概要
こころが『東方深秘録』に登場した際のものである。
こころは「 六十六 」の面から成る面霊気(お面の付喪神)であるが、一方で「 本人が無表情 」(「暗黒能楽集 心綺楼」※、ZUN)であるのは本作でも同様で、この「面」の要素と無表情などを象徴する「能面」の語とが絡められたものと思われる。
こころが同作で関与したオカルト・都市伝説である「口裂け女」もまた「顔」(面)にその恐怖の象徴を備える存在である。更に「 口裂け女に成りきろうとした 」こころは、オカルトアタック「美的カウンター」や怪ラストワード<*これでもアタシ、キレイよね?*>などの発動時には「口裂け女」の特徴である口部分を覆うマスクも使用している。
しかしこころが「口裂け女」に自身を重ねていった結果「口裂け女」が「 独り立ち 」をはじめ、これが新たなオカルトボールを生み出すなど、オカルトボールの真髄に行き着いた豊聡耳神子さえ予想していなかったような事態も生み出した。
「暗黒能楽集 心綺楼」:「暗黒能楽集 心綺楼 東方心綺楼 ORIGINAL SOUNDTRACK」
作中では
こころの「口裂け女」は、こころのストーリーの開始時点からすでに「口裂け女」としての弱点を克服するという「 成長 」を遂げており、「 整髪料を克服した真の口裂け女 」として「 伝説の呪文 」(雲居一輪評)に怯むことなくオカルトを行使した。
「 ポマードが効かないだと? 」(『深秘録』、河城にとり)
この際の一人称は普段のこころにみるような「 我々 」ではなく「 我 」となっており、「口裂け女」の特性が単独で出現している模様である。こころもまたそれに成り切ったためか他のシーンでも口裂け女のアイデンティティがこころ自身に強烈に発露している様子が描かれている。
『東方心綺楼』で初登場した際のように、こころは表出している面によって口調もまるで変わるが、本作でもそういった感情と面に合わせた口調の変化が見られる。
一方弾幕ごっこの過程でお面に傷が入って以降はその影響からかしばらくはお面を修理することに注意が向き、「 口裂け女の本分 」を忘れる事もあった。
「口裂け女バージョン2」
こころは、こころのストーリー以後も「口裂け女」を探求しており、その特性を思案した結果としてこころは自身のアイデアが盛り込まれた「 口裂け女バージョン2 」を編み出した。
その体験者の第一号となったのは、どうやら宇佐見菫子の模様である。
なお、その際の出会いと相手の反応とを通してこころはとある感情の一つを自身の中に再発見している。『深秘録』においてこころは自身が関わったオカルトである「口裂け女」を成長させたが、こころもまた感情を知るという新たな成長を果たしたのである。
関連イラスト
- マスク装着