Caution!!
以下の記事には重大なネタバレを含みます
概要
物語序盤において、104期生の中でライナーとベルトルトは揃ってウォール・マリア南東の山奥の村出身であることが明かされていたが、アニの出身地は不明であり、二人と彼女の関係も同期生という範囲を逸脱しない描写であった。
104期生卒業直後に行われた調査兵団による第57回壁外調査の際、"女型の巨人"が出現し多数の死者を出すとともに、エレンが攫われかける。
その後、アニが"女型の巨人"であることが判明し、彼女の身辺調査の結果、アニは戸籍上ではライナーやベルトルトと同じ地域の出身であることが明らかになった。
そして第57回壁外調査でエレンの居場所を女型の巨人に教えた協力者として、女型の巨人がエレンのもとに向かう直前まで戦っていたライナーの名前が浮上する。
女型の巨人だったアニと同郷だという2人に、ハンジは悟られないようにしつつ注意を払うようにとエレンたちに指示・・・と思ったら10巻終盤にて当のライナーがエレンを呼び、
「俺が"鎧の巨人"で、こいつ(ベルトルト)が"超大型巨人"だ」とサラっと暴露し、「俺たちの故郷に付いてきて欲しい。一緒に来てくれるなら人類を襲うのも一旦止める」との旨を伝えた。
こうして実は3人が最初から協力関係にあったことが判明し、彼らを一緒に描く作品がpixivなどの二次創作で増えた。
なおこのタグは未読者にネタバレしにくい仕様であるが、その由来を調べる際にうっかりネタバレを知ってしまう可能性が高いため使用には注意が必要。
訓練時代ではアニと2人は親しい素振りを見せたことがなかったらしく、エレンもアルミンも3人が同郷であった事に非常に驚いていた。
逆にトロスト区の攻防戦では殆ど3人一緒で行動しており、その印象からアニが巨人だった事を踏まえて、3人は巨人としての仲間なのではないかという疑惑が読者の間で浮上していた。
事実、以下の通り随所で伏線は見受けられていた。
- 訓練兵団での順位が主人公のエレンとヒロインのミカサを挟んで並んでいる。
- 補給所が巨人に囲まれてガスの補給ができないでいた時、アニがライナーに「どうする?」と尋ね、ライナーは「やるならもっと集まってからだ」と答える(マルコは補給所に突入する相談と解釈していたが、実は内門を破るタイミングの相談であり、巨人がもっと集まるのを待っていた)。
- 生死をかけた作戦を前にして、ライナーがコニーたちが引き連れた奇行種のことを「あの巨人についてどこまで知っている?」と尋ねる(コニーは生きるか死ぬかの状況で何故ライナーがそんな事を聞くのか理解できず、「助かってからでいいだろ、そんなこと」と答えている)。
- ライナーとベルトルトが巨人に襲われかけたコニーたちよりも、巨人を倒したアニの方を真っ先に気遣う。しかも、その時のライナーの台詞は巨人を相手にして、「死ななくて良かった」ではなく「怪我をしなくて良かった」。
- 壁外調査でアルミンの女型の巨人に関する考察と、エレンの居場所を何かと気にかけるライナーの言動。
アニメでは原作のネタバレを踏まえ、2話では彼ら3人がウォール・マリア陥落(させた)後、ウォール・ローゼにやって来た当時の姿が密かにオリジナルで描かれており、その後も原作に比べて3人が同じ画面に納まり相談や目で合図しているシーンが増やされている。
ちなみにアニは153㎝とかなり小柄であるのに対し、ライナーは185㎝、ベルトルトは192㎝と非常に大柄な体格であり、三人が並ぶとかなりの身長差があることがわかる。
経歴
元は壁外にあるマーレ国から送り込まれた刺客。
5年前にベルトルト(超大型巨人)はシガンシナ区の外門にあった開閉扉を破壊、アニ(女型の巨人)は大量の巨人を呼び寄せてシガンシナ区を侵攻させ、ライナー(鎧の巨人)はその混乱に乗じてシガンシナ区の壁内へ続く内門を破った。つまりこの3人がウォール・マリアを陥落させた張本人たちである。ちなみに当時ライナーは12歳、ベルトルトとアニは11歳である。
