概要
『ライオンの隠れ家』は、TBS系列で2024年10月から放送される金曜ドラマ。主演は柳楽優弥。
脚本は『おっさんずラブ』や『恋はDeepに』を手がけた徳尾浩司と新人の一戸慶乃。
主題歌はVaundyの「風神」。また、VaundyはOP映像の監督も務めている。
登場人物
- 小森洸人(演:柳楽優弥)
主人公。茨城県の浦尾市役所で働いている。両親を事故で亡くしてから、弟・美路人と2人で暮らしていた。
元々出版社関係の仕事に就きたかったが、両親の死もあり夢を諦めた。通っていた大学も中退している。
ある日、自宅に隠れていた子供「ライオン」を引き取り、3人での奇妙な共同生活が始まる。
出会った当初はライオンを親の元に返すため警察に届けるべきだと思っていたのだが、彼の身体にあったアザから児童虐待を疑い、美路人からも「親元へ返すのが本当に正しいのか?」「ライオンが居たプライド(家)は安全なのか?」と言われたことで、表向きは「親戚の子供」「知り合いの子供」として引き取る決意を固めた。(前者に関しては言い得て妙なのだが。)
元来の放っとけない精神故に頼まれたら引き受けるタイプ。
「ライオン」を姉・愛生の子供と推測しており姉と思わしきXとやり取りし会う約束をしていたが美路人とライオンのトラブルにより会えずじまいとなる。同時期に愛生とその息子・愁人の行方不明事件を知ることとなり、ライオン=愁人ではないかと疑う。
その後、X…もとい柚留木から全ての真相を聞かされこれまで通り愁人と暮らして世間の目から彼の存在を隠してほしいと頼まれるが、突然の事態を呑み込めないままだった。
しかし、自分達の所に来るまでに母との別れを経験し、様々な葛藤を抱えながらも成長していくライオン=愁人の姿を見て「よく頑張ったね」と褒め讃えた。そして、彼を世間の目から守るため「3人で笑って過ごす」ことと何かあれば自分と美路人でライオンを守る決意を固めた。
その後、工藤が自宅を特定し訪れたことで彼女からも「他の人たちがこの家を特定する可能性がある」と指摘されたことで、有給休暇を使って貞本が手配してくれた別荘へ旅行に行こうと決心し、美路人とライオンに提案した。美路人は反対したが、根気強く説得したことで了承してもらい旅行に行くことになった。
しかし、その最中天音が勝手にスクープ記事を出したことで自宅へしばらく帰れる状況ではなくなり、柚留木の指示でしばらく滞在することになった。
その後、姉と久方ぶりに再会を果たしたが、聞きたいことを聞くことも出来ず、幼少期と変わらず終始彼女のペースに振り回されっぱなしだった。
美路人とライオンが寝静まった後、姉から真相を聞くことができたものの、これまでの姉の行動を「自分勝手」と批判しこれまでの不満をぶちまけていた。
その後も柚留木の指示とはいえ、急にライオンと共に島を出ようとする姉を「勝手だ」と批判して止めようとしていた。
その過程で自分自身が「2人が安心して暮らせる方法を見つける」と宣言していたが、姉からは「祥吾はあなたが思っている以上に危険な人物」と警告され、工藤からの情報で亀ヶ谷議員と「たちばな都市建設」の裏のつながりと謎の失踪事件を知ったが、その直後姉とライオンが姿を消してしまう。
その後、愛生とライオンを奪還するため柚留木とともに橘家へ向かうが、祥吾と鉢合わせてしまい、説得を試みるも全く相手にならなかった。その無力感を抱えたまま美路人を迎えに行き、彼の前で「ライオンはもう帰って来れないかもしれない」と吐露し、泣き出してしまう。
しかし、美路人の励ましにより立ち直り、今度こそライオンを救うべく盗聴器とGPSを手がかりに彼の行方を追い、祥吾から強引に手を引かれていたライオンを救い出した。
しかし、この怒涛の日々の間仕事を休職しており、牧村や貞本から復職を催促されていたことや「自分の時間」について2人から聞かれたことで自身の未来を考えるようになった。そして、弟や姉、ライオンにも伝えないまま突如家を出てしまう。
その後、東京に来ており嘗て通っていた大学での学生たちの楽しい様子を見た後、工藤からの連絡を受けてサシで飲むことに。その中で彼女から「何かに挑戦することに年齢は関係ない」と言われたことで今からでも挑戦できることがあるのではないかと考えるようになるものの、「自分にはこれといった武器がない」と思い躊躇している。
