作品情報
概要
2019年6月から刊行され、2022年9月現在1巻~7巻と6.5巻を含めた計8巻が小学館ガガガ文庫から発刊、5巻にはSS冊子付き特装版が発売されている。
2020年4月には、コミカライズ版が『マンガUP!』にて連載が始まったほか、ドラマCD版のリリース、一巻がオーディオブックとして販売された。2025年にはテレビアニメが放送される予定。
英語版のタイトルは『Chitose Is in the Ramune Bottle 』
作風
ヒロインの多さからハーレム系ラブコメとして見ても良いかもしれない。
『ど真ん中の王道ラブコメ』『ただ青春しているだけの物語』として裕夢自身は書いており、小学館ライトノベル賞を受賞した際の「設定が斬新」という評価にはピンと来なかったという。
こうした評価が挙がったのには、ライトノベルにおいては何かしら特殊な設定が加えられたラブコメが多く、逆にただ青春するという王道ラブコメがほとんど存在しなかったともいえるだろう。こうした背景から裏表紙や作品紹介では『新時代のラブコメである』と評されている。
千歳朔の一人称で進むことが多いが、千歳グループや先生の一人称で描かれることもある。
文章の特徴として、情景描写や比喩表現、擬音語や擬態語を多用している。これらの特徴は裕夢自身も表現については拘っている点であるという。
評価
本作は第13回小学館ライトノベル大賞の優秀賞受賞作であり、改題前のタイトルは『ラムネ瓶に沈んだビー玉の月』
『ラノベ好き書店員大賞2020』文庫部門第2位。
『このライトノベルがすごい!』文庫部門では2021年度から二年連続1位。
男性キャラランキングにおいては『千歳朔』が2021年度では第4位に、2022年度では第2位にランクインしている。
また女性キャラランキングにおいても、2022年度に第8位に『青海陽』第9位に『七瀬悠月』がランクインしている。
また本作は裕夢にとってデビュー作であり、デビュー作として『このライトノベルがすごい!』を2年連続1位を受賞したのは、この作品が初である。
主な登場人物
紹介文に関しては1~6.5巻及び7巻の巻頭ページから引用している。
CVはドラマCD及びオーディオブックより。
チーム千歳
いずれも2年5組。トップカースト集団。
主人公。学内トップカーストに君臨するリア充。
眉目秀麗、才気煥発な元野球部。芯に熱いものを持つ。
天然姫オーラのリア充美少女。テニス部所属。
天真爛漫で誰からも慕われる少女。ひと夏を超えて大人びた女性に。
努力型の後天的リア充。吹奏楽部所属。
穏やかで包み込むような優しさを持った少女。料理が得意。
小柄で活発な体育会系少女。バスケ部所属。
女子バスケ部のキャプテン。
夕湖と男子人気を二分する美少女。
美しさと賢さをあわせ持つ少女。女子バスケ部の副キャプテン。
仲間想いの体育会系男子。男子バスケ部のエース。
多才かつ如才のないイケメン。サッカー部の司令塔。
元・ひきこもりのオタク少年。
藤志高校
三年生。言動の読めない不思議な先輩。本好き。
幻想めいた美しさを持つ。子供っぽい一面もある。編集者志望。
望紅葉(のぞみ くれは)
7巻より登場。一年生。
あらゆる面で高スペックな後輩女子。陸上部所属。
朔たちの担任教師。適当&放任主義。
締めるところはきちっと締める。
上村亜十夢(うえむら あとむ)
実はツンデレ説のあるひねくれ男。中学時代は野球部。
綾瀬なずな(あやせ なずな)
裏表のない明るいギャル。亜十夢とよくつるんでいる。
美咲先生(みさきせんせい)
女子バスケ部の顧問。
その他
東堂舞(とうどう まい)
足羽高校の生徒。バスケ部。
陽のライバル的存在。
