全文![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
「敗者はいつも、手遅れになってから自分の惨状を振り返って後悔する」であり、句読点が一つだけ入っている。
文字数制限に引っ掛かったので省略した。
概要![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
発言に至ることになった詳しい経緯は満場一致特別試験を参照。
クラスを裏切った櫛田桔梗が制限時間内に退学者を1人選ばなければクラスポイントが大きく減るという最悪の状況を作ってしまい、その状況下で綾小路清隆は自身の友人だが生かす価値は無いと判断した劣等生である佐倉愛里を直々に指名して退学者に選ぶが、自身の親友を無能だからという理由で切り捨てることに大反対した長谷部波瑠加が異を唱えて綾小路に直訴するが綾小路は頑として譲らなかった。
それでも異を唱え続けた長谷部はあろうことか代わりの犠牲者として退学者に立候補するが、それでも綾小路は譲らなかった。
想い人である綾小路から臆面もなく戦力外だと切り捨てられて、無二の親友が抵抗し続けてクラスポイントが大きく減りそうになる残酷な現実に直面した佐倉は観念する様に、あるいは運命を受け入れた様にして退学者になる事を決意する。
「クラスの中で、要らない子がいるとしたら……多分、それは私、なんじゃないかな……」
そうして、佐倉自らが長谷部を説得して正式に退学者になり、学園を去ろうとするのだが、その前に綾小路にサプライズでお披露目する予定だった美しい自分の姿で綾小路の前に現れる。
綾小路のそばにいた堀北鈴音が一瞬誰なのか分からなくなったぐらい美しくなったその姿で別れの言葉を告げて改めて学園を去ろうとするが、どうしても悲しみ涙を抑えきることができず、すすり泣く音が周囲に響く。
そんな佐倉の姿を見て綾小路は何の感情も湧かずに辛辣に述懐する。
敗者はいつも、手遅れになってから自分の惨状を振り返って後悔する。
解説![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
佐倉が退学になってしまった理由は言うまでも無く能力の低さだが、正確に言うならば能力の低さだけが決め手になったわけではない。
綾小路も本心では佐倉の退学には肯定的ではなく、佐倉と大差の無い生徒を退学者に選んでもよかったような事を独白している。
それなのに綾小路が佐倉を選んだのは、下手に佐倉以外の横並びの劣等生の誰かを選べば言い争いの膠着状態が起きて試験の制限時間が過ぎてしまう事を予見したからであり、そうならない唯一の手段はOAA(能力値)が最下位であるという満場一致の納得材料にふまえて佐倉の退学に反対する生徒が長谷部しかいないから、長谷部だけを何とかすればいいという残酷な事実で佐倉愛里を退学者に追い込む事であり、目論見通り綾小路は試験を制限時間内に終わらせたのだった。
その際、綾小路は佐倉が内気で気弱であるが故にクラスメイトに「退学者になりたくない」と強く主張することは出来ないという精神の弱点を見越していて、自身に特別な想いを抱いてるので直々に要らないと言われれば心が折れてあっさり承諾するという恋心を逆手に取った冷血な手段で確実に事を上手く進めていた。
ひとえに佐倉が致命的だったのは能力の低さよりも人望の無さ(正確に言えば人望の有無も能力に含まれる)や意志の弱さであった。
例え性格に問題なくても、自身の存在価値を上げる自己の研鑽といざという時に役に立つ人間関係の構築にふまえて何が何でも生き残ろうとする強い意志を持つことを放棄した人間は「手遅れ」であり高度育成高等学校では生き残れない。
それを実感させる試験だった。
ただし、無理矢理にでも生き残ろうとすれば学生時代の茶柱佐枝の二の舞になっていたかもしれないので色々と皮肉だったりする。
ここまで拗れに拗れたのはひとえに裏切った櫛田桔梗のせいだろう。
余談![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
佐倉が綾小路から勢力外通告を受けた時点でもう「手遅れ」であり詰みだったが、腐っても佐倉は高育に入学できた生徒であり、助かっていたかもしれない未来はあった。
その未来とは、自己の研鑽等にふまえて佐倉愛里の実力そのものである『人気グラビアアイドルとしての自分』を隠さずに周知してさえいれば、綾小路以外のクラスメイトからも容姿の良さで勝敗が左右される試験では確実に役に立つという評価(と男子からの人気)を得て退学を回避できていたかもしれないという未来であり、ちょうど満場一致特別試験が終わった後に堀北クラスは文化祭でメイド喫茶を行う予定があった。
その為、満場一致特別試験の時点で文化祭の主戦力にまで上手く上り詰めてさえいれば、例えOAAが最下位のままでも佐倉を切ろうとすれば「文化祭の直前で主戦力が消えるのは痛い」という意識が働いて綾小路が危惧した膠着状態に陥っていたかもしれない。
ここにきて佐倉は不良品のDクラスの特徴である「正しく能力を発揮すれば優秀な成果を残せるにもかかわらず、自分自身で上手く力を引き出せない。 そもそも力を引き出そうと言う意識がない」を改善しなかった事が仇になり実力を示さなかった不良品として高度育成学校を去る羽目になったのだった。
また、佐倉の退学後の動向を見れば文化祭でも活躍できたことは間違いなかっただろう。