概要
江戸時代に描かれたとされる、土佐の国(現在の高知県)を舞台とした全16話の妖怪譚を収録した妖怪絵巻『土佐お化け草紙』に描かれている妖怪の1種。
蝦蟇のような姿の妖怪で、馬の妖怪馬骨と蚊帳の中で向かい合い、何かを語らっている様子が描かれている。
家を守るものは家守、井戸を守るのものは井守、そして宿を守るものが宿守こと蝦蟇であり、愛媛県の宇和地方では盗人が侵入してきたこと知らせてくれるといわれている。
また、高知県ではクツヒキやオクツ、ヤモリ、ヤモリグツなどとも呼ばれ、嵐が吹き荒れる際には床下で大黒柱を抱いて護ってくれるとされる。
ちなみに宿守が住む家は火事にならないともいわれていることから、火事で焼け死んだ馬が化けたとされる馬骨と語らっているのではないかと思われる。
なお、蝦蟇は殺した者の閨(寝床)の中へやって来るともいわれるが、守り神であるので殺してはいけないという戒めのために、そのように伝えたと考えられている。
創作での扱い
- 陰陽師~平安妖絵巻~
人間に踏み潰された蛙が化けたという妖怪で、自身が死んだことについてはあまり恨んでいないが、仲間の蛙が同じ目に遭うと、寝床に大量の仲間を送り込むという報復を行う。