しかし、「想いは言葉にしないと伝わらない」と愛生からアドバイスされたことで、面と向かって伝える決意を固め、貞本の結婚10周年パーティーの代理スピーチの時間を借りて弟に直接感謝の気持ちを伝えた。
その後、美路人に直接大学で再び学び直し、夢だった出版社に就職して美路人の作品を集めた画集を刊行することを伝えた。市役所も退職することとなり、牧村と貞本がそれぞれ餞別としてプレゼントを渡した。
- 小森美路人(演:坂東龍汰)
洸人の弟。アート事務所「プラネットイレブン」でアーティストとして働いている。自閉スペクトラム症の特性からこだわりが強く、コミュニケーションが苦手だが、記憶力は良い。
また、自分の大切なものが壊れたり無くなったりすると癇癪を起こす。一度、両親が亡くなった後に大きな癇癪を起こしたことがある。
しかし、絵のセンスは抜群に上手く、描いた絵が動物園のポスターに選ばれるほど。
動物が好きであり、アート事務所でも専ら動物の絵が多い。その甲斐あって、動物園のポスターに選ばれメインとして展覧会で展示されることとなった。
ライオンを最初に見つけた時は「知らない人が家に居ます!」と叫びパニックになっており、ライオンが動物図鑑を見ようと誘った際には自分が持っていた図鑑と勘違いしたのか引っ張り合いとなり破れてしまったため、再び癇癪を起こしていた。
しかし、動物図鑑を自分のものだと勘違いしていたこと、ライオンの身体にアザがあったことなどから「ライオンが居たプライド(家)は安全じゃない」と判断し、しばらく自分たちの元で保護するべきではないかと洸人に提案する。
そして、壊してしまったお詫びに自分の動物図鑑を渡した。
最初の邂逅から数日後、洸人とライオンの3人で図書館に出かけたものの洸人がXと会う約束をしていたため、ライオンと2人で過ごすことになったのだが、ライオンが言うことを聞かずにパニックになってしまう。その後、時間通りバスに乗ったもののぬいぐるみを探しに行ったライオンとはぐれてしまい更にパニックになり、運転手と乗客の通報で浦尾北警察署が保護した。一度洸人の不注意でバスに置き去りにされた過去があり、その時にもパニックを起こしていたため、それがフラッシュバックするほどトラウマになっている模様。
動物園で展覧会が開催されることになったためなかなか言い出せずにいたが牧村のおかげで気づいた洸人に謝罪されるも許し、兄だけでなくライオンも誘って3人で動物園に行くことに。その際、展覧会のライブペイントにて直前になって同僚の小野寺が腹痛でダウンしていることにトイレで気づき、彼に代わってライブペイントを担当。途中、ハウリングのせいでパニックになるが、ライオンと洸人のおかげで落ち着きを取り戻し、ライブペイントを成功させた。
ライオンが母・愛生を喪ったことを知り熱を出して寝込んだ際には彼の心中を察して何とか元気づけようと考え、誕生日パーティーを企画。見事成功し、ライオンを喜ばせることができた。
その後、エッセイの挿絵の依頼を受けるために東京出張に行くことになったが、荷物の準備を前日にしておらず当日ギリギリになって洸人とともに慌てて準備して何とか間に合った。その後、兄が居ない中何とか一泊できたようである。
洸人がライオンと共に姉と会うことになった際には、幼少期の経験から怖がっており会おうとしなかった。
その後、ライオンを守るために洸人と共に彼を守る決意を固め、「3人で笑って過ごす」ことを約束した。
洸人から旅行に行こうと提案された際には「仕事に行きたい」と拒否したが、洸人の根気強い説得により「3人で旅行行きます」と了承してくれた。
旅行中も洸人から話を聞く形で状況はある程度理解しており、愛生が佐渡島に来ることも知った上でライオンには黙っていた。
だが、愛生に対しては幼少期の姉の姿と現在の母としての姿のギャップでなかなか呑み込めないでいたが、絵を褒められたことで彼女を受け入れた。
しかし、姉が柚留木の指示とはいえ急にライオンと2人で島を出ようとしていることを知り、ショックを受けていたが徐々にその現実を受け入れていった。しかし、突如2人が島を出ていったことで精神的ショックから絵が描けなくなってしまう。
