概要
1978年10月25日に日本コロムビアから発売された坂本龍一のデビューアルバム。およびその表題曲名。
タイトルは、ベルギーの詩人アンリ・ミショーがメスカリンやハシシなど幻覚剤を接種したときの体験を綴ったエッセー『みじめな奇蹟(Misérable Miracle)』の、冒頭の一節より取られている。
発売はYMOがデビューアルバムを発売する1ヶ月前で、坂本がまだ無名であったことや、まだ大衆がシンセサイザーの音楽に馴染みが薄かったのもあり、初回プレスはたった500枚。うち200枚が売れ、200枚が返品されたらしい。
坂本はアルバムが完成したとき、嬉しくて常連のカフェバーでアルバムをかけてもらったところ、店内が微妙な雰囲気になったといい、仲の良い自分も音楽をやっているというウェイターから「坂本さん、この音楽じゃモテないですよ」と言われたとか。
ただ、翌年にYMOがブレイクすると、ようやく話題となり数十万枚を売り上げたという。
コンピュータ・オペレーターは松武秀樹が担当。松武はこれがYMOメンバーと知遇を得るきっかけとなり、そのレコーディング参加やツアー帯同を行うようになる。
その他、渡辺香津美がギターで、当時坂本と仲の良かった山下達郎がカスタネットで参加している。
収録曲
A面
1:千のナイフ THOUSAND KNIVES
YMOのアルバム『BGM』でセルフカバー
2:ISLAND OF WOODS
3:GRASSHOPPERS
B面
1:新日本電子的民謡 DAS NEUE JAPANISCHE ELEKTRONISCHE VOLKSLIED
山下達郎がカスタネットで参加
2:PLASTIC BAMBOO
3:THE END OF ASIA
YMOのアルバム『増殖』でセルフカバー