概要
2016年5月開催の期間限定イベント。
今度のグラブルはほろ苦シリアスなラブストーリー。
参加すると、本イベント仕様のスタンが一時的に加入。何故か闇属性になっているが期待されていたSR昇格をもぎ取った。ついでにアリーザも恒常ガチャでSSRに昇格。
スタンは信頼度をマックスにすることでイベント終了後も編成可能になる。
2019年8月サイドストーリー追加。
メインクエスト第22章とサイドストーリー「臆病勇者と囚われの姫君」クリアで開放。
ストーリー
帰省する事となったアリーザの実家におじゃまする事になった主人公とスタンたち。長い旅の中でお互いの中を親密にさせたアリーザとスタンはその先に進む事を母親のアリシアに打ち明ける。歓迎されるかと二人は胸を躍らせたが彼女の返答はNoであった。若さ、そして種族の違い等を理由に諭されるスタンはなんとかして母親に自分がアリーザに相応しい人間であるかを証明するために奔走し、おとぎ話で語られる伝説の花を求めて魔物の巣窟であるタルウィに向かう。しかしそこでスタンは、恐るべき病に罹ってしまうのであった…
登場人物
関連タグ
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評価
実はそこまで良くはない。
それもそのはずで、本イベントの問題となったのは諸問題に『スタン及びが巻き込まれる』ものではなく、『スタンが勝手に問題を作って主人公らを巻き込む』という迷惑極まりない物だからである。
上述のあらすじのように書けば聞こえがいいが、実際はスタンの身勝手に振り回される話である。簡単に説明すると、
スタンとアリーザとの関係を認められないと断じたアリシアに対して、スタンはおとぎ話で語られる黄金の花を獲ってくれば、自分が相応しいと証明できると勝手に解釈してタルウィという危険地帯に入り込む。
(アリシアが断じた理由として生まれの違い等も挙げたが、何より種族の違いや若すぎること等について挙げたので『黄金の花を持って来ればお付き合いを認める』という話じゃない)
そこで不治の病を貰い、「このまま一人で死ぬのがアリーザのため」という謎解釈を起こして勝手に行方不明になり※、それを心配した主人公とアリーザがスタンを探しに行く事に。
(※補足すると、「アリーザのため」というのも初期の「アリーザを悲しませないため」から「アリーザの幸せのため」にブレてしまっている。)
…という先生憤死モノの内容で、終わりこそ二人の距離はより縮まったが結局双方「結ばれるには早い」と思って関係自体は進まずに終わった。
おとぎ話の主人公であったドゥルジが男らしく決めたおかげで後味自体は悪くならなかった面は、最後すら地獄だったロミジュリ二期よりはマシと言える。
だが煮え切らない結末に。それらを差し引いても戦犯としか言いようのないスタンの行為と、後日談にあたるSRスタンのフェイトエピソードの内容では結局騎空団に戻っている事も評価がイマイチ。
他の低評価シナリオに無かった着地点が準備されていただけずっと良い方なのだろうが…。
ではここまで不遇なことになった原因はなにかというと、元よりシナリオ中での説明があまりに疎かだったり突飛だったりしたことだろう。
(キャラクター愛をドブに捨てたような脚本担当が悪だという客観的な批評も多い。)
例えば冒頭でスタンはアリーザの母・アリシアに「お付き合いをさせてほしい」とアリーザと共に二人の意志を示すのだが、アリシアからの返答は「結婚は早い」だった。
結婚とお付き合いは違う。既にシナリオの突飛さを物語る片鱗が窺い知れている。
そもそも「結婚は早い」という言葉は「結婚を認めない」とは意味合いが大きく異なる。
暗に「娘の交際相手としてはある程度認めている」ということを言った上での「早い」であり、アリシアが挙げた理由である「種族の違い」はどうしようも無いにしても「年齢」については共に過ごしていれば時間が勝手に解決することである。
よって普通に考えれば「貴方たち二人の交際は認めるけれど、結婚は早い。もう少し二人で色々と経験し、愛を育み、種族の違いによる不幸や困難すらも乗り越えられるような絆を育みなさい」という意味にしかならない筈なのだが、それを何をどう勘違いしたら「黄金の花を獲ってくれば交際を認めてもらえる」となるのだろうか。
「結婚は早い」とだけ言われたのであれば理由もわからずに勝手に早とちりすることもあるかもしれないが、しっかりと理由を言われて諭された上での迷走、暴走であり、フォローのしようがない。
このほかにも上述のスタンの飛躍した発想・行動だったり、アリーザもアリ-ザで妙に冷静すぎたり突然アクティブになったりと要領を得ない展開が続き、全員がフワフワと宙に浮いたまま話が進むため、地に足をついて中立を貫いたドゥルジがシナリオの大部分として評価されてしまったという訳である。
・『なぜそうなったのか・そうしたのか(例えばスタンがなぜ「アリーザの元から離れたほうが彼女のため」と解釈したのか)』
・『なぜそう言うのか(例えばアリシアが恋愛=結婚を結びつけた理由や種族についての部分が不明瞭)』
という説明がしっかりしていればグッと物語に締まりが出ただけに、あまりに不完全すぎるまま投げられてしまったシナリオとして着地したのであった。
そもそも先月のイベントが想い人がヒューマンであろうと戦争兵器となり果てようとも変わらず愛を貫いたエルーンの青年の物語(ただし夢の中の話)だったのに、である。
反対理由として種族の違いを挙げるとは、バルツという地域の風潮、あるいはクライス家の風潮かアリシア個人の過去に何かしらあったのだろうか?
