プロフィール
概要
「ブルーロック」の登場人物で、主人公の潔世一が所属していた「一難高校サッカー部」のチームメイト。
小説1巻では初対面の潔にも率先して話しかけていることから、良く言えば率直、悪く言えば無遠慮な性格。サッカー部ではムードメーカーであった。
活躍
埼玉県大会の全国大会出場を賭けた、吉良涼介率いる松風黒王高校との試合では、潔世一と2トップを張っていたが、ゴール前でフリーになっていたことから潔にパスをもらうもシュートを外してしまう。直後にカウンターを食らってしまい敗北したため、責任を感じて号泣していた。
U-20日本代表戦後に与えられた休暇で久々に登場。
最初は地元に戻ってきた潔との久々の再会を喜び、軽口を叩きながら近況を教えてくれたが、潔の出たU-20日本代表戦の話になった時に、信じられない言葉が飛び出す。
「でもお前ってマジ”ラッキー”だよなぁ」
「ラストワンプレーのあの『ごっつぁんゴール』…100%”運”だもんなぁ!」
突然の発言に固まる潔だったが、それに対して多田は言葉を続ける。
「え? だってあのボール…『たまたま』お前の所に落ちただけだろ?」
青い監獄で行われた数々の試練を乗り越えてレギュラーとして立った決戦のフィールドで、強敵を相手に90分間走り回り、己の全てを総動員してもぎ取った潔の決勝点を、「ただの偶然」としか見なさなかったのである。
潔の努力を否定する失言だったが、潔は内心で「どれだけの想いで俺が“青い監獄”で戦ってきたと思ってる…!!」と思いながらも表情には出さず、「たしかに…そーかもな」と目を合わせずに緩く同調するだけであった。
そして辺りが暗くなってきたこともあって、多田は潔の内心を知る事のないまま別れていった。
多田と別れた潔は、
「青い監獄にいなかったら自分も多田と同じ考えだったかもしれない」
と顧みたことで、自分の考え方が「青い監獄」に染まっている事を実感。まだ見ぬ新たな試練に闘志を燃やすのであった。
余談
反感を買う発言をしたキャラだけに、ブルーロック読者からの評判は普通に悪い。
実際多田は「自分からパスを要求してフリーで放ったシュートを外した」戦犯であり、仮にも2年近く苦楽を共にした友人でありながら、活躍を否定するような発言が理解できない事も理由として挙げられる。
一方、彼の発言については冷静な意見も多い。
潔が青い監獄に入寮してから多田との再会までは、劇中の時間では4ヶ月未満になる。同じ立場(FWの2トップ)だったことで「潔は自分と同じくらい」と過小評価して、「急激に成長できるわけがないと考えた」というのもあり得る話ではある。
実際、当初の潔は自分の武器が何かを言語化できておらず、「運」の考えについても「勝負の必然がぶつかり合う中で生まれる歪み」と改めるのは二次選考終了後に絵心甚八からの薫陶を受けてからで、それまでは多田と同じようなものであった。
いずれにせよ、多田のように自分とは遠い世界の戦いについて無責任な立場から発言してしまうのは、自分の口以外にも匿名のネットであり得る話であるので、我々は多田みたいにならないように気を付けるべきであろう。