概要
一般的に材料(工作物)をチャックと称する爪で固定し、回転させることで加工する。
一方で、材料を加工するためのバイトやドリル、エンドミルといった刃物は切削作用の為の運動はせずに工作物を任意の寸法や形状に仕上げるための運動のみ行う。
よく、旋盤のみならずフライス盤や型削り盤といった工作機械自体のことを旋盤と称する記述があるが誤りである。
おもな旋盤の種類
普通旋盤
名称通り普通の最も基本的な旋盤である。
製品の品質や複雑な形状の加工は作業者の技量に依るところが多い。
現在、製造現場では複雑な加工や大量生産に向くNC旋盤が主流となっている。
しかし、多種少量生産の町工場や教育現場では依然として多く使用されている。
緑色に塗装され、多くの変速レバーを持つワシノ5尺 LR-55は教育現場で実習用旋盤として最も多く使用されている。
仮に一般家庭に設置する場合には基礎工事や動力電源の引き込みが必要。
卓上旋盤
机の上に設置できる小型の旋盤。
小型ではあるが金属の加工もできる。
おもにホビー向けに販売されており、ごく大規模なホームセンターで販売されていることもある。
NC旋盤
コンピューターを使用した制御によって旋削作業や工具交換などを自動化した旋盤。
現在様々な現場で使用されている主流の旋盤である。
コンピューターの画面上で切削手順等をシミュレーションしたり、ダイヤルによる手動送りにも対応している。
時計旋盤
時計の部品を加工するためのごく小型の旋盤。
木工旋盤
木材を加工するための旋盤。家具や玩具の製作に使用される。
防具について
旋盤を使用する上で防具を正しく着用することは大変大切である。特に保護メガネの重要性は大変高く着用しなかった場合には切屑(切粉)が目に入り失明もありうる。一部の創作作品や、戦時中の女学生の学徒動員のプロパガンダ写真で裸眼で作業しているものが見受けられるが、作業者を裸眼で描くと旋盤加工経験者から容赦ないツッコミが入ることがある。
一方で実教出版 機械実習1に拠れば手袋の使用は絶対避けるべきとされている。これは手袋に破れや解れがあった場合、その部分が回転体に接触すると巻き込まれて指や腕を切断する恐れがあるからである。また、同様の理由で袖のボタンやジャケットの裾のボタンは留める、シャツタイプの作業着であれば裾をズボンの中に入れる、長髪の者は後ろに束ねるか作業帽の中に入れるといった安全対策が取られる。