しかし、兄が「ライオンはもう帰って来れないかもしれない」と吐露しながら泣き出す姿を見て再び絵を描く決心を固めた。
そして、少しでも自立するためにアート事務所のアパートメント設立に伴う試験運用に参加することとなった。
そこで相部屋となった小野寺から「誰しもいつか一人になる」と言われたことで「3人でずっと一緒に暮らす」という自身の想いに揺らぎが生じる。
そして、洸人が何も言わずに出ていったことで「僕がめんどくさくなったから家を出た」「僕が嫌いになったから家を出たんじゃないか」と思い込んでしまう。
その後、洸人が帰宅したため理由やこれからと一緒にいるかどうか聞こうとするが、「大丈夫だから」と返されただけだった。
その後、兄から自身への想いを直接伝えられたことで、以前から依頼されていた堤防アートを描き足し、洸人、ライオンと3人で共同で完成させた。
兄が挑戦する姿を見た事で自分も自立する決意を固め正式に事務所のアパートメントに住む決意を固めた。
- ライオン/橘愁人(演:佐藤大空)
謎の少年。名前も家も分からず、その素性一切が不明。本人は「ライオン」と名乗っている。常にライオンのぬいぐるみを抱えている。
洸人に引き取られ、洸人、美路人との3人での奇妙な共同生活が始まる。
好物はマヨネーズでカレーにも食パンにもちゃんぽんにもハンバーグにもかける(所謂マヨラー)
身体にアザがあり、洸人は「児童虐待」だと疑っているが、本人は強く否定している。また、洸人はライオンの携帯に届いたメッセージから姉・愛生の子供ではないかと推測している。とはいえ、本人は「親は居ない」と言っていた。
「橘愁人」という少年が母・愛生と共に行方不明となっており、洸人はニュースを見た後試しに呼んでみたところ反応していたが、直後に否定している。しかし、後に母親からの言いつけを守って否定していたことが判明したため、彼こそ橘愁人であることが判明。
最初の邂逅から数日後、洸人と美路人と図書館に出かけたが洸人がXと会う約束をしたため美路人と2人で過ごすことになったが、美路人から「ライオンのお母さん、死んだの?」と聞かれたため「死んでない!」と返した。それを機に不信感を募らせ彼の言うことを聞かずにパニックにさせてしまう。その後、時間通りバスに乗ろうとした美路人が目を逸らした隙に落としたぬいぐるみを探しに行ったためはぐれてしまう。
しかし、Xがぬいぐるみに仕込んでいた盗聴器とGPSにより居場所を特定して洸人に写真を送ったことで無事に再会した。
母・愛生と思われる遺体が発見されたことでショックを受けて熱を出してしまう。
その後、病院で解熱剤を出してもらったことで容態は安定。サプライズで誕生日パーティーを開いてもらったことで徐々に元気になり、更にニュースで報道された遺体がDNA鑑定により母親ではなく別の女性だったことが判明したため、いつも通りに戻った。
後にぬいぐるみの中から「ママとのやくそく」と書かれたメモを洸人が発見。そこには「ひろととみちとがくるまでげんかんのまえにいること」「こまったらトイレにいくこと」「いっしょにくらしたいとおねがいすること」「おとうさんとおかあさんのことをきかれたら"知らない"ということ」といった約束が書かれており、その通りライオンが行動していたことが判明した。
その後、千葉マジカル遊園地で母親と久しぶりに再会できることになり、無事母親を見つけることができ抱きしめようと向かっていったものの、居場所を特定していた警察が母親を窃盗罪で逮捕。自身も変装していた牧村に保護され洸人に戻された。警察に連行されていく母親の姿を見て、「ママをどこに連れていくんだよ!」「マーマーー!!」とひたすら叫んでいた。
そのショックを引きずっており終始暗い顔をしていた。また、牧村にも怯えていたが、彼女が謝ったことで許している。
その後、洸人、美路人と「3人で笑って暮らすこと」を新たに約束ノートに加え、いつも通りの元気な姿に戻った。
また、世間の目から身を隠すため牧村が買った服やサングラス、メガネ等を貰っており、イメチェンとしておかっぱ頭になっている。
その後、3人で佐渡島に旅行に行きBBQやフェリーなどを満喫し終始ご満悦だった。その最中、釈放された母親と再会を果たした。
兄弟と母親との4人で楽しいひと時を過ごしていたが、樺島の手で連れ去られ、祥吾の元へ戻ってしまう。
