概要
機動戦士ガンダム水星の魔女のSeason2で判明した、ベネリットグループを含むスペーシアンの利権構造。
かつて起こったドローン戦争をはじめ、地球圏での無秩序な紛争をコントロールする手段としてデリング・レンブランらが導入し、現在では宇宙開発事業の資金源として莫大な利益を生み出している。
しかし、名称から分かるとおり実態はろくでもなく、特に現代では新たな紛争の火種も同然となっている。
解説
端的に言えば、『地球で代理戦争を起こして利益を得る』という、死の商人によるマッチポンプとしか言えないビジネスモデル。
地球圏での紛争に使用される兵器群のシェアを、スペーシアン企業が独占・管理するというもので、戦争するなら企業を通さなければできなくするシステム。
公式サイトに分かりやすい図が掲載されており、そちらも参照されたし。
「デリングらが導入に踏み切った」、という設定から分かるように、それだけ凄惨な戦争が続いていたのが水星の魔女の世界観であり、こうでもしなければ制御できない時点で歴代シリーズでも特に悲惨と言える。
しかし、もたらされる利益からスペーシアン側はこれに依存している状態であり、その分地球では紛争で疲弊していく一方なので、当然アーシアン側との確執はより深刻になっていく。
先細りなビジネスとなっている為、良くて共倒れ、最悪想定以上の血が再び流れる事になる。
また、モビルスーツ開発企業において最大のシェアを誇るベネリットだが、公式の解説ではベネリット以外の軍事系企業も戦争シェアリングの恩恵を受けており、完全に制御できているとは言い切れない状況。
更に、グラスレーでは戦争シェアリングによる孤児の受け皿となる機関、アカデミーを設立する事で、優秀な人材はアーシアンでも重用しているのだが、その出身であるシャディクに反旗を翻されているのは皮肉である。
あまりにも業の深い人類による自滅機構と化しており、デリングはクワイエット・ゼロによる、パーメットを介した軍事産業を含めた完全制御システム完成を目指すようになる。
余談
初めてこの単語が出た際、詳細な設定の開示がなくとも「ロクでもない構造」と感じる視聴者が多かったのは語るまでもない。
しかし中途半端に崩壊させた際の被害や、そもそもこのビジネスモデルを導入しないと詰みかねない世界観に対し、『酷すぎる』という意見が多発。
作中の行動でヘイトを溜めたり、その計画が最終的に破綻するリスクを心配されていたシャディクだが、公式の図解をはじめ、戦争シェアリングの掘り下げにより、「やり方はともかく行動したのは仕方ない(要約)」という声も出てきている。
シャディク関連と密接に関わる要素であり、彼の掘り下げと共に一連の行動にも共感の声が出ているものの、シャディク役の古川慎氏は、『同情の余地があってもやってる事はテロ(要約)』と、行動への理解とそれに対する正当性は分けるようにラジオで語っている。