この楽園「幻想郷」から人間の数が八人ほど減り、七人の遺体は無事妖怪たちに持っていかれた。
幻想郷は正直者を永遠に失った。ただの数値の変化だ。
そんなことは、大したニュースでも無い。
(C62版蓬莱人形より)
概要
原作ゲーム東方projectでの舞台「幻想郷」は、一見昔話や童話のようなのどかな世界観が描写されるが、スペルカードルールに従っていても死者が出る可能性があったり、妖怪が人間を食べていたりもするなど、非常にシビアな世界でもある。
小説版儚月抄では、
「生死が日常の幻想郷は、穢れ無き月の都とは違うことを実感した。」
と言う輝夜の独白まである。
すなわちフィルターのない幻想郷とは、魔境なのである。
ちょうど我々が親しんでいる御伽噺にも、元を辿れば厳しさと残酷さが隠されているように。
そもそも妖怪とは人々の畏怖や恐怖の具現した姿であり、幻想郷にはその妖怪達が跳梁跋扈しているだけでなく何もしていない妖怪すら叩きのめす人間もおり、里の人間が妖怪になった場合待っているのは死であるなど…果たして幻想郷は桃源郷と云えるだろうか?
そんな、シビアな幻想郷を描いたイラストにこのタグがつけられる。
R-18Gに該当するような絵も多いので、閲覧には注意。
意図されている訳ではないが、設定上このタグを象徴する典型的な存在としてルーミアが無慈悲に人里や幻想入り直後の人間を喰い殺すシーンが多く見られる。
そして何より、この程度は幻想郷にとって日常であり、博麗の巫女が動くような異変とは看做されない。
全てを受け入れる幻想の中には、今日も物怪の歓喜の声と咀嚼される断末魔が溢れているのである………
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