次回予告(第二巻PVより)
言うなれば運命共同体。
互いに頼り、互いに庇い合い、互いに助け合う。
一人が五人の為に、五人が一人の為に。
だからこそ戦場で生きられる。分隊は兄弟、分隊は家族。
嘘を言うなっ!
猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら嗤う。
無能、怯懦、虚偽、杜撰、
どれ一つ取っても戦場では命取りとなる。
それらを纏めて無謀で括る。
誰が仕組んだ地獄やら。
兄弟家族が嗤わせる。
お前もっ!
お前もっ!
お前もっ!
だからこそ、
俺の為に死ねっ!
俺達は、何のために集められたのか。
劇場版予告編より
肩を落とした鉄の背中がどこまでも続く。
汚れた赤い雨が装甲までも溶かさんとする。
息を喘がす、足元だけを見つめ、
ただひたすら焼けた大地を踏みしめる敗残の騎兵たち。
100年戦争末期。
集められた異能の五人。奇跡の分隊。
互いに頼り、互いに庇い合い、互いに助け合う。
一人が五人の為に、五人が一人の為に。
分隊は兄弟、分隊は家族。
フン・・・
嘘を言うな
無能、怯懦、虚偽、杜撰、
それらを纏めて粗暴で括る。
誰が仕組んだ地獄やら。
兄弟家族が嗤わせる。
己一人の我が身が可愛い。
お前も!
お前も!
お前も!
俺の為に死ねっ!
こいつ等は、何のために集められたのか。
概要
装甲騎兵ボトムズ名物である、むせる次回予告のなかでも強いインパクトを放つ一編である。最初は「戦いには仲間が必要」というごくありふれた、それでいて心に響く熱いフレーズを語っておきながら「嘘を言うなっ!」の一言で一刀両断、そこから怒濤の勢いで泥臭い現実を並べ立て「俺が生き残るためにお前は死ねっ!」という身もふたも無い本音で締めくくるのである。
往年のファンにもペールゼンファイルズで初めて触れた層にも、問答無用で欺瞞や綺麗事が通じないボトムズの世界観を突きつける名文句であったためか、視聴者の脳裏に瞬く間にインプットされ、ネットを媒介にあっという間に知れ渡った。特に「お前も!」からの下りのお馴染み銀河万丈氏の捲し立てるようなナレーションがよりインパクトを与えている。
その後制作された劇場版の予告編においてもオリジナルをアレンジしたものが使用された。
嘘を言うなの直前に鼻で笑ったり「嘘を言うな」自体も嘲笑気味になったりとこちらもインパクトのある言い回しとなっている。
OVA完結から10年が経った今なお幅広い場所で欺瞞を暴く鉄板ネタとして使われている。
尤も、「みんな俺の為に死ね!」な思想・言動なら生き残れるか……と問われれば別にそうとも限らないのが戦場の厳しいところである。
逆に異能生存体のキリコも戦場外では割と残念なので、その辺りは大人しく他者の手を借りている。
善人だろうと人間のクズであろうと、戦場という地獄においては皆等しく消耗品である。
戦場で生き残れるのは強者と臆病者であり、勇者と弱者は死ぬしか無く、前者でさえチープキル(くだらない死、遠くの爆発で巻き上げられた小石が脳天をぶち抜いて死亡等しょーもない不運による戦死を指す。)される事もある。
結局の所、戦場で生き残れるかどうかは運次第なのだ。
それはボトムズの世界であろうと現実の世界であろうと同じこと、嘘偽りなき残酷な事実である。
関連動画
猜疑に歪んだ暗い関連タグがせせら嗤う。
銀河万丈:ボトムズシリーズの次回予告を数多く読み上げ、ペールゼン・ファイルズでも引き続き予告を担当。なお、ロッチナと思しき人物の声もあてている。