その後、嘗てのように3人で過ごしていたが、ある日祥吾に無理やり彼の実家が嘗てあった場所へ連れていかれ、拒否したものの強引に手を引かれていた。そこに洸人が乱入したことで間一髪救われた。
その後、洸人と美路人、愛生とともに4人でつかの間の時間を過ごした後、新たな旅立ちを迎える二人を応援した。
周辺人物
- 牧村美央(演:齋藤飛鳥)
浦尾市役所で子ども支援課を担当する洸人の職場の後輩。元保育士。5人兄妹の大家族で育った。
ライオンが育児放棄されていることに勘づいており、洸人から事情を聞き、彼の姉の子供(甥)ではないかという彼の推測を知り納得。彼をXから指定された堤防まで車で送り届けることにした。
その後、浦尾北警察署から美路人を保護したとの連絡を洸人が受けたため、彼を警察署まで送り届けた。
帰宅後、牧村の車の後をつけたXと接触しており、彼から内通者として洸人達の様子を監視するよう頼まれ、その役目を担うことになる。
当初は仕方なく言うことを聞き連絡を取っていたものの、次第に罪悪感が芽生えたのか「もうやめてください」と忠告した。しかし、逆に「また、"見殺し"にするんですか?」と返され、またXからあることを頼まれていた。
その結果、従わざるを得なくなりライオン(愁人)と愛生の感動の再会に水を差す形で変装した状態でライオンを保護した。しかし、洸人にバレてしまい理由を聞かれたため「ごめんなさいっ!」とだけ返して逃げるように去っていった。
その後、洸人が自宅を訪ねるものの、「私からは話せない」とだけ返して扉を閉めた。
その後、自ら過去を告白。保育士時代にある園児の身体の痣に気づき親や園に相談したものの状況は好転しなかった上、後に亡くなったことを知り、「私があの時勇気を持っていれば…。」と自責の念に駆られていた。
X…もとい柚留木からの頼みも弱みを握られていたことの他に「ライオンを救うことであの子への償いができるのではないか」という一縷の望みで従っていたことを洸人に明かしたが、結局それが無意味であることを自覚し更に後悔したことを吐露している。
小森家に関するスクープ記事が出た際には、謝罪のために待ち伏せしていた工藤を叱責した。
その後、佐渡島から帰ってきた洸人から事情を聞き、愛生とライオンのためにできる支援措置を洸人とともに探していた。
- 高田快児(演:柿澤勇人)
刑事。山梨で起きた親子失踪事件を捜査する。工藤と接触した際にオススメの店はないかと尋ねられ、紹介したのはいいもののそのままその場の空気に流され、2軒目のカラオケで酔っ払った姿を撮影されてしまい、その醜態をゆすりに使われてしまう。
その結果、泣く泣く彼女に従うしかなくなり示談と証拠不十分で釈放となった愛生の逃亡を手助けした。
しかし、その件を警視庁の人間や上司にしこたま怒られてしまい、カラオケスナック「かすみ」でストレス発散していた。
その後、樺島の情報を工藤に提供した。(もちろん身内には内緒。)
その責任を負うため、樺島に襲われていた工藤を救い現行犯で逮捕した。
その後、柚留木からの通報を受けて愛生の監禁・暴行被害を知り、犯人である祥吾の行方を追うよう仲間に指示を出した。
- 須賀野かすみ(演:入山法子)
山梨のカラオケスナック「かすみ」のママで、地元の情報屋。天音の行きつけ兼ネタ取り屋。
天音が開店前から来店することについて不満を愚痴っていた。
- 貞本洋太(演:岡崎体育)
浦尾市役所で社会福祉課を担当する洸人の職場の同僚。既婚者で結婚10年目を迎えている。
ライオンが熱を出したため欠勤の連絡を洸人がしてきた際に、ライオンの存在を知ることになる。最初は彼の隠し子と思っていたが、後に牧村から親戚の子(甥)を預かっている旨を聞き、安堵した。後に愁人を預かる経緯についても知ったことで小森家を守るために親戚が所有する佐渡島にある別荘を貸そうと提案する。
- 工藤楓(演:桜井ユキ)
洸人たちの周りを嗅ぎ回る週刊誌の記者。元大手新聞社の記者。朝はガッツリ食べる派。
吃音の兄がいる。その兄がいじめを受けていたため学校に訴えたもののろくに対応してくれなかったため、いじめの現場を盗撮し集会の最中生徒や教師の前でゲリラ的に暴露したことで終息。それを機に記者を目指すようになった。
