CV:相良茉優
概要
後述の過去の出来事から気の弱い性格であり、口癖は「ごめんなさい」。
しかし重大な局面や危機に対し、決して挫けない精神力を発揮する場面もある。
雛見沢大災害で家族と家を失い、頼れる存在も自分の居場所もない状態となってしまって聖ルチーア学園の寮で内気な中学生生活を送っていた。だがある日、持っていたポケベルに届いた謎のメッセージが気になって廃村となった雛見沢を訪れ、そこでツクヤミという正体不明のバケモノに襲われるも、神を名乗る田村媛命という存在に与えられたカードの力で凌ぐ。
一穂は田村媛命からの(強引な)依頼を受け、彼女の『御子』となり、雛見沢の謎を探るべく大災害が起こる前の昭和58年の雛見沢へとタイムスリップする。当初、タイムスリップしたことに気づかず、戸惑っていた所を、父親の死の原因を調べていた所を田村媛命より力を授かり、一穂同様に依頼を受け過去へ飛んでいた赤坂美雪と出会い、行動を共にすることとなる。
そうして出会った美雪と、後にやって来た三人目の『御子』である鳳谷菜央とは、過去シリーズを知っている人間にとって、とても見覚えのある屋敷のような一軒家で、一つ屋根の下の共同生活を送ることとなっていく。
幼い頃に見かけた雛見沢の部活の天真爛漫な楽しさに憧れていたが、この世界における「部活」の内容は一穂の知るものとは掛け離れており、そのとんでもない内容に愕然とすることとなる。
雛見沢に来訪してしまった者の運命として、常に想定外の困難に晒され続けているが、美雪と菜央、他の部活メンバーに支えられながら、それなりにたくましく適応して暮らしているようだ。
ちなみに胸は制服姿だと大きく見えないかもしれないが、エンジェルモート衣装など、露出の目立つコスチュームをしていると、同年代の他の面々に負けない大きさだと分かる。
謎
当初は厄介な出来事に巻き込まれた一般人だと思われていたが、一部のイベントシナリオ含め多くのストーリーで彼女の出自や言動には不自然な点が多く目立つようになる。
特に出自に至っては顔が全く違う別人が同一人物として存在したり、そもそも存在しないといったケースがカケラごとに多発している。
彼女自身も仲間に隠し事をしている素振りがあり、本作のシナリオ、ひいては事件の核心に関係するものだと思われる。
黒沢千雨による評価によると、カードを用いたバトルでは一穂の方が一日どころか三日ほどの長があるという。持てる能力を余さず巧みに引き出して攻撃に送り込むとのこと(「チョコレート色の思い出」4話)。それが田村媛命のいう「角の民」(雛見沢出身者)としての力なのかそれ以上なのか。
正体
---以下、「ひぐらしのなく頃に命」のメインストーリーにおける重大なネタバレを含みます---
メインストーリー第三部以降、物語の中から一穂が不在する中、美雪は真実を知る人物たちから間接的に、一穂が何者であるかを徐々に知っていくこととなる。川田碧からは、「あれ(一穂)が本当は公由一穂ではないと気づいている筈」と疑念を突かれ、古手絢花からは、「一穂は人間ではない」と示されている。
そうして物語の核心と共に、徐々に迫っていった一穂の正体も、物語の結実であるメインストーリー第四部8章において、ついにその全貌が明らかとなる。
公由一穂は、無限に広がるカケラ世界の中で、彼女が産まれてくる可能性が何億分の一であるという、奇跡の子だった。彼女の兄である公由怜は幼少期、偶然にも田村媛命の神域に立ち入り、彼女と出会っており、そこで、第二子を欲しながらも流産に悩まされる母のことを話すと、田村媛より「鬼樹の葉」の一枚を授かる。一穂の産まれたカケラとはすなわち、怜が田村媛の言いつけ通り、「鬼樹の葉」を混ぜたものを母に飲ませ、流産が防がれた場合にのみ発生し、その可能性が極めて稀少であるため、カケラはたったの一つだったのだ。一穂が田村媛命と近い波動の持ち主であり、またロールカード戦における高い戦闘能力の持ち主である理由のひとつが、雛見沢御三家のひとつである、公由家の娘として、角の民の因子を濃く宿していることに加え、田村媛の因子を宿した「鬼樹の葉」の効力によってその出産が叶ったことが大きく由来していた。ちなみに、他のカケラで見られた、容姿の全く異なる「公由一穂」は、一穂が産まれなかったカケラにおいて、両親がさる金持ちより引き取った訳アリの養子であり、彼女が雛見沢に赴いた後、自害したのは、自身の出自の真相を知り、絶望したためである。
そしてメインストーリー冒頭、唯一の産まれ育ったカケラにおいて、一穂は雛見沢で田村媛命と出会い、過去へと飛ぶこととなったが、その過去へ飛ぶという行為が、肉体を持った人間としての公由一穂という存在が、完全にカケラの海から消失することを意味しているとは知る由もなかった。過去へ飛ぶという行為の内実は、ロールカードを手にしたことによって得た「繰り返す者」の力を行使し、別のカケラ世界へと渡るというもの。しかし、これまでのシリーズにおける梨花の「繰り返し」に知るように、「繰り返す者」の力の行使とは、その世界における自らの死を前提としていた。つまり、一穂が過去へ飛んだことは、その世界で文字通り一穂が他界したことを意味しており、その結果、他に産まれた可能性を持たない一穂は、カケラの海において意識だけが漂う不確かな存在と成り果ててしまった。そのため古手羽入いわく、第一部と第二部の間、再び世界を渡る際、その存在の不確かさから、一穂は様々な多くの世界へと分裂することとなり、そうして生まれた数多の「公由一穂の存在するカケラ」こそ、メインストーリーの外であらゆる可能性を見せる、イベントストーリーやキャラストーリーの世界だったのだ。
無数に分裂した公由一穂の中で、羽入や田村媛の力によって存在が固着された「親機」と呼ばれる存在があり、第三部以降、力の弱まった羽入や田村媛に代わり、数多の「世界」に干渉することで、美雪たちを最良の可能性へと導き、黒幕たちを追い詰めるに至らせた。人を超えた力をふるい、世界の多くに関与するその姿からまさに、公由一穂が、神と呼ばれる存在のひとつとなったことがうかがえる。しかし逆に言えば、肉体を持った公由一穂という存在 彼女が人間として、美雪と菜央と共に、元の時代に帰ることは、叶わなくなってしまったということを意味していた……。
しかし、希望の灯りはまだ消えたわけではない。一穂という神の『御子』となった秋武灯が、人間としての一穂が、美雪たちと共に暮らすことが叶う、最良のカケラを探し、今もカケラの海を旅している。
いつか、彼女が最良のカケラを見つけた合図として鳴らす、笛の音が高らかに聞こえる頃に。公由一穂という少女が、陰りのない、晴れやかな笑顔を浮かべ、大好きな友達と幸せな日常を過ごす光景が見られることを願って──。
関連タグ
園崎詩音 ??? ??? 右代宮縁寿 …違う世界線での聖ルチーア学園の生徒。詩音等3人は先輩、縁寿は後輩にあたる。
けーかず:圭一とのカップリングタグ
みゆかず:美雪とのカップリングタグ
あやかず:絢花とのカップリングタグ