ウォール・マリアを陥落させた後は難民に紛れてウォール・ローゼに入り込む事に成功し、目的のために情報収集しながら三人で開拓地で過ごしてきた。「ウォール・マリア南東の山奥の村」という出身地は、実際は開拓地で出会った「家族も見捨てて唯一生き残ったある男」の出身地であり、名前もあまり知られていない村だった。そしてその男は三人に境遇を話した後、家族への罪悪感から首吊り自殺をした。
偽りの出身地を手に入れた三人は第104期訓練兵団に入団し、常識外れの実力を持つミカサにこそ敵わなかったものの、三人揃って文武両道の高い身体能力で優秀な成績を収め、主人公のエレンを抑えてそれぞれ2位、3位、4位の成績で卒業する。
卒業の翌日にトロスト区で行われた演習で、調査兵団の留守もあり三人は再び人類への攻撃を決行。トロスト区にいる同期たちが前線に駆り出されることを承知した上で、ベルトルトは再び超大型巨人としてトロスト区の開閉扉を破壊し、再び人類を巨人の脅威に晒して結果的に多くの駐屯兵団や同期たちを死に追いやった。本来ならトドメでライナーが内門を破壊する筈だったが、エレンの巨人化が判明したことで人類への攻撃を一時止めることにし、3人はエレンの誘拐を試みるようになる。
元々は3人揃って憲兵団に入団して中央政府に近づくことを考えていたが、エレンの巨人化能力が判明したことで、ライナーとベルトルトはエレンと同じ調査兵団に入団して彼を監視することにした。
3人は強い使命感を持って人類の敵としての立場を貫いており、「故郷」に帰ることを何よりも切望している。しかし3年間厳しい訓練で苦楽を共にした同期たちに対する仲間意識は本物で、彼らには非情になりきれずにいる。また同期たちを騙し、目的のために多くの人間を殺害していることに対しても少なからず罪悪感を抱いており、精神的にかなり追い詰められていた。
ライナーとベルトルトはアニの正体がバレて水晶の中で眠りについてしまった事は知らなかった。調査兵団に正体を明かしてしまった2人がエレンとユミルを連れて一度故郷に戻らざるを得なくなった時、また壁内に行く時は“目的のもの”と、“ユミルとの取引条件であるクリスタ”と、“憲兵団に潜入しているアニ”を連れて帰ろうと語っていた。その後、何とかしてエレンを取り戻そうとしたアルミンが、2人の動揺を誘うために「アニを置いていくの?」と口に出した時、はじめてアニの正体も既にバレてしまっていた事を知った。その際に動揺を隠せず、またアニが拷問を受けているという話(実際は嘘だが)に憤りを露わにしていた。
その後、無事では済まない事を承知した上でライナーたちのもとに残る事にしたユミルと共に、ウォール・マリアのシガンシナ区まで撤退している。
ライナーとベルトルトは、シガンシナ区で上官にあたる獣の巨人と合流しており、すぐにでもアニの救出に向かおうとしたが力ずくで止められた。二人はその後座標を奪還すべく、シガンシナ区に来た調査兵団と戦いを繰り広げているが、調査兵団を壊滅寸前まで追い詰めるもリヴァイやエレンたちの反撃によって敗れ、ジークは辛うじてライナーだけを救出する形で敗走。ベルトルトは巨人化したアルミンに食われ力を奪われた。結果的に生き残ったのはライナーだけとなった。
実はトロスト区奪還作戦の後に遺体で発見されたマルコの死に直接関わっており、自分たちの正体に気付いたマルコを、口封じのために立体起動装置を奪った上で無知性巨人に食わせた。
壁を破壊した時点で多くの同期たちを死に追いやったものの、三年間共に過ごしてきた同期のマルコを直接手にかけて殺したという事実は、彼らにとっても地獄のような出来事であった。
しかし皮肉にも、マルコから奪った立体起動装置がきっかけでアルミンたちに正体がバレて、追い詰められる事となってしまった。