びろ・びろ・びろ~ん
概要
佐藤有文著の『いちばんくわしい日本妖怪図鑑』で紹介された妖怪。
別名を塗仏(ぬりぼとけ)といい、「びろ・びろ・びろ~ん」という呪文で仏様に化けようとしたが失敗してしまい、このような奇妙な姿になってしまったという。
体はコンニャクのようにブヨブヨしており、しっぽで人の顔や首をなでてくる。
塩には弱くかけられると消えてなくなってしまうという。
創作での扱い
桃太郎伝説
パッと見のシルエットははらだしに似ているが、奥まった暗い目で口から血をたらしている怖い顔の敵妖怪として登場。
通常攻撃が効かない嫌な敵だが経験値が高く『桃太郎伝説』では「灼熱の弓矢」、『新桃太郎伝説』では「きよめの塩」で簡単に倒せるので段上げに役立つ。
『新』では見た目の割に真面目だとされ、独自のフォントのびろーん語で話す。事前に「はらだしの里吉」を仲間にしておくと情報を得ることができた。(はらだし語とは宮崎弁と英語ぐらいしか違わない(笑))
リメイク版では上位種の紅びろーん、砂びろーん、岩びろーんが登場した。
余談
- 上記のように佐藤有文の著作が初出の妖怪で、本人は平安か江戸の絵巻に掲載されていたもので「びろ・びろ・びろ~ん」もその絵巻を元に書いたものだと言っていたという。
- 多くの研究者が様々な絵巻や古文書を調査したが、今のところ過去の文献は確認されていない。しかし佐藤がこの妖怪の図像が掲載されていた書物を手放したためにいまだに真相は謎である…
- 京極夏彦は対談集「妖怪馬鹿」で、当時の絵巻であれば「びろ~ん」と伸ばす長音符は無いはずであると分析しており、手塚治虫タッチで紹介イラストを描いている。
- 水木しげるのマレーシア、メキシコ、オーストラリアの取材に同行したノンフィクションライター大泉実成は「びろ~んに似ている」といわれ、水木より「妖怪びろ~ん」のホーリーネームを授けられた。
- なおpixivでは「~」のフォントがPCの機種によってエラーを起こしリンクされない。旧表記→びろ〜ん