記者になった後も障害者家族の支援のため特集記事を出しており、美路人の自閉症も見抜いている。
洸人とは「たちばな都市建設」のリニアモーターカー建設に関する住民説明会にて記者と勘違いして接触する。その後、記者という身分が嘘だったことと洸人が愛生の弟であることを見抜いた。
その後、愛生の目撃情報を入手しそれを元に追跡したところキャバクラでバーテンダーとして勤務する彼女の姿をスクープすることに成功した。
また、ライオンが愁人であることも見抜いており、小森兄弟と一緒に千葉マジカル遊園地に行こうとしている姿をスクープすることにも成功した。
その件を洸人本人に突きつけたものの、牧村の機転で巻かれてしまう。だが、牧村が遊園地に居たこともしっかりスクープしていた。
その後、小森宅に訪問し、ライオン=愁人についての真実を追及しようとしたが、洸人から「記事にしないでください」と頼まれたことで引き下がった。
しかし、天音が田島に唆される形で勝手にスクープ記事を出したため、「その記事がどこに、どんな影響を与えるのか、考えたのかって聞いてんだよ!」と憤慨して問い詰めた。直後、洸人に謝罪するため電話したものの、文責が天音と工藤の連名だったため信用して貰えず着信拒否された。
その後、謝罪しようと市役所に向かったものの鉢合わせた牧村からも叱責された上、柚留木に全ての真相を打ち明けられたことで元々週刊誌のやり方が合わなかったため辞職。佐渡島を訪れ、洸人に謝罪。愛生と面会できるようになったことを伝えた。
その後、高田からの情報提供を受けて樺島と接触・取材したが、その途中に襲われてしまう。しかし、高田が制止したことで救われた。
その後、盗聴器とGPSからの情報を頼りにライオンのもとに行こうとする洸人を車に同乗させた。
記者。工藤の後輩。週刊誌に就職して日が浅い新人。カラオケスナック「かすみ」でネタ取りしている。
基本的には楓のパシリとしてこき使われており、彼女の命令でスクープ写真を撮ったり車を運転したりしている。
工藤がせっかく掴んだスクープを記事にしないことに不満を感じており、田島に唆される形でスクープ記事を出したものの、工藤からはろくに考えもせずに記事を出した件を叱責された。
その後、工藤が辞職したことで自分のせいだと思い詰めるようになるが、かすみから励まされた。
その事で奮起し、今度は亀ヶ谷議員と「たちばな都市建設」の癒着の証拠を掴み、工藤から褒められたことで名誉挽回に成功した。
- 田島秀孝(演:池田鉄洋)
編集長。工藤に振り回されっぱなしでろくに相手をしてもらえない。
自社のためなら他人のプライバシーすらどうでもいいと捉える利益至上主義者であり、天音に対し「この世界は早い者勝ち」と唆してスクープ記事を出させた。
しかし、その勝手な行動が工藤の怒りを買ったことでビビり散らかし「パワハラ!それパワハラ!」と制止していた。
工藤が退職した後には未練がましく彼女を呼び戻そうとしていたが、天音のせいで失敗に終わった。
美路人が働くアート会社のデザイナー兼CEO。美路人の才能を高く買っている。
- 小野寺武宏(演:森優作)
美路人と同じ会社で働く同僚で自閉スペクトラム症のアーティスト。弟がいるが、小森家と対照的に関係は疎遠。
動物園でのライブペイントを担当することになっていたが、腹痛によりダウンしてしまい、美路人にその役目を託した。
アート会社のアパートメント設立のための試験運用では美路人と相部屋になり、自立に悩む彼に「誰しもいつか一人になる」とアドバイスした。
- X/柚留木(演:岡山天音)
洸人たちの行動を常に監視している謎の青年。全身白の服装を身にまとっている。行方不明となった橘愛生との関係性は不明だったが後に依頼人だったことが判明。ライオンを洸人達に託し、ライオンの携帯電話から「じゃあ、あとはよろしく」とメッセージを送った。
その後、連絡してきた洸人に対して「ソフトクリーム 鐘の鳴る広場」とだけ指定。その結果、洸人は「ことぶきタウンモール」に行ったものの、洸人が偶然牧村と会ったため場所を堤防に変更。
しかし、洸人が浦尾北警察署から美路人を保護したとの連絡を受け警察署に向かったため牧村の車の後をつけた。ライオンのぬいぐるみに付けた盗聴器とGPSを頼りに居場所を特定しつつ彼女と接触。彼女に洸人達の監視を頼んだ。
