はぁ〜……すぐにメス堕ちだの……分かってない
そうだよな、メス堕ちさせっなら段階を踏まないと。やっぱ純愛の果てがいい
いや、無理矢理のがいいだろ。今までの価値観を強引に変えられるんだよ
はぁ? いつまでも抵抗感がある方がいいに決まってんじゃねーか
お、俺はホモじゃねぇぞ……
ほら、ああして男の時の価値観をよ? 女の体も悪くないなってなるのがいいんだろ!
そうなるのは元々精神的ホモなんだよ!
それの何がダメなんだ、あぁ!?
待て待て、身体が女性ならもう、それは純愛だろ
そもそもTSした時点で男の価値観なんて必要ないんだよな。まぁそりゃいきなり俺口調が私に変わったらそれってもう別人じゃんってなるけど、とはいえいつまでも男引きずってたら……
はぁ!? 元々男なんだから死ぬまで心は男だろうが! だから、『良いん』だよ!
おらああぁ!
テメェ! この野郎!
コイツらバカなの?
待て待て! 落ち着いて下さい! メス堕ちするまでは男! 堕ちてからはベタベタな女の子! それで良いではありませんか!
『不死なるプレイヤーズギルド』第104話より (作品URL)
概要
精神的BLとは、大きく分けて2つの意味で使われてきた。
1. プラトニックな男性同士の親愛関係を、ボーイズラブ的な視点で捉えたもの。 類義語はブロマンス。
2. 男性キャラと、男性から女性にTS(性転換)したキャラの恋愛関係。 主にTSFジャンルで用いられる。
本記事では、2の意味の普及により1の意味はあまり使われなくなってきていることから、2の意味について解説する。
TSFファン内部での見解の対立
精神的BLという言葉には、TSFファンの中でもその定義や包括範囲の正当性、好悪についていくつかの見解の相違が存在する。
(※ この記事に記述されている事柄は記事製作者ならびに編集者の主観が入った見解であり、これがTSFジャンル全体の見解ではない)
1. TS娘が男性とくっつくのは精神的にBLだからダメだよ派
男性にはBLというジャンルに対して強い嫌悪感を持つ人も少なからずおり、その地続きとして男性向けTSF作品における男性×TS娘の恋愛を「元男と男が絡むのはBLである」とするTSFファンもいる。
1-1. NTRと同じく脳が破壊されるのでタグで警告して派
作品の途中でTS娘と男性が恋愛したとも受け取れる描写が加わり、かつ「精神的BL」タグがついていない場合、脳が破壊されるから棲み分けとして「精神的BL」タグを付けてほしいなどといった意見がある。
この場合における精神的BLには、TS娘と男の恋愛が描写されていない作品も含まれることがある。例としては、TS娘→男で家族愛等由来の恋愛感情ではない感情という場合である。
2. メス堕ちを経たTS娘と男性がくっつくのは身体的にも精神的に異性愛だよ派
このジャンルの愛好者の見解のひとつとして、一部の例外を除きそもそも精神的にも同性愛ではないし異性愛モノとして書かれているというものだ。
この立場は、作品や読み手によってなぜ異性愛なのかという論理は微妙に変わる。
ここでは一例を紹介する。
TSした時点で身体は女性的なものに変わっている。ただ男性として生きていた記憶があるだけに「オレは男だ」とそれを認めない。経験がないため男性の性的な視線にも気づかず距離感を近づけ過ぎてしまう。
そういった初期状態から、段々と女性としての経験を積む、あるいは男に襲われるといった事件によって強引に、男に恋に落ちた自分を認められるようになり、それと同時に「オレは男だ」とはもう言わなくなる。
これがいわゆるメス堕ちであり、その原因および結果として、異性愛としての男との恋愛があるのだ。
2-1. 異性愛なのだからBLというのは適切ではないよ派
異性愛派では筋を通すことを重視する方と分類できる。
しかし、愛好する作品を探すには「精神的BL」タグで検索するのが一番手軽という皮肉な事態に至った。今では次の実利を重視するタイプのファンの方が多くなってきている。
2-2. 精神的BLはBLではないがジャンル名としては認めるよ派
ジャンルを指す名前がなければ、その良さについて語り合うことも検索をかけることも難しい。
ゆえに「精神的BLタグつけてほしい」「精神的BLもっと増えろ」といった声は、この派閥であるTSFファン内部からも見られる。苦肉の選択として「精神的BL」と呼称しているとも言えるだろう。
なお、代替表現となりうるものとしてメス堕ちがあるが、これが使われだしたのは精神的BLという言葉が良くも悪くも定着してからである。また元々の意味である「快楽に溺れた結果」のニュアンスを感じる人や、男性との恋愛でない「精神女体化」のケースがあるとしてこれを避ける人もいる。
3. 精神的BLで何が悪い派
TS娘が「俺は男だ」と言いながら男性と恋愛関係になっても問題はないし、むしろその方が嬉しい、という派閥である。
3-1. 外見は女が好きだけど、精神は男が好きだよ派
身体的に女であれば恋愛対象になるよね、むしろ精神的に男同士の方が気楽で安心感があるよね、というTS娘よりもその相手である男に感情移入するタイプの見解だ。「男友達のような彼女が欲しい」という妄想の亜種といえるかもしれない。
3-2. BLとして精神的BLを読むよ派
僧侶枠でアニメ化された黒ギャルになったから親友としてみた。(アニメ公式)のように、BLとして書かれたTS娘と男性の恋愛もたまにある。可逆TS作品が多めなのもこの系統の精神的BLの特徴である。ここからわかるように腐女子・腐男子とTSFファンを兼ねる人もいる。なんだかんだいって隣接ジャンルなのは確かである。
関連タグ
TSF 性転換 メス堕ち ブロマンス TS百合 とせがら 薔薇で造った百合の造花 なんだァ?てめェ…… ボーイズラブ 同性愛 異性愛 棲み分け