発端は10年前に地下からとある物質が見つかったことである。それが新種の石炭層メタン:ネオメタンと呼ばれる物質である。ネオメタンは次世代エネルギーとして注目されており、もし開発に成功すれば今後100年のエネルギーを自給自足できるとんでもないものである。しかし、開発には多額の費用と時間を要する。更には採掘には周囲の土地を汚染する為極秘で行う必要があった。

それに、もし日本にこれほどまでの資源があると表沙汰になれば資源における世界のパワーバランスを簡単に崩しかねない為他国に奪われるか潰される原因になりうる。その為メタンの存在を隠し、表向きは空港を建設。裏で極秘にメタンを開発する計画を立てた。

つまり、かながわ新空港はMプロジェクト遂行のための建前に過ぎなかったのである（龍/悠月がかながわ新空港の真相を明かす際に「そもそもこんな所に空港を作る必要がない、莫大な費用をかけたところで赤字にしかならない」「30年後にはこの空港はメタンの採掘場になるだろう」と説明していた）。といっても北見や白河ら罪を犯した権力者を国外へと逃がすための手段として作られたという部分があるため作る意味が全くないわけでもない。

向こう100年の国のエネルギーとなるネオメタン採掘のためにもMプロジェクトを成功させるべく、かながわ新空港建設の邪魔になる人間を自らの手を汚さず消していた（分かっているだけでも虎/丹波の妻であり猿/直樹の母で犬/岩槻の姉である丹波愛や、馬/堀江と猪/松長の同僚であり兎と羊/浜松姉妹の父である浜松功が挙げられる）。悠月に「計画のためなら人が死んでもいいのか？」と問われた際には、苦渋の表情を見せながらも「国を守るための必要な犠牲だった」と返している。健一に関しても北見を脅していた本当の理由が三郎のためだと知っていた。

占拠事件が終わった後、拾った銃で自害しようとしていたが三郎の必死の説得により踏みとどまり、そのまま取り調べを受けることになった。明言はされていないが今までやった事を鑑みても逮捕されたと思われる。

こうしてあらゆる犠牲の上に成り立ったMプロジェクトは白紙となった。

そして、公式ホームページに隠された秘密の動画(詳細は新空港占拠の余談参照)の中には、

山猫の正体に迫る謎の英文が出ており、それらを全て繋げると真の意味が判明する。

残された謎

二代目山猫の正体が明らかになったものの、なぜ陸奥哲夫が二葉を後継者にした経緯は結局わからないままである。その為続編で言及される可能性がある。

余談

彼女は、龍と蛇/駿河姉妹がまともに生きられなくなる発端を作り、虎と猿/丹波親子と犬/岩槻、更には百首事件で冤罪をかけられた馬と猪と牛/幼馴染3人組と父を失った兎と羊/浜松姉妹、獣12人のうち鶏/瀬奈と鼠/大河以外の10人が獣になる原因を作っている。自分が手を汚さず消した人間の無念を晴らそうとする者達が集団となるとは思いもしなかっただろう。

新空港占拠の項目で詳細に取り上げているが、公式HPには毎週タイトルの「拠」の部分に猫の肉球マークがあり、それをクリックすると秘密の動画が隠されており、その動画では毎回英単語もしくは英文が載っていた。

9話時点では「山猫の正体は武蔵三郎」となったため、「三郎は二重人格なのか？」という予想もあったが「最終回の後に続きが表示されるかもしれない(前作がそうだったため)→武蔵の関係者（姉の二葉、妻の裕子、相棒の和泉や本庄）ではないか」と見抜いていた視聴者もいた。結果としては後者で正解だったわけだが。
また前作大病院占拠でも同様の隠し動画があり、それが完成すると「1話で三郎に射殺された立てこもり犯は青鬼たちの育ての親だった」という最終回で明かされた真相が書かれていた。