たアリスが本性を露わにして拒絶したショックで錯乱状態に陥ってアリスを取り込んで逃走。立ちはだかったルミリアナと戦うも、元々の技量の差から敵わずアリスを連れたまま逃亡、王国へ侵入しソフィーとティオを捕らえようとするが二人に翻弄された挙句、駆け付けたシャーリィに魔武器を破壊されて敗北。

その後、帝国に送還されるが、アリスを(結果的に)誘拐したことに激怒したアルベルトに公開処刑を言い渡され、アリスの本性を訴えるも聞き入られずアルベルトの手で処刑される。死に際に幼少期のようにまっすぐ剣に打ち込んでいればと遅すぎる後悔を抱いて息絶えた。

やはりどうしようもない悪党だが、最期の最期で反省する分、これでも皇帝派ではまだマシだったりする。


反皇帝派編集

  • フィリア・ラグドール

アルベルトの年の離れた妹。17歳。婚約者時代のシャーリィとは本当の姉妹のように仲が良く、今でも姉様と慕っている。

アルベルト達が犯したシャーリィに対する暴挙に両親である前皇帝夫妻とともに激昂し、さらに両親がアルベルト支持派に暗殺されたことで修復出来ないほどの確執が生まれる。

表向きはアルベルトの失策のフォローをしているらしく(書籍版1巻の加筆部分では、アルベルトに解雇された文官に再就職先を紹介している)、何度も兄を諫めようとしては一蹴されている。民の事を考えずに国を傾ける一方のアルベルト夫妻を完全に見限っており、王国やカナリアたちと内通し、国境に領地を持つ貴族を隣国に寝返らせたりと文字通りの売国奴となることを承知の上で帝国ごとアルベルト一派を倒すべく水面下で戦っている。

当初はシャーリィは死んだと思っていたが、王国で冒険者として活躍をしていることを知って生存を心の底から喜んだ。だが、(アルベルト達の姦計とはいえ)皇室の失態という責任とシャーリィが望んでいないと思い込んで再会することを拒否していた(事実、再会当初はシャーリィは彼女のことを警戒していた)。しかし、アルベルトがシャーリィの双子の娘を狙っていることを知ると、それを伝えるために殿下として王国へ来訪、そこでシャーリィと再会する。

神前試合後、シャーリィを前皇帝夫妻の墓へ案内し、婚約者時代の昔話を語らい、今後は冒険者として協力することを伝えられて涙を流して感謝した。シャーリィとの蟠りは解消されたが、今度は気恥ずかしさが生まれ、ルミリアナが休暇でシャーリィのところへ行くことを提案(再戦しようとする下心を含む)した時は慌てふためいた。

後にグランの起こした双子への襲撃事件を口実に腐敗し切った騎士団を解体させ、貴族相手にも逮捕権を持つ治安組織「警察」を結成。民意も味方につけて本格的に悪徳貴族の掃討に乗り出す。


  • ルミリアナ・レグナード

帝国武門のレグナード侯爵家の令嬢で、フィリア直属の女性騎士。フィリアの親友。

騎士道精神に溢れた善良な性格で、帝国最強の実力を持つ。自身もそれを自負しており、内心では驕っている面もあった。《白の剣鬼》(ただし彼女は《白の剣"姫"》と思い込んでいた)のシャーリィの噂を聞いて戦いたいと思っていた。

ソフィーとティオを賭けた神前試合でカナリアに指名されてコロシアムでシャーリィと戦うも、全力で挑んでも彼女の圧倒的な実力の前に通じず(しかも、本人は知らないがアルベルト達がコロシアムに仕掛けた大量の罠を無力化しながらにもかかわらず)、最後は自分を斬らずにその背後にそびえ立っていた帝国の城を両断する神業(シャーリィ曰く、万が一、娘が悪人に羽交い絞めにされて人質に取られた時に娘を傷付けずに後ろの悪人を斬るために編み出した物であり、城を斬ったのは今までの鬱憤を晴らすただの憂さ晴らしだった)を目の当たりにして世界の広さと強さの高みを痛感して敗北。そして、シャーリィが《剣姫》ではなく《剣鬼》であることを改めた。

試合後、心無い貴族達(特にグラン)から敗北責任を追及されるが、フィリアの擁護によってそのままフィリアの護衛を務めている。以後、鍛え直してシャーリィとの再戦を臨んでいる。魔武器で異形の姿となったグランと戦い、力は異形のグランに劣っているものの常日頃怠らずに鍛錬してきたため技量が完全に勝って圧倒する。


故人等編集

  • 白髪鬼(はくはつき)

三百年ほど前、平民の犠牲を厭わない上流階級の支配を打ち破ろうとして決起し、帝国領土の七割以上を制圧し革命を成功させた伝説の人物。

民間の英雄であるが、多くの既得権益を手放さざるを得なくなった生き残った貴族にとっては悪魔同然の存在だった。


身体的特徴として白髪とオッドアイを持っていたとされ、これを忌み嫌う貴族は現在でも多い。

この白髪とオッドアイを持っていたためにシャーリィは幼少から虐待される羽目になってしまった。

一方でフィリアは、騎士団解体と警察設立時に「(民衆の怒りが爆発して)白髪鬼の時の二の舞になる」と悪徳貴族たちの反論を封じており、現在でも白髪鬼の伝説は強い影響を持っている。


  • ルグランド・ラグドール、エリザベート・ラグドール

前帝国皇帝と皇妃。アルベルトとフィリアの両親。

常に民のことを考える名君。アルベルトの婚約者となったシャーリィを保護し、実の娘のように愛情を持って接していたため、シャーリィも本当の親のように慕っていた。

諸外国へフィリアとともに巡っていた時にシャーリィがアルベルト達に冤罪で断罪されたことを知って激昂。アルベルトを廃嫡させようとした矢先、アルベルト支持派によって食事に毒を盛られて暗殺される。


関連タグ編集

小説家になろう

親バカ

ざまぁ


最強の魔物になる道を辿る俺、異世界中でざまぁを執行する外れ職アイテムマスターが外れアイテム木偶人形を使ったら世界一の冒険者になれた件(同じ作者の作品)


外部リンク編集

元貴族令嬢で未婚の母ですが、娘たちが可愛すぎて冒険者業も苦になりません - 小説家になろう

元貴族令嬢で未婚の母ですが、娘たちが可愛すぎて冒険者業も苦になりません - コミカライズ

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