概要
第1作目『零~zero~』と第2作目『零~紅い蝶~』及び『零~眞紅の蝶~』に登場する民俗学者で、両作品の繋がりを示す人物。
宗方八重の夫で、『零~zero~』の主人公雛咲深紅と雛咲真冬兄妹の曽祖父。
紅い蝶/眞紅の蝶
第2作目の舞台となる皆神村に出入りしていた商人の息子であり、立花樹月と立花睦月とは昔からの友人だった。皆神村の風習から民俗学に興味を持つようになり、民俗学者の真壁清次郎を師事していた。
ある日立花樹月から手紙が届き、儀式に選ばれてしまった黒澤八重と黒澤紗重姉妹の逃亡の手引きと、その後の二人の保護を頼まれる。儀式については詳しくは知らなかったものの、樹月が幼い頃から祭りのことを恐れていたことを知っていた良蔵は受け入れる決意をし、皆神村の黄泉の信仰に興味を抱いていた師の真壁清次郎と共に皆神村を訪れる。
しかし樹月は病気で死んだと言われ、村中を捜索するも儀式の失敗で幽閉されていた彼を見つけることはできず、更に自分たちを村外の人間(マレビト)を使って「虚」を一時的に抑えるための儀式の生贄にしようとしている事に気付きはじめた真壁に、先に村から出るようにと伝言を受ける。その指示を疑問に思いつつも良蔵は師の言葉に従い一度村から出るが、樹月との約束を果たすために再び村に戻った。しかしその時既に皆神村は「大償」で消滅しており、村の入り口だった筈の場所では記憶を失った八重が泣き崩れていた。
その後は身寄りを失い病弱となってしまった八重を引き取り、後に彼女と結婚した。
zero
八重との間に娘の美琴が生まれ幸せな日々を送っていたが、皆神村での出来事からかつての師と同じように黄泉の門への興味を深めていくようになる。
その研究の一環と、病弱の妻の療養も兼ねて第1作目『零~zero~』の舞台となる「氷室邸」に一家で移り住むようになった。かつての儀式の失敗で無人となってしまった「氷室邸」での研究は順調であったが、娘の美琴がかつて麻生博士が屋敷に残した射影機を着物の少女の霊に託されてから、娘の射影機でよく写真を撮っていた八重が徐々に霊が見えるようになってしまった。その後美琴は屋敷で友人たちと鬼遊び(かくれんぼ)をしていた中で、ある怨霊によって友人たちと共に神隠しに遭い失踪。八重は娘の失踪は射影機を取り上げなかった自分のせいだと思い、桜の木で首吊り自殺をしてしまった。娘の失踪と妻の自殺に良蔵は自暴自棄になり、屋敷の地下にあった黄泉の門を開き中から溢れ出た怨霊に取り殺され、後に怨霊化した。怨霊名は「民俗学者の霊」。
娘の美琴は実は射影機を持っていたことで助かっており、神隠しにあった他の友達は死んでしまったが、彼女だけは生還し後日山中で発見された。その間宗方夫妻は行方不明になってしまったため、美琴は良蔵の友人だった雛咲氏に引き取られ、射影機も共に雛咲家に渡った。美琴は雛咲深紅と雛咲真冬の祖母であるため、雛咲兄妹は「氷室邸」を訪れるまで知らなかったものの、良蔵は2人の曽祖父にあたる。