曖昧さ回避
- 「華の天羽組」にて登場するヤクザ→本記事で解説。
- 「拷問ソムリエ 伊集院茂夫」にて登場する外道の1人。→宮本博信、伊集院茂夫による有刺鉄線を参照。
概要
『ヒューマンバグ大学』のシリーズ作品『華の天羽組』に登場するヤクザ。登場は2022年1月26日付の動画『【漫画】天羽組 史上最大の報復。和中がガチギレ…工藤が腹を裂く』のみである。
小峠華太が所属している武闘派のヤクザ「天羽組」の中堅組員。小峠のすぐ後に天羽組に入っており、小峠の同期である。
喧嘩の際に兄貴分の工藤清志から命を救われた経験があり、その恩返しとして事件を起こした工藤の身代わりとして勤めに行く事を立候補した。
人物
容姿
オールバックにした黒髪と額には喧嘩の際に出来たと思われる傷跡が特徴。丸メガネをかけており、耳にピアスがつけられている。
右胸には工藤のものと同じと思われる刺青が掘られている。
性格
どんなに窮地でも絶対に信念を曲げない心の強さが有り、たとえ自らが命の危機に瀕しても屈指する事はなかった。
それは、何度も自分を助けた工藤を守るために身代わりに自ら警察に自首する事を提案し、その工藤と言い合いになっても曲げはしなかった。そのような屈強な精神力故に兄貴達ばかりか組長の天羽桂司にも認められており後述する「史上最大の報復」を弔いに行われる。
能力
同期である小峠と比べると喧嘩がさらに弱く、その度に工藤に助けられていた。
しかし上記の通り、小峠と同じく決して屈する事のない心の強さを持っており、その点においては工藤から評価されていた。
活躍
事の発端は、一週間前に起こした工藤の喧嘩にあった。
真鍋組の構成員二人が天羽組がケツ持ちしているキャバクラの女性キャストへの乱暴(=シマ荒らし)を咎め、人目の付かない所に連れて素手での殴り合いを臨んだ。しかし真鍋組の組員が逆上してドスを抜いた事で工藤は「タマの取り合い」と見做して応戦、二人を粛清した。
天羽は事が大きくなる前に真鍋組の組長に見舞金を支払う事でこの件を手打ちにしたが(なお、真鍋はこれに激怒したものの、構成員に非があるとして跳ね除けた)、運悪くこの事件を警察に嗅ぎつけられてしまった。
法が厳罰化した現代では、二人を殺害した工藤が勤めに行かせるものなら、長い期間の懲役を食らうのは確実である。小峠達はそれに頭を悩ませていた所を部屋に宮本が入った。
「親っさん、話を聞きました。俺が工藤の兄貴の代わりに自首します」
喧嘩の際に何度も工藤から命を救われた経験があり、その恩を返すために事件を起こした工藤の身代わりで警察に自首する事を立候補した。
これには天羽も流石に驚きを隠せず、宮本を気にかけた工藤は声を荒らげて止めに入った。しかし宮本は決して曲げずに「俺に兄貴への恩を返させてください!!」と天羽に頼み込んだ。
それでも工藤は自分の起こした事件で宮本を勤めに行かせるわけにはいかないと、宮本と言い合いに近いやり取りをした。それを聞いた天羽は結論を出した……
天羽「……分かった。 宮本、勤めに行ってくれるか?」
工藤の代わりに宮本を自首させることだった。
当然工藤はそれに納得がいかなったが、渡世では親の命令は絶対。そしてこの決断は組に大きな打撃を与えない為の意味合いであった。
工藤が二人を手にかけたのも、天羽組のシマを守るためであった。自分の代わりに宮本が自主してしまう事に気を落としてしまった。
その翌日、宮本は警察へ自首していった。
「じゃあ行ってきます。工藤の兄貴」
工藤「ああ、体に気をつけてな」
組は大枚を叩いて敏腕弁護士を雇ったのだが、それでも二人を殺した事実は重く、宮本は懲役16年の判決を受けてしまう。※実際に極道の人殺しは厳罰化されておりニ、三十年が当たり前であり無期懲役が基本である。
天羽は宮本に幹部の席を約束し、工藤も前にも増して組の為に働くようになった。宮本が帰ってくる場所を作る為に。
↓以下、動画内重要展開のスポイラー注意
何者にも屈する事のなかった男の死
そんなある日、警察が天羽組のフロント企業「天羽企画」に訪れた。小峠は受刑者となった宮本の身元引受人となり……
警察官「宮本受刑者が獄中死しました。 遺体の確認と引き取りをお願いしたい」
小峠「な…なんですって!?」
小峠は警察官から告げられた内容、宮本が獄中で死亡した事に我が耳を疑った。
工藤と小峠は慌てて警察署へ向かうと……。
そこにあったのは、変わり果てた宮本であった。腫れ上がった顔と全身の痣、これは誰が見ても撲殺されたのは明らかであった。
小峠はショックを受け、工藤に至っては涙を流して警察官に掴みかかって宮本を手にかけた相手を問いただした。しかし、警察官も受刑者同士の事故として決して口を割らなかった。
だが天羽組の人間と知って殺したのは確かならば、このまま引き下がるわけには行かない。小峠は情報屋の伍代千隼に宮本を殺した者の調査を依頼した。
伍代とて刑務所内での殺人は流石に難しいと踏んだのか、3日かけて調査をした。そして事件の詳細を掴んだ伍代はそれを小峠に明かした……。
宮本を撲殺したのは、微罪で捕まった真鍋組の組員であった。
工藤が起こした喧嘩の手打ちを真鍋組が反故にした事に小峠は驚愕を隠せなかった。
真鍋組の組員はヒットマンとして看守に隠れて何度も宮本に激しい暴行を加えたのだ。
真鍋組のヒットマンA「次は工藤って奴もあの世に送ってやるからよぉ!」
真鍋組のヒットマンB「死にたくなきゃ俺の靴でも舐めろよ、ほら」
「……工藤の兄貴をあの世に送るだって? 笑わせんじゃねぇ!」
真鍋組のヒットマンA「ああん…?」
「俺は天羽組の代紋背負ってんだァ! テメェらみたいな三下に死んでも頭下げるかァァッ!!」
顔が腫れ、血を流し、歯が折れる程の暴行を受けてもなお、宮本は最期の最後まで信念を曲げなかった。そうして、宮本は刑期を満了することなく真鍋組のヒットマンに撲殺された。
事件の詳細を知った後、苦楽を共にした組員を殺された天羽組の面々は烈火の如く激怒し、手打ちを反故にした真鍋組に真鍋組の壊滅を決意した。
道中で待ち伏せをした真鍋組の構成員はカチコミに赴いた工藤と和中蒼一郎により一方的に殲滅され、内部にいた者も小峠に殺害された。真鍋組組長の真鍋は見苦しく命乞いをしたものの、その姿に失望した工藤にドスで刺殺されてしまった。
真鍋組への報復を終えた後、小峠と天羽そして工藤は宮本の墓前に真鍋組の報復を完遂した事を報告した。
工藤「カタが付いたぞ宮本。 こっちの事は気にせずに、のんびりやれや…」
小峠「(しかし死んだ者は帰ってこない。 俺達に出来るのは宮本を憶えておく事……それだけだ)」
余談
彼の死と真鍋組の崩壊から11か月近く経過した22年12月、工藤は天王寺組の武闘派城戸丈一郎に敗れてこの世を去った。彼と工藤はあの世で再会しているのだろうか。