概要
英語はParallelogram。
平行四辺形として成立するための条件はこれだけであることから、正方形、菱形、長方形は全て平行四辺形の仲間である、と言っても良い。
他、以下のいずれかを満たした場合も平行四辺形となる(ひとまず交差していない場合とする)。
- 向かい合う二組の辺の長さが等しい。
- 向かい合う二組の角の大きさが等しい。
- 対角線が互いの中点で交わる。
- 向かい合う一組の辺が平行かつ長さが等しい。
また、そんな平行四辺形は台形の一種であると言える。
辺の長さの関係に関して傍心四角形の条件も満たしており、無限遠点を考慮すれば、傍心四角形の特殊なケースと見なす事もできる(この辺については、球面幾何学で例えて考えると解り易い)。
そして、台形と傍心四角形の双方の性質を持つものが平行四辺形であるとも言える。
台形が一組の辺が平行である事に対し、平行四辺形は残りのもう一組の辺に対しても平行であるという事で、平行四辺形は台形の性質を二重に含んだものであると見る事もできる。
同様に、傍心四角形の性質を二重に含んだものという見方もできる。
等脚台形と凧形とは同世代のような関係にあり、平行四辺形の隣り合う適当な角を入れ替えると等脚台形に、適当な辺を入れ替えると凧形になる。
交差平行四辺形
平行四辺形を対角線で折り返す事で得られるサングラスのような形は交叉平行四辺形(現代的には交差平行四辺形?)と呼ばれる。
交差平行四辺形には、頂点を結び直せば等脚台形になり、辺を伸ばせば凧形が現れるという性質がある。また、外心を持ち、更に傍心のような何かを2つ持っている。
辺の関係と角の関係については、見た目通りでは平行四辺形と共通している。
ただ、見た目通りの角では合計が360°にならない等、交差してない場合の関係は見た目通りでは成り立つとは限らない事に注意が要る。
これに関し、辺や角について特殊な解釈をすれば、平行四辺形とは別の条件になっていると見る事ができなくもない。
名前は英語名の一つであるCrossed Parallelogramの直訳となってるが、英語ではAntiparallelogram(こちらは直訳すると反平行四辺形?)の方が一般的な様子。
話題に上る事自体が少ないようで、交叉平行四辺形と言う名も定着していると言えるのか微妙。