あらすじ
1巻 2019年6月発売
「五組の千歳朔はヤリチン糞野郎」--学校裏サイトで叩かれながらも、藤志高校のトップカーストに君臨するリア充・千歳朔。彼のまわりには、外見も中身も優れた友人たちがいつも集まっている。圧倒的姫オーラの正妻ポジション・柊夕湖、努力型の後天的リア充・内田優空、バスケ部のエースの元気娘・青海陽。仲間たちと楽しく新クラスをスタートさせたのも束の間、朔は引きこもり生徒・山崎健太の更生を頼まれる。
2巻 2019年10月発売
「千歳しかいないの。どうかお願いします。私と付き合ってください」
千歳朔は七瀬悠月から嘘の恋人になるように持ち掛けられる。ストーカー被害に悩まされており、それを解決してほしいようで……
3巻 2020年4月発売
「おとぎ話みたいな現実だってあるんだよ。本当は、すぐ近くにね」
心の支えでもあった西野明日風との距離が近くなっていった。朔は嬉しい反面、どこか切なさにも似た感情を抱えていた。それがひどく身勝手なものと理解しながら。
4巻 2020年9月発売
「朔......頼む、野球部に戻ってくれ。どうしても、お前の力が必要なんだ」
ある暑い夏の日。自分で止めた時計が、もう一度音を立てて動き出した。これは挫折と葛藤そしてまだ胸にうずく熱の物語。
5巻 2021年4月発売
夏休み。藤志高校では恒例の2・3年合同の勉強合宿。どこまでも青い空と海。色とりどりの女子の水着。夜、ふたりきりのナイショ話。俺たちは、こぼれ落ちそうな思い出をポケットいっぱいに詰め込んでいく。
ーー何かが変わる夏が、賑やかに密やかに、幕を開けた。
6巻 2021年8月発売
すべては変わってしまった。唐突に、劇的に。どうしようもないほど残酷に。
けれど、ひとりで塞ぎ込む時間を、彼女は与えてくれなかった。
「あの日のあなたがそうしてくれたように、今度は私が誰よりも朔くんの隣にいるの」
チラムネ前半の結びの巻。
6.5巻 2022年3月発売
「ばいばいみんな、また二学期にな」
熱く駆け抜けた季節を終わらせ、もう一度歩き出せるようにと。終わりはきっと、なにかの始まりだから。
6.5巻は朔の一人称が存在せず、ヒロインの一人称のみの全四編で構成される。
7巻 2022年8月発売
「1年5組の望紅葉です。よろしくお願いします」
夏休みが明けて、九月。藤志高祭に向けた準備が始まった。校外祭、体育祭、文化祭が連なる、高校生活でもとびきり華やかなイベントだ。朔たちは青組の応援団に立候補し、グループパフォーマンスを披露する。縦割りチームで3年代表として、明日風が、そして1年から陸上部の紅葉が参加することになった。
望紅葉が初登場する巻。
悩める少年少女たちが成長していく物語として一巻以降進んでいくが、五巻以降からは千歳朔を中心とした恋愛ストーリーとしての側面が強くなっている。
チラムネ福井コラボ
作者の出身地でもある福井に実際に存在する店や場所がある。例えば本作の主な舞台である藤志高校のモデルは作者の出身校でもある福井県立藤島高等学校である。
そういった経緯もあり、作品の舞台である福井市との「チラムネ福井コラボ」が開催された。
聖地である福井市内を中心に周遊イベントが行われた。
第一弾が2022年2月~4月に開催された。
オリジナルグッズの発売。
チラムネキャラクターの等身大パネルの設置。
周遊イベントの実施。
第二弾が2022年8月~10月に開催された。
ラブリーパートナーエルパにて特大バナー広告・8mの特大タペストリーの設置。
チラムネのラッピングバス及びレンタサイクルが登場。
オリジナルノベルティーの配布。
第一弾より広域な周遊イベントの実施。
オリジナルグッズの発売。