概要
「ウシジマくん」編にて10年前の過去が描かれたエピソードで初登場した闇金グループであり、のちに主人公丑嶋馨が設立するカウカウファイナンスの前身にあたる。
カウカウファイナンスと比べると会社の規模が大きく、複数の支店に分けて経営している。
その実体は獅子谷の恐怖政治で成り立った半グレ集団であり、借金の取り立てだけでなく富裕層を狙った恐喝やカラーギャングに近い襲撃も行なう等、もはや闇金の範疇を超えた犯罪組織とも言える。
更には利用価値のある人材をヘッドハンティングする際には懸賞金による脅迫等を駆使した強引な手段でシシックに入社させる場合もある。
しかし、一方ではノルマを達成できなかったり売上が最下位になったりした社員に対しては耳を切り落とす等の拷問を加える地獄のようなブラック職場という側面も併せ持っており、たとえノルマを達成したとしても再び成績最下位になれば拷問の対象にされる運命であり、そのような意味ではカウカウファイナンスのアンチテーゼとも言える。
待遇に関しても作中の描写を見る限り、脱税対策に必要なマネーロンダリングが上の人間が優先であるらしく、その恩恵を受けられない下っ端はいくら稼いでも汚れたままの金では大っぴらに豪遊できない立場であった。
それらの暴挙は当然ながら立派な犯罪行為であるが、表向きはベンチャー企業で暴対法に引っかからない半グレという立場に加え、被害者でもある社員達が闇金に手を染めている故に内部告発すら困難であった。
もっとも、仮にも法治国家である日本でリスクも無く恐怖政治がまかり通るほど社会も甘くはなかったのか、作中で丑嶋が入社した後にシシックが内偵で警察にマークされ始めた事が言及されている。
そして、内外問わず暴力で支配する経営方針によって自浄作用もなく一部の社員の反感を育てる事となり、裏切り者による売上金強奪事件を皮切りに獅子谷がなりふり構わず社員達をぞんざいに扱った結果、反旗を翻した幹部達が獅子谷を殺害。それと同時に丑嶋が仲間と共にシシックを見限る形で逃走してカウカウファイナンスを設立する事となった。
獅子谷の死後、弟の獅子谷甲児がシシックを引き継いだ。
主な所属者
シシックの社長。
幹部の1人。詳細はリンク先参照
- 黒石
社員の1人であり、過去に受けた獅子谷の拷問で耳を切り落とされている。
売上金強奪事件の後に獅子谷に監禁された丑嶋達の見張り役を担当していたが、当の丑嶋に「獅子谷に従い続けてもどのみち切り捨てられる運命」という旨で説得された事で獅子谷に反旗を翻す形で丑嶋達を解放した。その後、(直接の描写は無いが)丑嶋達を逃がしたペナルティを兼ねた拷問で獅子谷に殺害された事が言及されている。
シシックの新入社員。
丑嶋自身は真っ当な職場で働こうとしていたが、獅子谷の脅迫じみた勧誘に屈してやむ無くシシックに入社する羽目になった。
入社後に支店「シュリンプファイナンス」で好成績を収めたものの、売上金強奪事件に巻き込まれた事をキッカケにシシックを脱退した。
支店「シュリンプファイナンス」の古参社員であり、丑嶋とは学生時代の知り合い。
- 海老名誠
支店「シュリンプファイナンス」の店長。
闇金業者に相応しく悪質な取り立てで債務者を容赦なく追い詰める悪漢で妻子持ち。
当初は売上1位であったが、のちに最下位になったために制裁として右耳を切り落とされた。
その後、新入りの丑嶋がシュリンプファイナンスの売上を上げる一方で自分が獅子谷に最下位扱いされ続けてる待遇が原因で反旗を翻す形で同僚の鯖野と共に売上金強奪事件を起こして丑嶋に罪を被せようと目論んだが、売上金6億円を奪った後に鯖野に裏切られてしまう。自宅にいる妻子を見捨てる事ができずに鯖野の裏切りを非難したものの、当の鯖野からは「家族が大事なら強盗なんてすんじゃねーよ」と至極真っ当な反論をされた。
鯖野に置き去りにされてやむ無く本部に戻って口裏合わせをしたものの、最終的に裏切りがバレて左手を斧で切断された末に失血死した。
- 鯖野
海老名の同僚である店長。こちらも妻子持ち。
初登場時は売上最下位で獅子谷に発破をかけられて死に物狂いの努力で1位になったものの、のちに再び最下位になって両耳を切り落とされるという制裁を受けた。
その後、海老名に話を持ちかけられる形で売上金強奪事件を起こしたが、売上金6億円を奪った後は達成感で有頂天になったのか、唐突に海老名を裏切って妻子をも見捨てて逃亡する事を決意(その際に餞別として半分の3億円を海老名に山分けしていたが)。
そして、愛人を連れて高飛びしようとしたが、その時既に愛人が懸賞金目当てでシシックに密告しており、事実上生け贄にされた鯖野は幹部達の襲撃で拷問された末に死に際に共犯者が海老名である事を白状して絶命した。
ちなみに鯖野の愛人は悪びれる事なく懸賞金500万円と迷惑料を獅子谷に催促するシーンを最後にフェードアウトしていたが、本作では過去の行いによって後に因果応報の末路を迎えるケースも多いため報酬を得た後も彼女は幸せな人生を維持していたかどうかは定かではない
- 池袋の店長
回想シーンのみの登場で1年前に自作自演の強盗事件の被害者を装って売上金5000万円を横領しようとしたが、獅子谷にバレて拷問で殺害された後に山に埋められた事が言及されている。
- 梶尾
社員の1人。
実は裏で猪背組の滑皮秀信と繋がりを持っており、のちに独立して滑皮の舎弟となった。
なお、シシックの中では上手く立ち回っていたものの、利益よりも忠誠心を優先して日頃から恐怖政治を行なう獅子谷に対しては陰で辟易していた。
備考
カウカウファイナンスものちに社員であった加賀勝(以下マサル)の裏切り行為で大金を強奪される事態に陥る事となり、「逃亡者くん」編では丑嶋達がマサルにケジメをつけさせるために沖縄まで追いかける展開となっていたが、現地で制裁を加えて大金を取り返した後に最終的に情けをかける形でマサルを見逃していた。
裏を返せば、仮にマサルがシシックに対して同じ事をしようものなら海老名や鯖野と同じ運命を辿っていたと言える。