破滅の光
はめつのひかり
遊戯王GXの世界観(つまり初代「遊戯王DM」および次作「遊戯王5D's」)に存在する概念。
闇に満たされた宇宙において、命を抱き育む「優しき闇」と戦い続けている、万物を破壊と消滅に導く方向性の表れである。
このため、正しき闇の勢力であるネオスペーシアンとは対立関係にある。
「光の波動」として10年前に地球に降り注ぎ、多くの人々やカードの精霊に取り付いては全てを破滅させようと暗躍していた。
この影響を受けた人物は思考が歪められ、全てを光で満たし消し去ることが至高の行いであるという価値観に支配される。また、斎王は破滅の光の意志総体に完全に肉体を乗っ取られていた。
ペガサスが語ったところでは数億年前にホワイトホールから出現したエネルギーであり、地球史においても著名な人物に負の影響を与え、数々の悲惨な戦争・紛争を引き起こしたとされる。
斎王の敗北による光の結社の壊滅に伴い、地球での手駒を失ったことで宇宙へ逃走した。
しかし、これ以前に光の波動を受けていたユベルが既に動き出しており、体を失う苦痛から逃れようとする逃避本能と十代への思慕が歪められた結果、全ての宇宙を自身の「愛」で満たし統一するという、破滅の光とほぼ同じ行動原理に支配されてしまっていた。
最終的に破滅の光がどうなったのかは不明だが、恐らく十代と正気に戻ったユベルのタッグによって滅ぼされたと思われる。
続編にしてDM世界における最後の戦いを描く5D'sでは破滅の光のことは全く語られていないが、斎王が登場予定だったDMとGXのクロスオーバー映画の構想を踏まえると、イリアステルの歴史介入が失敗した理由が少し見えて来る。
パラドックスは「時を超えた絆」においてDM時代の童美野町に現れ、ペガサスを抹殺することでデュエルモンスターズそのものを抹消しようと試みたが、仮にこれが上手くいっていた場合、シンクロ召喚が遠因となるモーメントの逆回転=世界規模のゼロ・リバースは防がれるものの、それ以前に「GX」の時代において破滅の光と戦う手段がなくなり世界が滅亡していた可能性が非常に高い。
破滅の光の意志は斎王からオージーンを通じて衛星兵器「ソーラ」を掌握し、地上全土を焼き尽くすことで破滅をもたらそうとしていたため、デュエルモンスターズという「人間が人知を超えた存在に対抗するため、同じ土俵に上がる手段」がないのであれば、それを止めることはできない。
イリアステルのいた未来は当然ながらGXにおいて十代が光の結社を止め、ユベルと共に破滅の光を滅ぼしたことで成り立っているため、それを否定しようとした時点で親殺しのパラドックスが発生し、敗北が必然となった……というロジックが成立するのである。