三重県南部の市。熊野灘に面する。1954年市制。「尾鷲ヒノキ」の産地として知られる。多雨地帯。JR紀勢本線、国道309、311号線が通じる。面積192.71km²、人口16,540人(2022年6月)。
大きな特徴として一度降り始めると土砂降りになるという特徴があり、年間の降水量は日本の気象官署の中で上位にある。尾鷲に降る雨粒の大きさは飴玉だとか下から降るなどと例えられ非常に激しく降る。
このため尾鷲のイメージに雨を浮かべる人も多く、いつも雨が降っているのでは?と誤解されることもあるが、日照時間は日本の平均値とほぼ同じで半分以下の年降水量の東京よりも長い。すなわち、一度に非常に激しく降るのである。
このため警報がでる基準も210mmと非常に高く、四日市の110mmのほぼ倍。特産品として骨の数が多い傘も作られている。
尾鷲に多量の降雨をもたらすメカニズムは地形性降雨により説明できる。尾鷲市は熊野灘に面し、沖合には黒潮が流れているため、熊野灘からは1年を通して暖かく湿った空気が供給される。この空気は海風となって尾鷲に吹き付け、標高1000m級の紀伊山地に衝突し、斜面に沿って上昇していく。紀伊山地を越える頃には暖かかった空気の塊は5〜6℃まで低下し、水蒸気が雲を形成し、この雲に熊野灘から続々と暖かな空気が流れ込むことで一気に膨張し、尾鷲に多量の雨をもたらす。
平均降水量/日照時間の東京との比較
月 | 降水量 | 日照時間 | ||
---|---|---|---|---|
尾鷲 | 東京 | 尾鷲 | 東京 | |
1 | 100.7 | 59.7 | 179.4 | 192.6 |
2 | 118.8 | 56.5 | 168.3 | 170.4 |
3 | 253.1 | 116 | 184 | 175.3 |
4 | 289.4 | 133.7 | 183.9 | 178.8 |
5 | 371.8 | 139.7 | 173.7 | 179.6 |
6 | 405.7 | 167.8 | 129.5 | 124.2 |
7 | 397.2 | 156.2 | 155.7 | 151.4 |
8 | 468.2 | 154.7 | 175.3 | 174.2 |
9 | 691.9 | 224.9 | 130.5 | 126.7 |
10 | 395.7 | 234.8 | 142.4 | 129.4 |
11 | 249.8 | 96.3 | 151.9 | 149.8 |
12 | 106.5 | 57.9 | 177.9 | 174.4 |
年 | 3848.8 | 1598.2 | 1952.5 | 1926.7 |
湯浅京己 - 尾鷲市出身のプロ野球選手
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