泉鏡花(文豪ストレイドッグス)
いずみきょうか
「もうこれ以上一人だって殺したくない」
「マフィアの殺しと探偵社の殺しは違う」
「私はもう、貴方が知る私じゃ無い!」
漫画及びアニメ『文豪ストレイドッグス』に登場するキャラクターの一人。
元ポートマフィアの構成員で現武装探偵社員。実在の泉鏡花の性別は男性だが、「文豪ストレイドッグス大博覧会」での作者からのキャラクター紹介(初期設定)では「男性の読者もいる為、女性キャラクターを増やさなければ読者は増えませんよ!」(的な事を)と担当さんに言われたから、と語られている。若しかすると、名前が女性だから、という理由もあるのかもしれない。(※尚、同作に登場する尾崎紅葉も同様に本作では女性として描かれている。)
孤児だったところをマフィアに拾われて、それ以降は指示のままに僅か六ヶ月で三十五人の人間を殺めたが本心では「誰も殺したくない」と思っており、殺人を嫌っていた。
同じくポートマフィア構成員である梶井基次郎と共に電車をジャックし、敦達を襲撃するも、異能力を開花させた敦に敗れる。その際、自身に仕掛けられた爆弾で走行中の電車から飛び降りて自殺を図ったが、敦の手によって救われる。
その後は軍警に引き渡される予定だったが、芥川の手により敦共々、マフィアの元に連れ戻されてしまう。しかし、連行先の輸送船を爆破させて芥川と共に自滅を目論んだ。その際、敦を救出に来た国木田の船に敦と共に飛び降り、以降は武装探偵社に身を寄せることとなる。また太宰により敦と同棲することになる。
対外的には福沢諭吉の孫娘、かつ探偵社の社員として過ごしてきた。刑事である箕浦からは当初疑われたが、福沢が孫だと嘘を話したところ、「そっくりだ」と評されていた。また乱歩に一番に歓迎されていて、その関係性は敦曰く「小学生の兄妹」。
探偵社員と共に日々を過ごしていたものの、彼女の姉貴分的存在であるポート・マフィアの幹部・尾崎紅葉に拐われかける。その際武器を使用し紅葉の腹部を刺して逃げようとする。だがそこで、組合の襲撃に遭い、混乱の中、行方知らずとなる
暫くは身を隠していたようで、かつて自分の居た場所を転々としていたものの、「探偵社こそ自分の居場所」と確信して敦と合流。軍警の力を借りようとするがしかし、未だ連続殺人犯として追われていたため、不審に思った警官が本部に連絡しようとしたのを見て焦燥した鏡花は今まで暗殺をやらされたいた本能で警官を切りつけ深い傷を追い痛みにうずくまる警官にとどめを刺そうとして我に返った敦に止められる。
その後自身も連続殺人犯として軍警に逮捕されてしまう。そこで自分はもう黒く染まり光の世界には行けないことを悟る。
「如何して?」
「向いていないなら如何して光を見せたの? 如何して望みを抱かせたの?」
「さようなら。もう私を……光で照らさないで……」
その後は軍警の小型無人機に危険異能者として隔離・拘束されていたが、太宰が異能特務課の坂口安吾と司法取引をし、彼女の罪の特赦が成立。しかし、「元殺し屋の自分が善人にはなれない」と太宰から受けた探偵社への社員採用試験を拒否しようとしたが、太宰に説得されて考えを改め、ヨコハマの街を守るために組合の作戦の阻止に尽力。その気概を福沢にも認められ、晴れて正式に武装探偵社の社員となった。尚、正式に武装探偵社員になった際には、ある人物からあるものを入社祝いとして届けられた。
武装探偵社とポートマフィアの潰し合いが始まると、ポートマフィアの首領である森鴎外の暗殺を試み、尾崎紅葉に返り討ちされかけた谷崎を救出した。
そしてマフィアで得た知識が生かされるポートマフィアとの戦いに参加することを決意。芥川と対決した。そこで変わった自身に対して芥川から「善かったな」と言われ、驚きの表情を見せた。(芥川と鏡花の出会いが回想シーンで登場)
