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概要編集

「武装ポーカー」とは、荒木飛呂彦のデビュー作である。

同氏が20歳の頃に発表、第20回手塚賞を受賞し、本格的に漫画家デビューへと至った。1981年の週刊少年ジャンプ(1号)にて掲載。


ちばてつや筒井康隆など、名だたる審査員たちからも高い評価を得て、手塚治虫からも

やや大人向けだがスリルがあり、映画を相当見ていると思わせるすぐれた構図がある」と評価された。

後年の荒木作品でもちりばめられた漫画の要素が盛り込まれており、荒木飛呂彦の原点とも呼べる作品。


現在は荒木飛呂彦短編集「ゴージャス★アイリン」にて収録されている。

※集英社文庫<コミック版>[ゴージャス★アイリン]には、「アウトロー・マン」も収録。


ストーリー編集

ある男が屋外にて、自身が実際に見た、二人のガンマンに関する話を語り始める。

その話には、「ポーカー」、誰もが知るトランプゲームが出てくると前置きし、ポーカーの魅力……駆け引きを用いて掛け金をつりあげたり、ハッタリで相手をゲームから降ろさせたりする事を語り、本題に入った。


時は西部開拓時代。

保安官がおらず、近くの町まで三日。法の真空地帯であるこの町に住むガンマン「ドン・ペキンパー」は、酒場にてポーカーを楽しもうと勝負中のテーブルに向かう。

そのテーブルには、この街に来たばかりのガンマン「マイク・ハーバー」がポーカーを行っていた。

二人は、互いに生死問わず一万ドルの賞金が掛かった、賞金首の悪人。互いに見事なカード捌きを見せ、サシでのポーカー勝負を始める。

マイク・バーバーに最初のゲームで負け、苛立つペキンパー。しかし彼は次のゲームにて、3のフォアカードを揃えて微笑みを浮かべつつ、互いに賭けた550ドルを前にして「これにおもしろい賭けを重ねないか」と提案する。

それは、「お互いの拳銃を賭ける」というもの。

保安官のいないこの町で、高額の賞金がかかった賞金首が丸腰になったらどうなるか。それは火を見るよりも明らか。

丸腰になった瞬間、後ろから撃つような連中が、この酒場にはうようよしているのだ。

はたして、この勝負の行方はどうなるのか……!


登場人物編集

ドン・ペキンパー編集

この物語に登場するガンマンの一人。

「生まれながらの悪人がいるとしたら、この男がそれだ」と言われるほど、評判が悪い。

生死に関わらず一万ドルの賞金がかかっている。悪い事ならなんでも行い、殺した人間の数は27人。負けると言う事を知らず、それだけに敵も多い。

殺して有名になりたいと思う者以外にも、賞金狙いの者も多く、そのような連中から絶えず命を狙われている。

拳銃の腕前も高く、散髪中やポーカー中に狙われても、相手を返り討ちにした。

酒場でいつも頼むのはミルクセーキ。カード捌きも優れている。

普段は人を食ったような、飄々とした一面を見せているが、優位に立たれると苛立ち、周囲の人間に八つ当たりをする事も辞さない。


マイク・ハーバー編集

ペキンパーとポーカー勝負をする、この物語に登場するもう一人のガンマン。

長髪で顎の左側に傷を持つ。ペキンパー同様に賞金首で、同じく一万ドルの賞金がかけられている。また、ペキンパーと互角の拳銃の腕前と、カード捌きの技術を有する。

最初に酒場の隅で、二人の男相手にジャックポット(普通の)ポーカーを行っており、賭け金を巻き上げていた。

ペキンパーからどこから来たのかを訪ねられ、「忘れました」と答えるも、ペキンパーの


わすれるという事はスバらしいことだ。どこから来たか覚えてるってことは、昨晩なにをくったかおぼえていることと、同じくらいくだらないことだな……


という言葉に対し、


昨晩はビーフシチューをたべました


と答え、彼に引きつった笑みを浮かべさせた。

当初は、ペキンパーに一勝して得意げになっていたが、次の勝負でペキンパーが言い出した「おもしろい賭け」に対し、ハッタリめいた事を言われて感情的になる。


語り部の男編集

冒頭に、この物語を語り始めた中年の男。


動画編集

アニメ化などは行われていないが、自主製作の動画がUPされている。

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