大阪府東大阪市と奈良県生駒市の間にある峠で、国道308号線の生駒山地を越える部分のこと。
車で迷い込むと泣きをみるが(カーナビがこの道を選んでくるのである…)、自転車だともっと泣きをみる、激細かつ関西最強の激坂である。
概要
正式名称は暗越奈良街道(くらがりごえならかいどう)。
奈良県生駒市西畑町と大阪府東大阪市を結ぶ国道308号のうち、特に生駒山中の部分に当たる。
名前の由来は鬱蒼と茂る樹木の影響で、昼間なのに夜のように暗いというところから。
歴史は古く、奈良時代に難波と平城京をつなぐために通され、万葉集の一首にその様子が歌われている。
また江戸時代には大仏参拝とお伊勢参りへの交通路としても使用されており(一日7万人もの人々が行きかった)、松尾芭蕉も通ったとされ、西畑町内のうどん屋の下に記念碑が建てられている。
『菊の香に くらがり登る 節句かな』
風情ある石畳の部分は、江戸時代には大名の参勤交代の参勤路に使われたため、ぬかるみで滑らないように、大和郡山藩のお殿様の指示で敷かれた(約50m)。
江戸時代には20~30軒の旅籠があり栄えていた。現在10数世帯ほどが暮らしているが、買い物には生駒市側に行く。また暗峠を毎日車で登り(大阪側の山のふもとに住んでいる。凍結すると歩いて登る)農家をしながら鶏を飼って卵を販売している高齢の兄弟がいる。その暗峠のたまごは絶品だそう。
関西屈指の急勾配
俗にいう酷道(こくどう)の聖地であり、地元近辺では休憩処や飲食店舗などが良好なため、ハイキングコースとしても有名である。
平均斜度は20%・最大斜度は41%で、国道としては日本一の急勾配となっている。あまりの急勾配であるため、ロングボディ車が特定区間を走行すると車体の底を擦る、強烈なカーブで車体が回らないなどのトラブルに見舞われるため、車種によって通行が制限されている。
ドライブ気分で気軽に55cc規格の原付バイクで登ろうに日には、エンジンが焼き切れてバイクが台無しになり、帰り道で泣く羽目になる。
昨今は改善されつつあるも、崖の手前なのにガードレールがない・車幅が1台分しかないなどはザラである。