また、愛生に対して工藤が所在を掴みスクープ記事を書いたことを察知して彼女に知らせ、別の場所へ逃亡する手助けをしていた。しかし、連絡手段である携帯電話を愛生から奪われてしまう。
更に、連絡を止めるように忠告してきた牧村に対して「また、"見殺し"にするんですか?」と問い詰めており、彼女の過去についても知っている模様。
愛生から契約破棄を言い渡された際には、携帯電話を返されたこともありあっさり了承した。
とはいえ、そう簡単に引き下がれるはずもなく警察に愛生を窃盗罪で逮捕させるよう居場所をリークしたと思われ、弱みを握ってゆすった牧村にライオンの保護を事前に依頼していた。
その後、洸人を堤防に呼び出し車の中で全ての真相を打ち明けた。
真実を打ち明けた後は、愛生のみならず洸人たちも支援しており、天音のスクープ記事により帰れる状況ではなくなった彼らにしばらく別荘に滞在するよう指示した。また、工藤と接触し彼女にも全てを打ち明けた。
その後、工藤と高田の手引きで釈放後に祥吾の目を避けながら逃げ出した愛生を保護し、愁人のところへ送った。
その後、再度2人の身を隠す準備が整ったのか、2人を島から出そうとフェリーのチケットを手配した。
しかし、その直前で祥吾の部下・樺島の手で愁人と愛生が連れ去られてしまい、直江津港で食い止めようとするが、樺島の気迫によりPTSDで過去に父親から受けていたDVの過去がフラッシュバックしてしまい、精神状態が不安定となり奪還に失敗してしまう。
その後、洸人と合流し愛生とライオンを奪還するために橘家に向かうが、祥吾が在宅していたため失敗に終わってしまい、苛立ちを抱えたまま車のクラクションを鳴らしていた。
その後、盗聴器とGPSの情報を手がかりに洸人にライオンたちの行方を追ってもらい、自身は愛生の行方を探るため橘家へ不法侵入し彼女を救った。
その後、連絡を断ち音信不通となるが、工藤が彼の過去を独自に調べ上げたところ、父親のDVから逃れるため彼も愛生・愁人母子と同じように母親と共に家出し、シェルター等を転々としていたことが判明。母親は精神疾患と疲労により学生時代に亡くなった。2人を助けようと支援したもの自身の境遇を踏まえた上での行動だった。
その後、愛生と再会。様々なことを聞かれ、「何で白の服装なの?」と聞かれた際には「母が黒い服を怖がっていた(=夫を思い出してしまう)」ためと答えた。
彼女からエールを貰ったことで新たな再スタートを切りこれまでのケジメをつけるために警察に出頭した。
拘留中、差出人不明の差し入れを送られていた。
- 吉見寅吉(演:でんでん)
小森兄弟を暖かく見守る元定食屋「とら亭」の店主。3年前に足を痛めて店を畳んだが、兄弟のためだけに月曜日、水曜日、金曜日にちゃんぽんをふるまっている。ちゃんぽんの他にもハンバーグや生姜焼き、ケーキなどなんでも作れる。
また、仕事中の小森兄弟に代わってライオンの面倒を見ている。
ただ、足のみならず腰にも限界が来ており、ぎっくり腰でしばらく満足に動けなくなった。
それを機に後継者を考えるようになり、ちょうど就活に苦戦していた愛生に「働かないか?」と誘ったところ了承してもらった。
- 橘祥吾(演:向井理)
山梨県で建築会社を経営している橘家の次男で建築会社「たちばな都市建設」に勤務。橘家には養子に入っているため血縁上の繋がりはない。元々、橘家の長男・春一の病気により後継者とされていたが、春一の病気が根治し問題なく彼が後継者となったためお払い箱同然の扱いを受けている。
行方不明になった愛生と愁人を探している。
洸人は事情説明とライオン=愁人と愛生に関する情報を聞き出すために住民説明会後に話を聞こうとするが、秘書に突き返されてしまう。その後、キャバクラの常連であることが判明。その顔は行方不明の妻子を探そうとしている夫の顔ではなく不敵な笑みを浮かべていた。
後にX…もとい柚留木の口から彼が愛生と愁人に対してDVを行っていたことが判明。実際、愛生の回想でも愁人を部屋に連れていき暴行を加える様子が描写されていた。
愛生の逮捕と彼女の供述内容を知ったことで彼女の供述を「愛生が愁人を殺すはずがない」と否定、どんな手段を使ってでも探し出す決意を固め、これまでプライバシー保護の観点から避けていた愁人の写真を公開し世間を味方につけて堂々と探すことにした。
