往来

魔法。 それは非現実的なもの。 空想の世界のもの。 それが目の前にある。 そうなると、それは現実になる。 そんな世界。 そこに、今いる。

第四港。 山の国随一の賑わいを見せる。 そこから第五港への渡し船は途切れることはない。 たとえ夜間であってもそれは続く。 朝も、夜も、常に行き交う小舟。 それらの往来が終わると大型船が港を出る。 それが第四港の普段の光景。

雪の特技。 それは、観察眼である。 人を見ることに慣れていた彼女が当たり前としていた眼力。 それは人の行動から、次に行う大きな動作を予測することができる。 そして、その人がどの土地からやってきたのかを判別することができる。 ごく小さいものではあるものの、その力によって、市場の安全は保たれている。 そして、彼女の行動が、組織を生み出してもいた。