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天地無用!」シリーズの登場人物。

シリーズ主人公、柾木天地の母親。


なお、派生作(長谷川版・ねぎし版など)のキャラクターであるため、原典である梶島版には存在しないので要注意。梶島版において阿知花に相当するキャラクターは柾木清音である。


ただし「派生版における天地の母」として彼女の命名を行ったのは梶島正樹。名前の由来は倉敷駅の在地である倉敷市阿知(阿知神社・阿知の藤花)による。


CV:林原めぐみ(天地無用! in Love)


概要編集

勝仁と地球人の母との間に生まれた長谷川版(および、ねぎし版)の天地の母。両作の時間線における柾木勝仁の実娘(兄弟姉妹のいない独りっ娘)である。また産み落とした子供も天地ひとりとされている。(つまり阿知花は天女を産んでいない)

恋にあこがれる17歳で、ごく平凡な学生である一方、素の状態での樹雷の力は歴代を凌ぐ、という部分は両作ともに共通している。

初出は長谷川版だが、これがある程度フィードバックされて、ねぎし版にも登場する。

(メイン画像はねぎし版阿知花。しかも樹雷の力・覚醒バージョン)


長谷川版編集

幼い頃より強い樹雷の力を示し、様々なトラブルにも対処していた。

その事から勝仁(遙照)より常々「魎呼の封印で地球から動けない自分の代わりに樹雷皇家の力になって欲しい」と吹き込まれ続けて育てられた。

しかし、それは阿知花から「自分の意思」を奪う行為となってしまい、彼女の成長に対しては、いかんともしがたい(ぶっちゃけ結果だけを見れば非常に「悪い」)影響を及ぼし「自分の思いを押し込めて他人の事ばかりを考えてしまう」という人間に成長してしまう。


そして勝仁は自らの樹雷星出奔への負い目(と阿知花の資質の高さ)から焦って「もう娘は皇家の樹とコンタクトを取り契約ができるはず」と時期尚早の判断を下してしまう。しかしそれは、親の欲目ゆえに阿知花の成長を見誤ってしまった、間違った判断だった。当時、阿知花は思春期、しかも遅い本気の初恋(しかも片想い)の真っ只中にあり、精神状態はこれほどもないほどに不安定な状態で皇家の樹とコンタクトなどとんでもないという状態にあった。

そこに「好きな人と地球で生きていきたい」けれど「自分に期待をかける父の思いを裏切れない」という葛藤の苦しみの果て、上述した「他人の事ばかりを考える」癖により前述の「地球で生きたい」本音を自分を騙して押し隠し「父の期待に応えなくては」と自らの心を偽って皇家の樹とのコンタクトに臨む。

その結果、樹雷の力を無理矢理引き出そうとしたために、皇家の樹に拒絶されると共に逆に自らの命を吸われて短命となってしまった。


短命になってしまった阿知花の姿を前にして勝仁はうろたえる。しかし、さらに勝仁にショックを与えたのは、そんな状態になってしまった自分を前にしても、心を偽った事を必死に勝仁に謝り続け、哀れにも涙を流して父に許しを請い続ける愛する娘・阿知花の姿だった。本来ならば喜ぶべき「愛情」を「罪」と断じて自らを責める阿知花を前に、勝仁(遙照)は自らの過ちを悟り「自分こそが娘に対してとんでもない罪を犯したのだ」と思い知る。


のち、勝仁(遙照)は娘への償いのために樹雷皇家への未練をスッパリと断ち切り、地球人として生きる事を決意。阿知花に改めて「地球人として生きて良いのだ」と教え、その短い生を悔いなく全うするように諭し直す。やがて阿知花もそれを受け入れ「地球人として穏やかな生を送ろう」と学生としての日常に戻る。

自らを短命に導いてしまった初恋は、自らが臥せっていた間に、もろくも破れてしまったが、のちに父によく似た雰囲気の青年である信幸と出会い結婚。天地を授かるに至る。天地の出産においては自らの短命もあり文字通り命を懸けての事であり、出産を行えば元より短い命がさらに短くなる可能性が高くなる事から、勝仁も信幸も頭を悩ませる難しい選択となる。しかし「自らの育める命を確実に未来へと遺すため」に天地をこの世に産む事を望み、学生時代からは考えられなかったほどの自らの強い意志で、これを強行した。

かくて天地を出産後、産後の肥立ちの悪さから、さらに体を弱くして伏せる事も多くなり、そしてとある雪の日に、幼い我が子を遺し逝ってしまう事となった。


樹雷の力においては歴代の樹雷皇をしのぐほど、と言われる。(でなければ勝仁もこんな判断ミスは起こさなかった)


長谷川版の阿知花は、それこそ梶島版の柾木清音や、ねぎし版の阿知花のような、オチャメなキャラクターや活躍を持ち合わせる事は無かった。


しかし彼女は、最期の最期には自らの意志を強く気高く貫き抜いて、我が子である天地に愛という遺志を受け渡す「至高の愛情を持つ母親」として、この世を去ったのである。


ねぎし版編集

こちらでは樹雷の力や樹雷星・樹雷皇家など全く知らずに育った平凡な明るい女学生。

勝仁の独り娘である事は長谷川版と共通するが、樹雷皇家や樹雷の力に関しては教えられていない。(勝仁自身が地球に降り立った時点で樹雷を棄てる事を決意していたため、教える必要が無かった)


同級生の信幸(しかも天地似!)に対して無邪気な信頼と親愛を向けており、一種の建築ヲタだった彼の話もにこやかに聞く、心優しい少女。信幸の建築デザインに強く惹かれており、彼が「みんな(家族)が集まってくれる夢の家」を造りたいと熱く語る事も、非常に肯定的に捉えている。


しかし先天的に強い樹雷の力を有していたため、樹雷皇家殲滅を企む次元犯罪者禍因の最大のターゲットとして命を狙われ、それを阻止する天地たちの戦いに巻き込まれる。


対禍因戦に挑む天地たちに対し、自らの樹雷の力が天地こそが自分の未来の子である事を感じさせてしまい、彼を守るために本来ならば制御ができないほどの樹雷の力を引き出してしまい(その力の総量は樹雷の力のキーである天地剣を本来は設定されていないはずのナギナタモードに変形させてしまうほど)寿命を消費する羽目になる。さらには、こうして無理に引き出した樹雷の力は、残酷にも阿知花に「短命となった自分の運命」をまざまざと見せつけてしまう。

しかし、そんな自分の運命の中にも、我が子の行く末の中に共に歩んでくれる「家族」がいて、彼らが「夢の家」で幸せに暮らす運命を知り、未来において「家族になってくれる娘たち」に自らの息子である天地を託し、自らは短命の運命に嘆くことなく真正面から立ち向かい信幸と共に生き抜き天地を産み落とした。


ねぎし版の阿知花は樹雷や自らの力そのものに対する知識を持ち合わせていなかったため、長谷川版の阿知花や、梶島版の柾木清音と比して「力や状況に振り回されてしまった」感が否めない。

しかし、そんな中でも最後の最後までベストを尽くし、短命の運命を解っていながらもそれをあえて受け入れて自身の命も諦める事無く天地を産み落とすという「力強い最強の母親」として、その生を全うした。


関連タグ編集

柾木勝仁 柾木信幸 禍因


柾木清音:原典での天地の母。いわばパラレルワールドでの同一存在に相当する者。


清音:同じく派生天地のキャラクター。というか派生作にて阿知花の設定が組まれた元凶

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