解説
太陽系から11.4光年の距離にある、宇宙規模で見れば太陽系の近所にあるともいえる恒星だが、星自体が小さく暗いため肉眼でぎりぎろ見えるか見えないかぐらいの明るさしかない。とはいえ天体望遠鏡を使えば観測は容易であり、太陽系近傍の恒星として古くから研究されてきた有名な連星系である。このためスペースオペラの舞台としてしばしば登場する。
61番星というのはフラムスティード番号によるもので、これは星座内の明るい星に座標順に番号を振ったもので、61番目に明るいという訳ではない。
白鳥座61番星は2つの恒星からなる連星である。恒星はどちらもK型主系列星であり、光度やサイズが比較的揃っている。K型主系列星は太陽のようなG型主系列星よりも小さく、赤色矮星よりも大きい恒星である。
白鳥座16番星という名前の似た恒星があるが、これは名前が似ているのみならず「主星と伴星のサイズが揃った連星系」「太陽系近傍にある」「古くから研究対象」というキャラ被りを起こしている天体として知られている。