概要
ドクターTETSU/真田徹郎の実兄。身長182㎝とかなりの長身。
医師免許を持つ医師だが、父が無念の最期を遂げた事で、力ある側に着き、医学を悪用する道を選んだ男。情に厚く子供好きな一面を持つ光の闇医者であるTETSUとは真逆のような存在。
また、ドクターK/西城KAZUYAを幾度も窮地に追いやった宿敵であり、KAZUYAが本気で殺意を抱いた事があるほど。基本的には悪意に満ちた男だが、登場当初から実験対象に愛着を持つ様子があり、自らが利用した実験動物に憐れみを感じる一面もある。
KAZUYAやTETSUと違って武術は習得していないので生身での戦闘能力は常人程度だが、KAZUYAの手加減抜きのパンチを受けたり、全身を銃撃されても動けたりと、タフさだけは一級品。
劇中の活躍
三田グループ会長の座を狙う社長岩下貞男に雇われ初登場する。
会長を病死に偽り暗殺するべく工作するが、会長の有事の際はKAZUYAが治療を受け持つため、まずはKAZUYAに狙いを定め、独自の改良を加えたフィラリアを寄生させた蚊をKAZUYAの元へ放ち、生死の境を彷徨わせた。
しかし、KAZUYAの危機を救うべく大勢の仲間が駆けつけた事で彼が救われ、KAZUYAと仲間達の芝居で蚊の存在を自白してしまい、逮捕される。
その後は、会長の死で次期会長となった岩下から保釈金で釈放され、KAZUYAの復讐のため、まずは彼の周囲の仲間から崩そうと、大垣と柳川教授を標的にし、その調査を請け負った岩動を車で轢いて追い詰めていくが、激怒したKAZUYAに直接襲撃され、打ちのめされ肺に穴を空けられながら、なんとか死ぬ前に逮捕され一命は救われたが、岩下から切り捨てられて全ての責任を負わされた。
その後は東南アジアのダウンタウンで町医者に身をやつして(ただし主な仕事は殺し)いたが、強盗に襲われた政治家の木村を救い、彼の下で敵対派閥を叩くべく、相手の派閥にかつての雇い主岩下がいたことで裏金をリークして、更にガン発生装置で架空のスキャンダルを捏造するが、やり過ぎを危惧した木村から海外への高飛びを促される。しかし、自分が切り捨てられる事を察していたため、裏では海外にパイプを得て逃亡する。
その後は大国へ戦争挑もうとする独裁国家ニューセルゲイ共和国で、アニマル・ウェポンの開発に勤しんでいたが、実験成果にしか興味を示さず国の思想に染まらなかったため、KAZUYAとTETSUがの来訪を知らされると、宿敵の2人に連絡を取った事でスパイと誤解され、研究成果を奪われながら、銃撃された。
即死は免れたものの、最期はTETSUから母の危篤を知らされ、兄と呼ばれた事でケジメをつけるために、ニューセルゲイ共和国で開発中の治療法のないウイルスを消し去るべく、自身に加えて独裁国家の首脳と国民を巻き添えにする形で核爆弾を起爆し、死亡する。
今まで悪意しか見せなかった男だが、今際の際には自分の実験のため利用される動物たちに情けを垣間見せていた。ただし、先述の核爆弾は他ならぬ実験動物の犬を利用して起爆しており、核爆発によって最低でも50万人のニューセルゲイ共和国民を犠牲にしている(第一報なので実際の犠牲者は更に多いと思われる)為、これを改心・善行と言えるかは微妙なところである。
続編の『K2』では当然既に故人だが、死の影が迫る弟TETSUの幻影として姿を現した。
KAZUYAもいないのに生に執着する理由を問い掛け、譲介の手紙に応えるために生き延びるとTETSUが決意を語ると、弟の生きる理由を認めたのかすぐにその幻影は去っていった。
まるで死神の様だが、見方を変えると、生きるなら発破を掛けに、死ぬのなら楽になれと、どっちの選択をするにしろ弟の選択を受け入れていた節がある(奇しくもKAZUYAもまた、亡き叔父である一昭の幻影と似たような会話を交わしている)。
余談
あまりにもレロレロしているお兄さんに似ていることから読者からの名前は「汚い花京院」「偽花京院」といわれている。デザインがあまりにも似すぎているためか、木村の元に身を寄せる時からは少し痩せ髭を生やすようになった。
ちなみに登場はJOJO第三部が連載されていた時期とちょうど重なることや、作中には他にも某ドイツ軍人そっくりのキャラなども登場するため、本当に直接のモデルである可能性も。
そう考えると、キャラ性自体も「肉の芽で操られているときのゲス花京院」をアイディア元にしたとも取れる。
また先述の通り1エピソードで50万人もの犠牲者を出している為、「『スーパードクターK』における1エピソードごとの平均死亡者数は1000人以上」(※)とネタにされることがある。
(※)ドクターKはトータル495話のため、50万÷495として一話あたり約1,010人となる。