概要
主要人物の一人。
主人公・丑嶋馨が社長を務める闇金「カウカウファイナンス」のNo.3。No.2の柄崎貴明も含めた3名は中学時代の同級生で、同社の立ち上げメンバーでもある。
債務者に使う偽名は「加山」。
人物
長髪で髭を生やした風貌が特徴の、上述の二人に比べて細身の男性。口数が少なく表情の変化もあまりみせないが、柄崎と同じく丑嶋に対する信望は厚い。また柄崎とは、二人きりになる度お互いに「コイツとは話す話題がない」と思いつつも関係は悪くなく、有事には阿吽の呼吸で連携している。一時口内の怪我でフガフガとしか喋れなくなった柄崎に代わり加納がそのフガフガ言葉を通訳する場面もあり、三者共通の知人である戌亥からも、そのやりとりを「オバQ」に例えて驚かれていた。
中学時代はバリバリの不良で、当時から同級生の柄崎と二人でクラス全体をしめていた時期もあった。2年の頃に転入してきた丑嶋がナメた態度をとったとしてクラスの男子を従えてリンチするが、回復した丑嶋にタイマンを挑まれた際には一方的にやられ大怪我する事に。しかし、当時加納たちにとって恐怖の存在だった鰐戸三兄弟を鎮静化させた事もあり、柄崎共々、丑嶋に信頼を寄せるように。その暴力沙汰で少年院に入る事になった丑嶋が出所する日には二人で出迎えに現れている。
丑嶋や柄崎同様に荒事に慣れているが、二人ほど喧嘩の腕は振るわず、自宅襲撃時もマサルとのドア越しの攻防に押し負けている。ただし、昔から口が固く、どんなにエグイ尋問をされても仲間を売ることはなく、上述の丑嶋とのタイマンで敗北後、丑嶋から柄崎を呼び出すよう強要されても気を失うまで啖呵を切ってみせた。
また太めの女性が好きで、給料日にはデブ専風俗で散財したり、道行くふくよか体型の女性に見惚れてしまうなどシュールな一面を見せる事も。結婚した麻里もその例に漏れずプラスサイズの不思議ちゃん系の女性で、彼女からは交際時は「加納(かの)ちゃん」、妊娠後は「パピィ」と呼ばれている。ただ、パピィは加納が難色を示した為、結局これまでの加納ちゃん呼びで落ち着いた様子…夫婦(同姓)なのでこれもこれで変だが。
作中での活躍
当初は柄崎とコンビで、また丑嶋を加えての三人で行動する場面も多かった。
その後『ヤクザくん編』にて、交際していた麻里という女性が妊娠したことで、彼女と結婚し真っ当な仕事で家族を支えたいとして退職を表明。丑嶋も理解し退職を受け入れるが、柄崎は闇金で食ってきた加納や元風俗嬢の麻里、その二人から生まれてくる子供を悪辣な言葉で罵倒し、加納も自分は兎も角、生まれてくる子供を馬鹿にする柄崎を許せず口論を始める。しかし、柄崎は内心で加納の好転を我が事のように喜んでおり、トイレに行くと席を立つフリをして物陰で男泣きしており、こっそり後をつけていた加納もその姿を見て「バカ柄崎」と呟きつつもらい泣きしていた。
後日、丑嶋から渡された退職金を元手に一般の金融業を開く準備を進めていたが、丑嶋を憎むヤクザの飯匙倩一派、およびカウカウファイナンスを裏切ったマサルの企てで拉致され、丑嶋を誘き出す人質として拷問を加えられる。通話で命乞いするよう要求されても、己の死を覚悟して、丑嶋には妻子の無事だけを望んでいた。
その後、同じく飯匙倩たちとの揉め事で同じ場所に拘束されていた猪背組の熊倉が、飯匙倩が出かけた隙にマサルに頼み込んで拘束を解いてもらい(その後マサルは監視役の最上を殺し、加納の家から奪った退職金を持って逃走した)、自身が辱めを受けたことの口封じするために加納を絞殺。間もなく現場に乗り込んだ丑嶋は加納の遺体を発見し、同時に彼の遺体から熊倉へと血痕が続いていた為その事に気付く。飯匙倩たちとの決着後に「ヤクザ同士の揉め事」と隠蔽工作して熊倉を銃殺した。肉蝮を制する頃に合流した柄崎も「加納はドコですか?」という問いに言葉を返せずにいる丑嶋の表情で彼の死を察知し嗚咽を漏らし、共に「マサルにケリを付けたら加納の葬式を上げる」ことを誓った。
(結局、事件のほとぼりを冷ますため以後3年間東京を離れることになり葬儀は行えなかったようだが、この期間に沖縄に潜伏していたマサルから退職金を取り戻し、郵送で麻里の元に送っている。)
最終回では、丑嶋の誕生日を祝う為に加納の妻子が戌亥の実家のお好み焼き屋を訪れていた。熊倉殺害から東京に戻るまでで約3年、その後もシシックの獅子谷、滑皮との一連の騒動の決着まで数年を費やしたこともあり、加納の息子・晃(ノボル)もすっかり成長しており、また目鼻立ちがハッキリする齢に入った事で加納の面影が現れてもおり、集まった面々も嬉しそうにその事に触れていた。
その他
因みに実写版ではカウカウファイナンスの社員としては登場しない。