その後、タンスの中から洸人と美路人の写真を見つけ、妻に裏切られたことに対する怒りをぶつけていた。
そして、部下を使って二人の身元と居場所を特定しようと暗躍し始め、部下のおかげで小森家の場所を特定。小森家を訪問しようとするものの旅行中のため留守で会えずじまいだった。しかし、出発直前にライオンがリュックから落としてしまっていたストラップを拾っており、息子がいることを確信した。
その後、天音のスクープ記事でその信憑性が担保されたことで怒りのあまりストラップを強く握りしめていた。
愛生の釈放を聞き迎えに行こうとするが、工藤と高田の手引きで別ルートから逃げられており、苦悶の表情を浮かべていた。
その後、天音の取材で亀ヶ谷議員と「たちばな都市建設」の周囲で起こる失踪事件が浮上し、祥吾の関与も疑われている。
その後、樺島の調査で2人が佐渡島にいることが判明。樺島に頼んで2人を連れて帰らせ、愛生と離婚に向けた話し合いを進めていた。その最中、これまでの件を謝罪していたが、「最後に家族と過ごす時間が欲しい」という理由で離婚届を出すまでは一緒に暮らしてほしいと頼んだ。
その後、家族3人で昔出かけたことがある公園へ行ったものの、愁人が洸人と美路人の話をし始めたため、なんとも言えない複雑な表情を浮かべていた。
その結果、今度は離婚する代わりに愁人の親権を譲るよう迫った。愛生はもちろん拒否するも、「僕はずっと独りだったんだ。弟たちがいる君と違って、血の繋がった家族は愁人しかいない。」と自らのコンプレックスを吐露し、それでも拒否しようとした愛生に対して「愁人を置いて行くなら離婚する。でも、それを断るのなら離婚させない。」と脅迫した。
その後、愛生とライオンを奪還しようとした洸人と鉢合わせてしまい、彼からの説得を受けるが、彼の言葉が癪に障ってしまい冷徹に彼を追い払った。
しかし、樺島の逮捕を受け春一から叱責された挙句縁を切られ、亀ヶ谷議員からも「君は色々と知りすぎた」と一方的に突き放されてしまい、関係を絶たれた。
その結果、思い通りにいかない苛立ちを愁人にもぶつけるなど徐々に精神状態が不安定となる。
また、愛生を監禁していたことも判明し警察からも監禁と暴行の容疑でマークされている。
あとが無くなった彼は息子を連れて自身の実家があった場所に行こうとするが、愁人が拒否したため強引に連れていこうとするがそこに間一髪洸人が乱入したことで取っ組み合いの喧嘩になる。しかし、「他人のためと言いながら結局は自分のためだったんじゃないですか?」と指摘されたことで言い返せずパトカーのサイレンも聞こえたことで八方塞がりになったと悟ったのか放心状態となり、大人しく警察に逮捕された。
その後、裁判で懲役3年の判決が下された。
- 樺島龍太郎(演:後藤剛範)
祥吾の部下。祥吾の望むことのためならどんな汚い仕事も請け負う。警察では亀ヶ谷の秘書を殺害した容疑者としてマークされている。
佐渡島に居た愛生と愁人を連れ去り(一応、祥吾からの伝言として「離婚の手続きに向けた話し合いをしたい」旨を2人に伝えている。)、直江津港で柚留木に道を阻まれるが、気迫で押し通しそのまま祥吾の元へ連れ帰った。
その後、亀ヶ谷議員の講演会に出席したが、工藤に止められ取材を頼まれたため、快く承諾。
しかし、松脇殺害の件を勘づかれたことで工藤を襲撃、殺そうとしたが、高田に止められ、暴行罪で現行犯逮捕された。
- 橘春一(演:黒田大輔)
たちばな都市建設代表取締役社長。祥吾の義兄。
社長の後を継ぐ予定であったが、元々病弱であったことから祥吾がその代わりとなった。だが、病状が回復したため、祥吾の跡継ぎ話は白紙となり予定通り社長となった。
義弟であるにもかかわらず祥吾を厄介者扱いしており、体良く縁を切る機会をうかがっていたところ樺島が逮捕されたことで一方的に「お前は俺が会社を継いだ後に縁を切るべきだった」と言い残し絶縁を宣言した。
洸人と美路人の異母姉。関西出身なのか常に関西弁で喋っている。常に何かに苛立っており、「自由」を求めている。
洸人に対して「2人で何処か自由な場所に行こう」と誘うが、洸人が拒否したため、「じゃあ、あとはよろしく」と言い残し一人でどこかへ行ってしまった。
