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特撮ドラマ「電人ザボーガー」に登場する悪役である。

演:岡部健(TV版)、柄本明(映画版)

概要編集

秘密殺人強盗機関Σ」の首領。

秘密刑事・大門豊の父親、大門博士から、ダイモニウム及びダイモニウム製造装置を強奪。

そのダイモニウムでメカアニマル、メカボーグ、Σメカなどを作り出し、己の尖兵とした。


顔の右半分が機械化されており、左手及び左足も機械化している。足が不自由で専用の車椅子で移動する。

しかし、常に黒のスーツとネクタイに身を固め、生身の右手指には指輪をはめている洒落者でもある。

いつも座っている車椅子には機関銃などが内蔵されている。その他、自走機能も有しているため、機動性は高い。

機関銃の他、左足の義足部分にはナイフの射出装置も装備している。


大門博士と交流があり、大門豊とも面識があった。しかし大門博士がΣ団への協力を拒んだため、彼を殺害。息子の大門豊にも重傷を負わせる。


非常に用心深く、虚像(ホログラフ)などを用いて目を欺き、本人が実際に姿を現す事はめったにない。

また、常に裏切り者が出ないか用心している。実際に側に居るのは秘書のミスボーグくらいで、Σ団の幹部も裏切らないか常に目を光らせている。

劇中でも、謀反を起こそうとしたΣ団の各ブロックボスを炙り出し、粛清していた。


また、たとえ忠誠を誓っていても、無能な部下に対してはその限りではない。忠実なミスボーグに対しても、失敗続きなために彼女に爆弾を飲ませていた。後にミスボーグは、失敗し続けたために見限られ、この爆弾により爆破される。


孤児だった秋月玄を引き取り、育てていた。秋月はその恩から従っていたが、用心のためにと彼の頭に鉄の輪をはめ、逆らうと電流が走り激痛を与えられるようにしていた。

後にこの鉄の輪は大門との戦いで壊れ、外れる。しかし秋月が孤児の少女からもらった腕輪に細工をして、第二の鉄の輪にしてしまう。こちらは内側に針が伸びて、腕の中に食い込むという代物。後にこれも壊れて外れ、秋月は自ら悪之宮の元から去っていった。


裏切りはもちろん、忠誠を誓っていても決して気を許さない。そして他人は全て、自分の目的達成のために動かし、必要なくなったら簡単に切り捨てる。

秋月が自らに向けている恩義すらも利用し、己の利の為に動かしていた。


活躍編集

ダイモニウム製造装置と、そこから製造されるダイモニウムにより、メカアニマル、メカボーグ、Σメカといった尖兵を作り続けた。当初Σ団は、様々な金品および美術品などの貴重品を盗む犯罪組織として存在していたが、最終的は目標は、盗んだそれらを資金とした世界征服である事を明らかにし、実行に移している。

ダイモニウム製造機を強奪したのも、その一環。


劇中では、散発的な犯罪活動やテロ活動を起こしていたが、後にジャンボメカアニマル計画を実行。人工心臓や血液・燃料となる物質「スーパーリン」を集め、それらを素材として、都会のど真ん中に建つ高層ビル……に偽装した工場内部で、巨大ロボ「ジャンボメカ」を製造する。

ジャンボメカは完成し、その姿を露わにするが、大門とザボーガーの働きで一歩も動く事無く破壊されてしまった。


が、この後にも「シーカスル計画」を実行。世界的に有名な科学者や技術者を集め、強制的に協力させる事で、Σ団の動く要塞「Σ大魔城」を建造。これを拠点に改めて世界征服を実行せんとする。


最期編集

シーカスル計画により、「Σ大魔城」は完成。

だが、Σ団前線基地に大門とザボーガーが攻め込んできたため、戦闘員とともにΣメカ「ブラック・ヒッター」「ジャガール」を差し向けるが、ことごとく破壊されてしまった。


第39話にて、最後のΣメカ、ジャガールを破壊された悪之宮は、そのままΣ大魔城に逃げ帰る。が、見張りは全て倒され、城内には謎の怪人たちが入り込んでいた。

それは悪魔ハットが率いる竜面隊、そして彼らは「三つ首竜軍団(恐竜軍団)」と名乗った。

ダイモニウム製造機を彼らに奪われ、応戦したレディボーグも彼らに破壊されてしまった。


部下をすべて失い、自身も瀕死になりながら、追って来た大門豊・ザボーガーと交戦。

車椅子の機関銃で道連れにしようとするも、ザボーガーのチェーンパンチを受けて車椅子から転倒。その拍子に機関銃が誤射し、そのまま弾丸を浴びてしまい絶命。


Σ大魔城は、彼が仕掛けていた爆弾により爆発。ここにΣ団は壊滅するのだった。


演じた岡部は当時30代で悪役を演じるにはまだ貫禄が足りないと感じ、自ら髪や髭を白くメイクしたり高価な指輪やキザな衣装をまとった。また崖から海に転落し消息不明になるラストを希望したとされ、完成作品の木っ端微塵になる最期でも「バラバラになったパーツが集まって博士の姿になる」という形での復活を希望したという。


映画版編集

2011年の井口昇監督によるリメイク映画版にも登場。

こちらも、「半機械化された、車椅子の怪紳士」である点は同じ。外観もほぼ同じで、右半面がメカ、片手片足が義手義足であり、黒のスーツに身を固めている。

ただし、片腕の義手はスタンガンが内蔵、片足は貧乏ゆすりする事で膝からナイフを射出する。更に、TV版にはなかった「立ち上がる」描写も見られた。


かつて国家の命令で秘密兵器開発に携わったが、失敗に終わったことで機密保持のために殺されかけ、顔と片腕と片足を失い現在の姿になった。

そこから人間への恨みと憎悪から、Σ団を結成した。

第2部では喘息を患っている描写がある。

第1部で野心家の国会議員・若杉を狙うが、若杉の野心を見抜いたか大門を心理戦で無力化しザボーガーを始末すると若杉と手を組み、人間狩りをする事で資金提供を受けていた。しかしジャンボメカを完成させた後、総理大臣にまで出世していた若杉を執務中の国会議事堂ごと抹殺。世界征服計画を実行に移す。


しかし、中年になってなお正義の心を完全には失っていなかった大門、そして大門が修復・強化改造したストロングザボーガーと対決。

膝のナイフで大門をめった刺しにするが大門は不屈の闘志で立ち上がり、大門が放つ飛龍三弾蹴りを車椅子ごと受けて吹っ飛ばされ、最期を迎える。

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