概要
数ある三蔵法師の中でも最も有名な人物であり、「西遊記」の三蔵法師のモデルとなった人物です。
彼の偉業は大きく分けて3つです。
1つめはインドから仏教の教典を中国にもたらしたこと。この旅路は後に「西遊記」として語られ有名となりました。
2つめは教典の翻訳です。持ち帰った数多くの教典を翻訳することは、実は最も重要な彼の功績だったのです。偉大なことに彼はインドから唐に戻り、自身が死ぬまでこの偉業に挑み続けていたのです。
3つめは「大唐西域記」の作成です(厳密には玄奘の弟子が口述筆記したものです)。インドの風習を記録した書物であり、唐の皇帝に献上されました。今日では7世紀インドの歴史的資料として高く評価されています。
西遊記
彼が最も有名になったきっかけはやはり「西遊記」でしょう。
玄奘がインドに教典を求めて旅をしたことをモチーフにした中国の古典フィクションです。その知名度の高さから、今日では「三蔵法師」は「陳玄奘」を指す言葉として認識されてしまう程でした。
作品内の玄奘はインドに教典を求めて旅に出るという点は同じですが、その生い立ちや旅路、同行者は現実よりは愉快なものとなっています。詳しくは「西遊記」の記事や映画、アニメなどを見て見ると良いでしょう。
描かれ方
描かれ方は様々ですが、以下のような特徴のいずれかを持つ描かれ方がポピュラーです。
- 錦の袈裟と九環の錫杖、傘もしくは五仏冠と呼ばれる帽子を身に付けています。
- 馬に乗っています。
- 猿と豚と河童を連れています。
- 近年は何故かマッチョとして描かれることが多いです。魔物の顔に右ストレートをする様は痛快です。
- 日本では女性として描かれることが多い気がします。余談ですが中国では釈迦が女性として描かれがちです。