天人五衰によって武装探偵社が犯罪者の汚名を着せられた際、猟犬から国木田達と共に逃亡。その後国木田の制止を振り切り単身で敦の救出へと向かう。そして敦を助け出した後は彼と行動を共にし、フィッツジェラルドへの接触、幽閉されていた小栗虫太郎の救出を行う。小栗から聞いた「裏頁」に希望を見出して、敦とモンゴメリの異能力を使って敦とモンゴメリと共に天空カジノへと潜入する。
寡黙であまり感情を表に出さず、探偵社入社以前は己の生死にすら無頓着で自分の意思が見られなかったが、敦達と関わることで徐々に表情が豊かになり、口数も多くなってきた。
甘いものや兎やぬいぐるみなど可愛いものが好きで、年相応な部分も見えてくるようになった。小柄な見た目に反してかなりの大食いである。そして敦や谷崎を救出したりとイケメン顔負けな行動も見られる。
また料理も上手く、敦との同棲初日には見事な和食の朝ご飯を作った。
兎人形のストラップを付けた折り畳み式携帯電話をいつも首にかけており、マフィアとの縁があるものでも決して手放そうとしないため、彼女の唯一の私物だと思われる。
容姿は黒髪を白い花の付いた髪飾りで2つに結っている。
和服姿で右だけ着物の袖をたくし上げている。年齢は14歳で同じ武装探偵社員の賢治と同い年である。また湯豆腐が好きで、敦や国木田と行った店では高級な湯豆腐をたくさん食べていた。
能力名 | 夜叉白雪 |
---|---|
解説 | 仕込み杖を使った異形・夜叉白雪を具現化する能力。 |
元ネタ | 泉鏡花の著書『夜叉ヶ池』と、同著に登場する龍神・白雪姫 |
殺戮に特化した異能力であり、それは芥川に「殺戮の権化」とまで言わしめ、マフィア幹部である尾崎紅葉の異能力『金色夜叉』とも互角に張り合えるほど。
当初は、鏡花が持っている携帯電話にかかってきた声の指示だけにしか従わず、鏡花自身の意思で異能力を操ることができなかったものの、探偵社の正式な社員となった後は、福沢諭吉の異能力である『人上人不造』の影響で制御可能となる。
身体を非物質化にして物理攻撃や拘束を回避する事が出来る。
実は異能である『夜叉白雪』は元々は彼女の異能ではなく、実の母親から譲り受けたものである。
彼女の父親は元政府の諜報員であり、事件を起こし職を辞した後、フリーランスとして要人暗殺に携わっていた。彼女の母親は異能夜叉白雪の使い手で、夫と共に数多の暗殺を手がけた。両親共々、政府側の人間だった。
ある日、彼女の両親に恨みを持つ異能者の襲撃に遭い、身体操作の異能で操られた父親は、外で遊んで部屋に帰ってきた鏡花に斬りかかろうとしたが、父親の「僕を斬れ」という言葉に夜叉白雪が反応し父親を斬った。
その光景を見た母親は、「血液を媒介する身体操作の異能」と見破り、自身も操られていることを悟る。大切な娘である鏡花を守るため、自分の異能である夜叉白雪に「娘を守りなさい」と命令し、まだ幼かった鏡花に異能を譲渡する形で自身も命を落とした。
「往きなさい……鏡花……母は……何時でも傍に……」
この時、鏡花は実の両親の死を間近で目撃してしまい、声にならない悲痛な叫びを上げた。
そして遺された彼女はポートマフィアに拾われて現在に至る。突然の襲撃で譲渡が不完全だったため、夜叉白雪は携帯電話を媒介としてしか操れなくなった。
携帯電話は彼女の両親が殺される何日か前に母親から手渡されたもので、その際に「絶対に手放すな」と言われたため、マフィアから抜けた後も、鏡花は携帯電話を大切にしている。
鏡花自身は両親の職を含め、上記のことを知らず夜叉白雪を使い両親を殺したと思い、夜叉白雪を憎んでいたが、上記のことを知ると、夜叉白雪に寄り添うように涙を流した。
余談だが、異能力の譲渡方法を彼女の母親は黒い影を操る異能者から教わった。(※尚、その異能者の実の娘は文豪ストレイドッグス外伝で登場している)
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