概要
海に棲むという怪奇的な力を持つという魔獣。
船乗りが攻撃を仕掛けようとすると、この魔獣はたちまち姿を消してしまう。
その瞬間、狼狽える船乗りの首元にはこの魔獣の鋭い牙が突き刺さっているのである。
いきなりスッと消える様子が、まるで東洋の伝説に登場する暗殺者の技を彷彿させることから畏怖を込めてドロンと名づけられたのだった。
実は・・・
このような日本語のダジャレのような名の魔獣の伝承が海外の船乗りに伝わっているはずは無く、怪奇作家・佐藤有文著の『世界妖怪図鑑』などに掲載されたものである。
なおこの書籍に用いられた挿絵は、コンラート・ゲスナーの『動物誌』に掲載されたイクテュオケンタウロスである。