生駒山
いこまやま
生駒・信貴・金剛山系に属する山。
断層による隆起とズレによって形成されたため、傾斜がきつく、特に大阪側の斜面はかなりの急勾配となっている。
日本最大の傾斜といわれる「暗峠」を含む国道308号線も、この山を東西に超えるかたちで通っている。
その一方で、山頂部が比較的になだらかで平らなため、山頂には近鉄グループの開設する「生駒山上遊園地」が建設され、また大阪側を湾まで見通せることから夜景スポットとしても知られている。
また日本初のケーブルカー「近鉄宝山寺・生駒山上線」(この2つを総称し生駒ケーブル、あるいは生駒鋼索線と呼ばれることが多い)も存在する。この中で、宝山寺線はケーブルカーでありながら複々線区間があったり、踏切があったり、早朝から深夜まで運行していたり(後述)と、日本初にして色々と異色な路線でもある。
有料道路の「信貴山スカイライン」や、夜景スポットで知られる「十三峠」なども擁する。
霊山として古くから信仰されてきたため、山全体に大小様々な宗教施設がある。その中には宗教法人として届けられていない物があるため総数は不明まで言われるほど。
一方、山中にも集落が点在するなど、街道筋の傍路として使われて経緯からきたかなり人の手が入っており、奈良側は山の中腹(400~450m)付近まで家屋の影が見える。
そのため、中腹周辺の宅地化にともなって前述の宝山寺線はケーブルカーの路線でありながら立派な通勤・通学用路線として機能しており、始発が早朝6時台、終電に至っては夜中の23時過ぎ(2016年6月現在)と、日本の旅客用ケーブルカーの中ではかなりの長時間営業路線である。
また山頂の生駒山上遊園地から南に行った場所には毎日放送、朝日放送、関西テレビ、読売テレビとNHK大阪の送信塔が並びたち、西斜面にはテレビ大阪の送信所が、東斜面にはNHK奈良、奈良テレビの送信所があり、特に山頂の送信所は関西圏のほとんどで受信されており、情報的にも要所といえる。