概要
下処理を施して専用の焼き窯の中で皮がパリパリになるまでじっくりと焼いたアヒルの丸焼き。北京料理の代表格。
日本ではこの材料として使われるアヒルの品種も「ペキンダック」と呼ぶ事がある。
作り方
- 屠殺した後羽毛と頭を取り除いたアヒルの体内に空気を入れて膨らませ、フックにかける
- 1のアヒルの体全体に熱湯をまんべんなくかけ、体表に付いた余分な脂を洗い流す
- 皮に飴糖水(水飴に水を加えて煮溶かしたもの)を塗った後、余分な水分を除く為に一昼夜涼しい場所に吊るす
- 専用の焼き窯に仕込んでじっくりと焼く。焼き窯の形状により「闇爐(アンルー、ànlú)」(オーブン式の扉付の炉で蒸し焼きにするスタイル)と「明暗爐(メイアンルー、míngànlú)」(扉のない炉で直火でアヒルを炙るスタイル)とに大別される。
食べる時は皮を削ぎ切りにし、小麦粉を焼いて作った「薄餅」(バオビン、báobĭng)または「荷葉餅」(ホーイエビン、héyèbĭng)と呼ばれる皮に薬味(ネギ)やキュウリ、調味料と共に包んで賞味する。
店によって皮だけを薄く削ぐ場合と、ある程度肉も付けて削ぎ提供する場合がある。また、1990年代以降の中国の経済成長が起きてからは、同じ北京ダックでも調理法が多様化し、一時期はローカロリー・健康的な現代風の北京ダックの店が流行る一方で、伝統的な製法の老舗には閑古鳥が鳴くような事態も起きた。
残った肉は炒め物にして、最後に残った骨はガラスープとして出すことも有り、「全鸭席」と呼ばれる北京ダックをメインにしたアヒル料理づくしのフルコースも有る。
余談
- 北京ダック用のアヒルはフォアグラ用のガチョウ/アヒルのように、餌を無理矢理食べさせられて育てられる事が多い。この為、中国では子供に対して暗記重視の詰め込み式教育を行なう事を「填鴨式教育」と呼ぶ事が有る。(填鴨は北京ダック用に太らされたアヒルの事)
関連タグ
北京烤鸭:表記揺れだが、こちらは主に食物語キャラクターに使われる。