概要
7000系パノラマカーの成功により、パノラマカーの運行範囲を名古屋本線や犬山線といった幹線だけでなく、支線区へも拡大させる方針が打ち出され、6両編成だった7000系を4両編成化して支線直通列車に使用するようになった。
しかし三河線と尾西線は閉塞の自動化が遅れ、タブレット閉塞が残っていた。運転台の高い7000系はタブレット閉塞との相性が悪いため、1971年に支線直通特急用にAL車の機器を流用し、7000系7次車の中間車に貫通式の平屋運転台を取り付けた7300系がデビューした。
この7300系をベースに機器類を7000系に揃えたものが7700系である。
基本的には1971年7月に製造された7000系7次車をベースとしているが、台車をFS335形からS形ミンデン式台車FS384形に変更。制御装置もMC11-E1M形とMC11-E2M形に変更し、座席のモケットも灰緑色からスカーレットに変更された。
以降製造された7000系8次車・9次車(7100番台)も同様の仕様となった。
1973年4月に2両編成・4両編成が4本ずつそれぞれ製造された。
車体はタブレット閉塞でも受け渡しが行いやすい平屋構造で、展望席は持たない。その他の仕様は7000系に準じている。
1983年には特急専用車として相応の車内設備に改装された通称白帯車が登場。90年には全編成がよりグレードアップした第二次特急改装を受けている。これに合わせて4両編成は2両編成に組み替えられ、抜き取られた中間車は7000系の編成に組み込まれている。
1999年に平屋運転台のパノラマSuperである1600系が登場すると特急運用から撤退。車内設備はそのまま、車体外観の白帯を撤去して一般車となった。
2001年には三河線(山線)のワンマン運転開始に合わせて7100系と共にワンマン化改造が行われた。三河線のワンマン運転は駅で運賃収受を行う都市型ワンマンのため、自動放送・デッドマン装置・対話式非常通報装置の設置などで、運賃箱や整理券発行機は設置されていない。
2009年8月に7000系はすべての営業運転を終了したが、7700系は三河線で運用を続けた。
7100系が2009年11月に廃車となったため名実ともに7000系列最後の生き残りとなり、2010年2月下旬に定期運用を離脱。翌月のさよなら運転を最後に営業運転を終了した。その後残存していた編成は廃車され、名鉄から7000系列が全廃となった。