概要
『ギャル汚くん』編(4巻~5巻)で登場するフリーターの青年。22歳。通称「ジュン」。
自身を低学歴といっており、最終学歴は中卒か高卒であることが分かる。
その名の通り、ギャル男であり、中肉中背の体系が特徴。家族には両親と中学生くらいの妹がいることが明かされている。
音楽バンドのイベサー(イベント系サークル)「バンプス」の代表で最年長者であり、仲間からは「お父さん」と呼ばれているが、慕われているというわけではなく、むしろ年長者であることを皮肉って言われているという方が正しい。
口癖は「にーっ」であり、感情が高ぶった時によく言う。また、よく鼻水が出るが、病気なのかは不明。
人物
自信のない自分にコンプレックスを抱き、イベサーを通じて成り上ろうとしているが、そのための手段が「甘い言葉で他人を躍らせ搾り取ることにしか関心のない業界人や半グレも含めた後先考えない人脈作り」や「そのための多額の借金」という短期間で結果は出るもののよくよく考えればリスクが高過ぎる類のものでしかなく、努力の方向性を明らかに間違えている。その上バイト先の日焼けサロンで遅刻を繰り返した挙句最新マシンを勝手に使って日焼けして店長に叱られてその時点でバイトを辞める等、普段から怠惰な上に金遣いも荒い。
既に消費者金融から返せなくなるほどの借金を重ねてブラックリスト入りしており、日頃から周囲の人間から金を無心しすぎたせいで返済も滞納しており、信用を失って孤立に近い状態になっており、果てには両親からも借金絡みのトラブルで絶縁されている。更には人脈に固執し過ぎ、ヤバそうな相手とは縁を切るということをしてこなかったのが仇となり、協賛金やハコ代、みかじめ料(ケツモチ料)に追われている。美人局に協力させられている(している)親友の根岸雄太(通称:ネッシー)からは「無理してイベサーやることはない」、「もっと自分を大事にしろ」と説教されている。
おまけに、たまたま歩いてた女子中高生を見かけて「おっ!!カワイイ」と言うなどロリコン疑惑あり。
一見人気者だが、実際の人望は全くない。そのため、年下の仲間の「イケメンゴレンジャイ」の尚也以外のメンバーからはバカにされている(彼らは家が金持ちで高価なものを身に着けており、ジュンと尚也が貧乏であることが理由。また、それぞれ18歳で受験生であることも相まって、ジュンに連れまわされることに不満を抱いていることも兼ねているとも見て取れる)。
活躍
バンプスのイベント資金を集めるために借金を重ね、行き詰った際に、愚かにも「闇金業者から金を借りて踏み倒そう」という不届き者として丑嶋馨を恐喝で訴えて示談金を取ろうとする。このやり方はネッシーから教わったが、あくまで「理論的に可能」と言っただけであり「成功する補償の有無」を言っていない。そのため、丑嶋の弁護士や部下たちの活躍により丑嶋が釈放されて失敗。さらに周囲に無心した金の債権もカウカウファイナンスに買い取られ、計200万円の借金(+利息分475万円)を負う。
それと前後して、自分にイベサーの件を連絡をしなかったため、ジュンから金をせしめようと駆けつけた暴走族のヘッド・石塚ミノル(通称:豚塚)に助けを求めるが、石塚自身は相手が悪い丑嶋から身を引こうとするために丑嶋にメンチを切ってジュンを見限り、その場を後にした。
尚也を襲った肉蝮の恐喝から始まったトラブルに巻き込まれた挙句、保身のために親友のネッシーを肉蝮に売ってしまう。さらに再度「今度は絶対被害届取り下げない」、「お前らみたいな闇金業者は警察に捕まっちまえばいいんだ」などと丑嶋らを恐喝したため、丑嶋たちによって樹海に連れて行かれる。
全裸で木に縛られワインと蜂蜜を体にかけられ「樹海では小動物によって遺体の原型は分からなくなる」という旨の脅しを受ける。小川は激しく動揺し先程の態度から一転借金も必ず返すと命乞いをするが、「(やっぱりイベサーで稼いだ金で返済すると言った)お前の言葉は信用できない」と拒否される。
しかし丑嶋は小川を「頑張り屋さん」だと買っていると話し、最後のチャンスとして「借金の保証人になるやつが1人でもいれば開放する」として電話をかけさせたが、薄っぺらな繋がりであるか、彼の人脈を利用しているかだけでしかない彼を助ける者は誰もいなかった(親とイケメンゴレンジャイに至っては電話にすら出なかった)。
唯一の味方であったネッシーは他でもない小川に裏切られたことで肉蝮によって意識不明の大怪我を負わされ電話には出られず、ネッシーの彼女のまいたんは肉蝮の強盗によって所持金を失っており、泣きながら助けられないことを謝罪するのみであった。
こうして最後のチャンスを自業自得でフイにした小川は樹海の中に放置されることとなった。
物語の最後には朦朧とした意識の中おびただしい数の虫によって蝕まれている彼と何処かの机の上に置かれた彼の携帯電話が描かれた。
実写版
映画オリジナルの設定で幼馴染の鈴木未來とスポンサーの猪股が登場しており、前者の方は他の人物とは逆にジュンを尊敬している。
冒頭でイベサーに出資するはずだった猪股が取り立てで丑嶋達に拉致されてスポンサーの取引が台無しとなってしまう。ちなみに丑嶋に追い詰められた猪股の末路は奇しくもジュンと同様に味方だと思っていた仲間達から見捨てられるというものであった。
終盤で樹海に放置されたシーンでは偶然未來から電話がかかってきて藁にもすがる思いで助けを求めようとしたが、ちょうど人生をやり直そうとしていた彼女の話を聞いている内に「(未來を)巻き込みたくない」「自分のツケは自分で払う」と覚悟を決め、自ら助かる道を絶った。なお、当の未來は(樹海での状況を知らないまま)これからもジュンの味方でいるつもりであった模様。
大筋は原作通りであるものの、本当の意味で味方になってくれる者が1人だけいた事、原作とは違いその者を裏切らないと選択する事で小川自ら破滅を選ぶこととなった事は、原作以上に悲惨だったと言える。
演じているのは林遣都。
余談
その悲惨な最後から「死亡した」と断定的に語られることが多いが、あのまま命を落としたとは明言されて居ないこと、彼の携帯電話が何者かに回収されていることから実際には生死は不明である。
読者の中には結局丑嶋達は他のエピソード同様に借金回収の為に小川を助けたのでは無いかと予想する人もいる。
彼がどうなったかは読者の解釈に委ねられるだろう。
関連タグ
伊集院茂夫の拷問日記 - 劇中で丑嶋が彼に執行した拷問の派生系が登場するエピソードが存在する。ちなみに主人公と動画版の丑嶋は声優が同じ。
野田一によるムカデの餌 - 『華の天羽組』シリーズで、丑嶋が小川に執行したのと類似の拷問。執行された村瀬は翌朝には助け出されたが、その足で借金支払いのためにタコ部屋へ売り飛ばされた。