その後、経緯は不明だが、祥吾と結婚。愁人=ライオンを授かり出産した。結婚に際して、久しぶりに小森家を訪れており、母親に結婚の報告をした。
しかし、ある時を境に家を出ていき自ら山梨県那須村笛乃川に飛び込み生死不明となったと報道された。愁人の保育園では不倫の噂が広まっており、パート先でも突然辞めたっきり連絡もつかないという。
後に血痕の付いた衣服が発見されており、彼女らしき遺体も発見された。
しかし、新宿での目撃情報や遺体のDNA鑑定の結果が一致せず別の女性だったことが判明したことから、どこかで生きていると思われる。
何処かのキャバクラでバーテンダーとして勤務していたが、工藤に所在がバレて特定されてしまい、Xの命令で別の場所へ逃げることになった。
その後も潜伏先に警察が来たためXの命令で再び逃亡を図るも彼のポケットから携帯電話を奪って逃走した。
その後、漫画喫茶でXから奪った携帯電話からぬいぐるみの盗聴器を介して愁人の声が聞こえたことで「愁人に会いたい」という気持ちが強くなり、洸人に翌日の12時に千葉マジカル遊園地でライオンと一緒に来てほしいと頼んだ。
翌日、指定の時間と場所に来たもののライオンと再会し抱き合おうとした土壇場で居場所を特定していた警察に包囲され窃盗罪で逮捕された。逮捕後、警察の取り調べに対して「私が息子を殺しました。」と供述しているが、愁人=ライオンは生きているため何らかの理由がある模様。
後にX…もとい柚留木から目的が【夫・祥吾のDVから逃れるため偽装死で存在を消し、新たな人生を歩む】ことだったことが語られた。
その後、窃盗の件も息子殺しの証言も示談と証拠不十分により不起訴となり釈放されることになり、高田と工藤の手引きで祥吾の目を避けて柚留木と再会し、弟たちと息子と久方ぶりの再会を果たすことになる。
その後、美路人と愁人が寝静まった後洸人に真相を明かしており、「警察、児童相談所、シェルター…。色々考えたけど、私の行動が全部夫に見透かされている気がする」と思ったことで柚留木に辿り着いたとのこと。
しかし、洸人からは幼少期に勝手に出ていった件や息子を自分たちに預けた件も含めて「自分勝手」と指摘され、ただ黙ることしかできなかった。
その後、柚留木の指示で息子と2人で島を出ることを洸人に伝えたが、またしても「自分勝手」と批判された。
何とか2人に納得してもらうことはできたものの、樺島から祥吾の伝言を伝えられたことで何も伝えずに島を出てしまい、祥吾の元へ帰ることになる。頭の中では危険だとわかっていても、祥吾からの謝罪と「家族と過ごす最後の時間が欲しい」と頼まれたためひとまず一緒に暮らすことになる。
何とか離婚届を書き終え、市役所に出そうとするが祥吾に制止され、愁人の親権を渡すよう要求された。もちろん拒否したが、祥吾からは「愁人を置いていくなら離婚する。それを断るなら離婚させない。」と脅迫されてしまった。
その後、何故か自宅の一室に監禁されており、柚留木が窓を割って侵入したことで救出され、病院に搬送された。
その後、入院中に工藤から柚留木の過去を聞いていたこともあり退院後に彼と再会。自身が小森家にしばらく身を寄せることを伝え、「いつでも"帰って"来ていいからね」と孤独な彼の心に寄り添った。
その後、家計を支えるために就職する決意を固めたものの、上述の騒動故にそう簡単にいかず就活に苦戦していたところ、寅吉から「うちで働かないか?」と誘われ快く了承した。
また、自身の将来に悩む洸人に対して自身が洸人から教わったように「想いは言葉にしなきゃ伝わらない」とアドバイスした。
- 亀ヶ谷史郎(演:岩谷健司)
甲府駅前で辻立ち演説する栄明党の議員。楓たちが6股の不倫疑惑を追っている。リニアの工事に便乗して裏で派手に地上げをしており、周囲ではリニア関連事業の関係者が数人失踪している。
後に楓たちの取材で7股であることが判明する。さらに笛乃川で発見された女性の遺体が元秘書の松脇奈美子であり、関係業者の失踪が亀ヶ谷とたちばな都市建設によって仕組まれていたものだと疑って調べを進めており、それがバレて殺されたという。
余談
作中で登場する絵は福岡県太宰府市在住の自閉症の画家・太田宏介氏が制作したもの。彼にも兄の信介氏がおり、小森兄弟と共通している。