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地上デジタル音声放送

ちじょうでじたるおんせいほうそう

地上波を用いたデジタルラジオ。本記事では主に日本での事例を解説する。
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概要編集

デジタル方式の地上波ラジオ放送。通称は「地上デジタルラジオ」「地デジラジオ」など。

日本では2003年10月から2011年3月まで実用化試験放送が行なわれ、その後2016年3月から2020年3月まで事実上の本放送が行なわれた。


方式編集

DAB編集

ヨーロッパで開発され、ヨーロッパの一部とオーストラリアで採用された。VHF、UHFでの地上波放送の他、衛星放送も行なわれている。

韓国ではこれを基に「DMB」という携帯端末用の規格が開発され、日本のワンセグのような地上波テレビの放送にも用いられている。


DRM編集

主に短波や中波で用いられる。振幅変調に対応した送信機に合わせて設計された。受信条件にもよるが、良好に受信できる場合はFMラジオ並みの高音質で受信できる。

日本ではNHKワールドが放送している。


ISDB編集

略称「ISDB」。日本で開発、採用された方式。音声放送向けの「ISDB-Tsb」と、それにマルチメディア放送機能を付加した「ISDB-Tmm」が存在する。


IBOC編集

アナログ放送にデジタル信号を重畳する方式。先述のDRMを拡張した「DRM+」の他、「HD Radio」や「FMeXtra」が存在する。なお放送エリアはアナログ放送よりかなり狭く、デジタル信号が受信できない地域はアナログ放送に切り替わる。


日本での事例編集

DRPによる実用化試験放送編集

まず2003年に東京(東京タワー)と大阪(生駒山)で実用化試験放送が始まった。当初はVHF帯の7チャンネル(188~194MHz)付近の周波数(190.214286MHz)で8セグメント分を送信していた。関東ではフジテレビ、近畿では関西テレビがそれぞれ8チャンネル(192~198MHz)でアナログ放送をしていたため、7チャンネルの周波数帯を完全には使っていない。

免許人・運営者は「デジタルラジオ推進協会(DRP)」。

しかし総務省の情報通信審議会で周波数の割り当て(バンドプラン)が見直され、7chを含む周波数帯が自営通信に、代わって1~3ch(90~108MHz)、10付近~12ch(207.5~222MHz)がマルチメディア放送の周波数として割り当てられたので、DRPは同帯域での放送を目指すことになった。


実用化試験放送は大阪が2010年6月、東京が2011年3月に終了した。


FM東京とFM大阪の撤退編集

エフエム東京(TFM)は開始当初より3セグメント放送(補足すると、ISDBは規格上13セグメントまでの連結ができる)やデータ放送を行なうなどして、地デジラジオの牽引役を務めていた。

しかし放送波を用いた有料ダウンロードサービスの実現を目指すTFMと、バンドプランが見直されている事情を鑑み新たな無線局免許状を得られる保証がないと判断しそのようなサービスは消極的であったDRPが対立し、TFMは突如放送を休止。大阪で放送を行なっていたエフエム大阪(FMO)もTFMの動きに同調した。

その後TFMは福岡にてエフエム福岡(FMF)などと共同で独自にデジタルラジオ放送を開始し、2011年3月まで放送を続けた。


i-dio編集

100MHz帯を用いたマルチメディア放送。TFMが中心となって計画され、2016年3月から東京・大阪・福岡で仮放送を開始し、7月からは本放送を全国で順次開始した。

しかし送信所の設置の遅れや受信機の市販が行なわれていないなどの理由で不振気味であり、更にはi-dioに関わる不正な株取引や会計があったと明らかになる。結局TFMはi-dioからの撤退を発表、2020年3月で放送を終了した。なおV-ALERTという防災情報配信システムがあったが、そちらも2022年中に全て廃局となった。


関連タグ編集

デジタル 地上波 地上デジタル放送 地デジ NOTTV

超!A&G - 「超!A&G+」は当初、東京302chで放送をしていた。現在はインターネット放送に一本化された。

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