ここまでかなり酷評ばかりを書いているが、アリシアというドラフの人妻やドゥルジという漢らしいキャラを産み出した面はかなり好評を得ている。
このイベントで相当のヘイトを稼いだスタンの人気は当然ながら大きく下がったが、元々スタンとアリーザのペアが好きだったファンや、Rスタン → SRスタンの突然のイケメン化にメロメロになった女性ファンからは意外に好評だった。ファンたるもの、足りない部分は愛で補うのだ。
また彼は、後の大イベントでかなり漢を見せた事はここで補足しておこう。ついでにSSR化フラグも密かに立っていた事も。
アリシアの「結婚は早い」発言について
敢えて肯定的に考えるならば、恋愛の果てに結婚があるとも言えるため、娘達からのお付き合いをしたいという親への申し出はその果てにある結婚へ進むためのことを見据えてのものであると、既に結婚をしているアリシアが考えたとしてもそこまで不思議ではない。
また、我々現実世界における人種の違いなんてものよりもはるかに大きい違いを有するのがこのグランブルーファンタジーという作品の種族差であり、見た目は勿論種族毎の特性の違いも大きく、身長の違いだけで見てもアリーザとスタンでは45㎝(耳含む)というまさに大人と子供並みの違いがある。
各種族の記事に書かれている考察でもエルーンは暑がりである可能性が示唆されていたり等、種族毎の特性の違いからくる認識のずれなどによる不満が生じるおそれもある。
もっと踏み込んで考えると、ゲーム中で判明している限りでは「異なる種族の間に生まれたハーフがとても少ない」ということも深読みすれば異種族では子供ができづらいor子供ができないというおそれさえもある。
勿論単純にネームドキャラにいないだけで異種族間のハーフは世界中に普通にいるという可能性もあるが、逆に数少ない異種族間のハーフと明言されているグレアも元々は別作品出身のキャラであるため、彼女だけが例外であるという可能性もあり、現状はまだこれも憶測の域を出ていないのだが、仮にそうであったならば異種族間の結婚について慎重になるというのも十分あり得るかもしれない。
こういった理由から恋愛ごっこのような数年程度のお遊びの「お付き合い」ならまだしも、生涯を共にする「結婚」をするには様々な苦難や問題を乗り越えなければならないため、二人の精神が未熟すぎると判断し、暗に交際相手としては認めつつも「結婚は早い」と釘を刺し、今後のふたりの成長を促そうとしただけという可能性は十分ある。
逆にここでアリシアが素直に(結婚については置いておいて)「お付き合いを認める」と言った場合、言葉通りに「お付き合いを認める=彼氏彼女の関係になる」ではなく「結婚を認めてもらった」と早とちりするおそれも無くも無い(わざわざ親に交際の許可を求めるということは所謂「娘さんを僕にください」という昔ながらの結婚の許可を求めに行くシチュエーションと同じとも言えるため)。
言い方は悪いが、特にその後のスタンの軽率すぎるかつ迷走した言動を考えればそのような勘違いを起こしていただろうことは簡単に想像できてしまうことであり、そういう意味ではアリシアが二人の結婚までは許可しないと明言したのも正しいとしか言いようが無いだろう。
もっとも種族の違いについての問題がこの世界において(最低でもアリシア達の住む地域において)世間一般に周知されていることであったならばわざわざ口にして説明しなかった可能性も無くはないが、それを踏まえてもスタン達に再確認させるために「貴方達の恋人としてのお付き合いは認めてあげるけれど、結婚はまだ認めません。理由としては~」と理由を含めて一切の勘違いをさせないように、はっきりわかりやすくアリシアが言っていたならばそもそもこのような問題が起こることも無かったのでは?という問題点もあるのだが。
その後のイベントでは
以降のイベントでは異種族間の恋愛については大きく扱われず、2019年のイベントでは「異種族の恋は悲劇に終わる」とほのめかされてはいるが具体的に何があるのかは未だに明かされていない。
その後のイベントでは安易なキャラの死ネタを取り扱う事は減ったが、忘れたころに大惨事を引き起こした。この2つのイベントと上半期に開催されたカイオラ(蟹工船+カイジといった陰鬱なストーリーで一部の仲間キャラはゲス化までする)の3つを挙げて2016年のグラブルのイベントストーリーは不漁の時期として扱われている。