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神武景気

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じんむけいき

神武景気とは、高度経済成長期の幕開けとなった、1954年に始まる大型の好景気のこと。

概要

1954年12月から57年6月まで31ヵ月間続いた民間設備投資ブームによる第2循環の景気拡大局面の俗称。岩戸景気に次いで第4位の長さを誇る。日本国始まって以来 (神武天皇以来)の好景気ということから、神武景気と命名された。海外経済の好調による輸出の拡大、物価の安定,金融緩和という好条件による数量景気が出現した。日本経済は,神武景気以降高度経済軌道に乗ったということができ,経済活動が戦前の水準を超えたことから,56年版の『経済白書』では「もはや戦後ではない」という記述がなされた。第三循環の拡張期に当たる。

同年10月スエズ戦争(第二次中東戦争)が勃発して国際商品相場と海上運賃が高騰、在庫投資による銑鉄、鋼材の思惑的輸入が増大し、56年度の民間企業設備投資は名目で58%、実質で39%と、戦後最高の伸びを示した。

この景気は、「三種の神器」といわれた白黒テレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫の家庭電化ブームの端緒を開き、大衆消費社会形成の糸口ともなった。だが、輸入急増によって外貨危機が生じ、57年2月ごろからの国際商品相場と海上運賃の反落もあって国際収支は一挙に悪化、57年後半から58年なかばにかけて「なべ底不況」が訪れた。

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