日々野晴矢
ひびのはれるや
ケンカの腕は登場人物の中でも最強であり、度々に自身を「無敵」と自称しているが、その言葉通り作中における全ての戦いで不敗を誇り、超人的ともいえる戦闘能力と勝負強さを持っている。
世界征服の野望を持つ傲岸不遜な性格をしており、一人称は「オレ様」で、仲間を「下僕」と称しているが弱いもの虐めはしない。
BØYでは作中に晴矢の内心が描かれることが少なく、何を考えているのか分かりづらい演出となっている。恐怖概念を持っていないらしく、どんなに凶悪で凶暴な相手であろうと、たとえ本物の銃を目の前に突き付けられようと、全く怖れる様子がないどころか逆に相手を挑発して煽り立てるのが趣味で、とんでもなくお調子者でイタズラ好きである。
その反面、口には出さないが人一倍仲間思いで、親しい友人や仲間を傷付けた者は絶対に許さない。また、自分だけでなく他人の夢も大切にする主義であり、私利私欲のために他人の夢を平気で踏みにじる悪人に対しては本気で怒る。
意外と繊細かつ奥手で純情な健全男子でもあり、基本的には女の顔は殴らない(が、作中で戦った不良女たちは別の方法で倒しており、容赦はない)。特にヒロインの一人で保険医の先生である山ノ上春香に対してだけは頭が上がらない模様である。
外見上は、耳飾りをしている事と、制服を着崩している事以外は、不良めいた印象はなく、作中の刑事からも「今では何でもないような子が不良なんだな」と言う場面がある。また、喧嘩、飲酒、学校をサボること以外は、あまり不良らしい事もしていない。その酒も、春香から禁止を申し渡されると、律儀に守っている。
どういう原理なのかは不明だが、背中からは様々な物を取り出して、喧嘩に使用する。良く使うのは金属バットやフライパン。他にボウリングのボールや、鍋、バレーボールのネットなどを取り出したことがある。それも1つではなく、複数同時に取り出すこともある。
また、とにかく怪力であり、金属バットやフライパンを使わなくても、雑魚は素手の一撃で倒せる。金属バットを折り曲げ、人を片手でぶん投げたりする芸当を見せる。体も頑丈で、相手の攻撃が直撃しても、ほとんど倒れることがない。ライターを使って火を撒き散らすような攻撃もしており、喧嘩では相手の不良も怯むほどルール無用の戦い方をする。
BØYは、コミックスの表紙などに小さく「HARELUYA Ⅱ」と書かれているように、「日々野晴矢」というキャラクターは、BØYの前作「HARELUYA」にも登場している。HARELUYAでは人間ではなく神の息子という設定。しかし、自堕落な性格であり、神である父の怒りに触れて、人間として地上に落とされた。
外見はBØYとほぼ同じであるが、天使状態では金髪。また、BØYでは超人的な強さを持つが、HARELUYAでは地上に落とされたあとは、かなりひ弱な人間となっている。
後の梅澤氏の作品である漫画『カウンタック』の主人公『空山舜』と外見が似ている。空山は温厚な性格で少し老けた晴矢という感じで上記の刑事達からこんな風に見られていたと思われる。
ちなみに空山が青年誌を読んでいる読者に共感しやすい性格だった為かそれとも晴矢に似ているのが良かったのか(縁起的な意味で)、BØY以降は短期打ち切り作品が多い梅澤作品に珍しく、連載期間8年の長期連載となっている。