概要
『石子と羽男』は、TBS系列の金曜ドラマ枠で2022年7月~9月に放送されていたテレビドラマである。正式タイトルは、『石子と羽男-そんなことで訴えます?-』。脚本:西田征史。
東大卒のパラリーガル「石子」こと石田硝子と、高卒の弁護士「羽男」こと羽根岡佳男が凸凹コンビを組み、ふたりの元にやってくる人々が抱える身近なトラブルに挑みながら、お互いのコンプレックスに向き合い成長していく姿をコミカルに描くリーガルエンタテインメントとなっている。
オープニングには、その放送回の法律トラブルが何かを視聴者に説明するアバンタイトルが設けられており、石子と羽男が寸劇を行う。(時には塩崎も乱入。)
登場人物
- 石田硝子(演:有村架純)
東大卒のパラリーガル。4回司法試験に落ち、5回目の受験を諦めている。
「真面目でコツコツ積み上げていく、そして石のように頭が固い」ことから「石子」と呼ばれている。
両親が離婚し母親と2人で暮らしていた母親との死別後、父親の綿郎と暮らし始め、彼が営む「潮法律事務所」に勤務する。利益にならない案件は基本、引き受けないルールを課している。
初めて司法試験に挑んだ年、試験会場前でイヤホンをつけた歩きスマホの女性が赤信号に気づかず車道に侵入、トラックに轢かれる交通死亡事故に遭遇し、目撃のショックで試験を受けられる精神状態でなく不合格となる。以後も毎年司法試験になるとトラウマから事故を思い出し、実力を発揮できなくなっていた。
- 羽根岡佳男(演:中村倫也)
高卒の弁護士。見たものを写真の様に記憶するフォトグラフィックメモリーの持ち主で、この能力で司法試験に一発合格している。
羽のように軽やかな性格から「羽男」と自称。周りの目を気にして、「型破りな天才弁護士」に憧れているが、想定外のことが起こるとパニックを起こし思考停止するため、弁護士としての能力に問題を抱えている。
ひょんなことで綿郎と出会い、「潮法律事務所」で雇用される。
- 潮綿郎(演:さだまさし)
石子の父。弁護士で「潮法律事務所」の所長。根っからのお人好しで困っている人を放っておけず、貧しい人から弁護料を受け取らないため、事務所の経営状況は芳しくない。
誰とでも友達になり、綿のようにふわふわとした性格。羽男を事務所にスカウトしている。
お人好し過ぎて母が苦労したと考える石子から、親子ながら敬語で話しかけられ距離を置かれていたが、羽男からそれとなく促されたことで石子に謝罪し、わだかまりを解消する。
- 大庭蒼生(演:赤楚衛二)
「潮法律事務所」のアルバイトスタッフ。中古車販売店「カーキャプテン」の元販売員→整備士。石子の出身高校の後輩で、当時から石子に好意を抱いていた。
カフェのコンセントで充電していたことで訴えられた件や、前職でパワハラを受けていた件で石子と羽男に救済され、就活で次の仕事が見つかるまでの間、「潮法律事務所」でアルバイトをすることになる。
「ナカマル」への再就職を機に石子に交際を申し出て、了承の返事をもらう。
しかし、不動産投資詐欺に絡んだ放火殺人で重要参考人として連行され、更には弟・拓が巻き込まれていると知り彼を庇い、自分が放火したと虚偽の自白をするが、石子たちの尽力で無実であることが証明され不起訴となり、三度救済された。
その過程で「ナカマル」もブラック企業であることが判明し、後に子会社の社長として名義だけ貸してしまう形となって不動産投資詐欺に巻き込まれたことを知り、そこも退社。再びアルバイト生活に戻った。
- 塩崎啓介(演:おいでやす小田)
爆食の町・鴨ヶ谷で父親が経営する「そば処 塩崎」で働く。明るくて気さくな性格。ただし、時々鬱陶しい。
石子に一目惚れしアプローチを続けているが、彼女からは相手にされていない。
スピンオフ作品では主人公を務める。
スピンオフドラマ
『塩介と甘実-蕎麦ができるまで探偵-』のタイトルで、本編第1話終了後より動画配信サービスParaviにて配信中。「そば処 塩崎」で働く塩崎啓介が主人公。おいでやす小田が連続ドラマの主演を務めるのは初めてとなる。
石子と羽男がトラブルを解決する様子にひそかに憧れを抱く「塩介」こと塩崎啓介が、見た目は清楚だが、実は驚くほど毒舌な東大法学部に通う女子大学生・「甘実」こと甘露果也実と凸凹ペアを組み、店を訪れた客の悩みを推理で解決しようと奮闘する軽妙な会話劇。
キャスト
- 塩崎啓介(演:おいでやす小田)
東京大学法学部在学中の大学生であり、「そば処 塩崎」の常連。見た目は清楚だが、かなりの毒舌。