概要
生年月日、血液型:不明。
14人の男女が隔離された廃村に集められ、命をかけたバトルロイヤルに強制参加させる物語。参加者は全員学生かそれと同等の年齢の人物であり、ほぼ全ての人物が制服を身につけている。舞台となる世界は至って普通の現実世界であり、ファンタジー的な要素は存在しない。そんな舞台の中で唯一メイド服を身に纏って参上したプレイヤーが粕谷瞳である。
見た目通りのメイドを自称し、本編の主人公である藤田修平に仕えるメイドと名乗る。なぜメイドがこんなところに居て、なぜいきなり修平のメイドだと言い張るのか。それだけでも常識外のことではあるが、チェーンソーという重量武器を軽々と扱うことが出来るという、現実離れした身体能力も持っている。
どこをとってもゲームのイレギュラー的な要素に満ち溢れているが、それ故に彼女の存在がゲームに与える影響は非情に大きい。
容姿
藍色を基調としたエプロンドレスにヘッドドレスを身につけているところは普通のメイドだが、同時にチェーンソーを組み合わせて所持している。スカートのスリットからは黒いガーターベルトが覗ける。
髪は日本人離れした銀髪。また、左サイドの髪をおさげ状に結んでおり、長く伸ばした髪も同様に結んでいる。髪を結んでいるリボンはメイド服の色と同じである。
大人びた丁重な口調通りにかなりグラマーな体型をしているが、年齢は主人公たちとあまり変わらないらしい。
瞳の色は深紅色に満ちているが、戦闘時などは光薄れて狂喜に満ちたものに変わったりする。
性格
ご主人様とみなした修平だけのメイドであることを徹底し、その忠誠心溢れる態度はまさに生粋のメイド魂に満ちている。
だが、当然ながらごく普通の現実世界であり、かつ残虐なゲームの舞台にて出会うがためにその瞳の態度には周りが翻弄されてばかりである。
何者かと訊かれれば「通りすがりのメイド」を自称し、どうしてチェーンソーを武器にするのかと訊けば「メイドと言えばチェーンソー」と答えるなど、常人には理解出来ない思考回路の持ち主。
ただ武器や食料を提供する他に高い戦闘能力を持っており、主人扱いして仕えてくれる分には頼もしい味方と言えるかもしれない。
しかし、どんな過去を経てそうなったのか、人格が破綻したサイコパスな面があり、修平以外の全てのプレイヤーに災厄をもたらす大変危険な存在でもある。その気になれば難なく殺人を決行する恐ろしい一面も持っている。
いわゆる典型的なヤンデレであり、修平の幼馴染である吹石琴美を排除して栄養満点の美味しい挽肉にしようと考えたこともある。
戦闘能力
明らかに重量武器で戦闘には不利そうなものであるにもかかわらず、それを軽々と使いこなすどころか、相手の放った銃弾を避けることもできる。また、スタミナも高く、チェーンソーを持ちながら相手を追い続けることもできる。
仕掛けられた罠を見破ることも出来るので、ある意味本作最強の戦闘力を持つと言っても過言ではない。何よりも恐ろしいのは、主人としている修平以外へのプレイヤーに対する配慮は無く、殺人を犯すことに一切の躊躇いもない瞳の性格にあると言える。
余談だが、チェーンソーを使うメイドは瞳の他にも乃木坂春香の秘密に登場するメイド長の桜坂葉月がいるが、彼女はチェーンソーを『武器』として使うのに対し、こちらはチェーンソーを『凶器』として使っていると言える。
「瞳さんマジ冥途」
過去
ここから先はゲームのネタバレを含んでいますので、閲覧には十分注意して下さい。
まだ年も幼い頃の瞳は誘拐犯に連れ去られ、その人生の大半を薄暗い部屋に軟禁されて過ごしていた。部屋には瞳と同じ境遇を辿っていた子供たちが何人もいたという。
瞳は長期間に亘る性的暴行を受けただけでなく、脱走しようとした子供を殺すよう誘拐犯に強制もさせられていた。殺さなければ自分が殺される中、瞳は生き残るために多くの子供たちの命を犠牲にしなければならなかった。
想像を絶するほどの恐怖と絶望に苦しめられる中、やがて瞳は喜怒哀楽も薄れ、ただ残虐な誘拐犯に従う日々が続いていた。その後指名手配もされた誘拐犯は都心から遠く離れた別荘の方で自殺をし、瞳と生き残ったわずかな子供たちは地獄のような日々から解放された。しかし瞳を含む彼女たちの心 身は社会復帰が出来ないほどまでに虐げられてしまっていた。瞳のその人格が破綻した原因はこれに当たる。
夢も希望も無い地獄の日々の中、孤独に生き続けていた瞳は、誘拐犯に与えられた1冊の漫画を心の支えにしていた。それは「とある正義のヒーローが悪の組織を打ち倒すアクション漫画」というもの。そのヒーローには、巨大なチェーンソーを武器に戦うメイド衣装の従者がいた。長い旅路を乗り越え、2人は恋に落ちて強い絆を紡ぎ、最後に悪を打ち滅ぼす。
瞳はそんな2人の生き様に強い憧れを抱き、その従者になりきることで狂喜に追われる自我を繋ぎとめていた。
本の小口が黒く染まるくらい本を読み返して、セリフを一字一句暗記するまでに至ってから、瞳はようやくその地獄から解放されるようになった。
だが瞳は既に現実と空想の境界線が完全に崩れてしまっていた。瞳は漫画の世界の従者になりきり、自らが仕えるためのご主人様ともいえる存在を求めていた。
そんな中、ゲームの志願者によるデスゲームへの勧誘を受けた瞳は、理想のご主人様を求めてゲームに志願した。
このような経緯を辿って、瞳はゲーム本編に登場するようなメイドとして登場した。
その願望は些細なことかもしれないが、本当に自分の全てを捧げられるような素晴らしいご主人様と出会うことが瞳のかけがえの無い幸福の願いであり、それこそが崩壊しかかった自我を繋ぎとめる唯一の手段であった。
ただそうなりたいからという理由で常任離れした戦闘能力を手に入れられるはずがないので、チェーンソーを得物に銃弾を回避して戦えるほどの実力を得るまでに相当な努力を積み重ねてきたことが窺える。
瞳の過去が明らかになるときに、まるで瞳へ送るように切ない歌詞がつづられた哀しみ溢れる挿入歌が流れる。
関連
シークレットゲーム CODE:Revise メイド ヤンデレ
ヘンゼルとグレーテル(ブラックラグーン) - その悲惨な過去、それ故に歪んだ人格、常任離れした戦闘術、最後に辿った道などの共通点が多い。