概要
精神女性化とは女体化、入れ替わり、憑依など、肉体の変化に萌えを見出すTSFの中で、肉体と精神の両方の変化に着目した拡張ジャンルである。主にTSっ娘(男性から女性に性転換したキャラクター)が肉体だけでなく心まで女性になる意味で使用される。
詳細
ほとんどのTSF作品で、女性になった男性は肉体が女体になったところで仕草や言葉遣い、服装などは男時代のものが残っているのが定石である。これは見た目が大きく変化した人間を作品の受け手が「同一人物である」と簡単に認識するための仕組みでもある。
しかし精神女性化では、「男から女になる」という概念が及ぶ項目を肉体から拡張し、「仕草」「思考」「好み」「センス」「立場」時には「自意識」「記憶」までもを、創作者の思い描く「その男の女性バージョン」に自由に変化させる。したがって、現実改変や洗脳、女装、強制女装などの他ジャンルとの親和性が高いといえる。
定義
TSFジャンルの精神女性化
①女体化するのは前提として、そこからさらに精神が女性性を得る状態(「ONEPIECE」のエンポリオ女ホルモン、アニメ「らんま1/2」49話の乱馬/らんまなど)。言葉遣いが自然に女性的になり、男性時にはなかった恥じらいや臆病さ、美意識や可愛らしさへの憧れなどが表出するなど、時代によってある程度差こそあれど女性化した本人や創作者の「理想の女性像」が適用されることが多い。
②女体化した後、言動はほとんど男のままだが男性に性的な行為をされることで自らの女体の虜になったり、恋愛対象が男性になってしまう場合。一般作品には性的描写が伴うためなかなか見られないが、ネット小説や同人、エロ作品では圧倒的にこちらが主流であると考えられる。ある種の侮蔑語にあたる「メス堕ち(快楽堕ちのニュアンス)」と同義で語られるのはもっぱらこちらにあたるが、広義に捉えて軽い意味合いで用いられる「メス堕ち(女装がクセになるなどのニュアンス)」は①を含むこともよくある。
精神変化ジャンルの精神女性化(精神のみの女性化)
男性の肉体のまま、精神が突然変化して覇気がなくなったりなよなよとしてしまうなど、俗に言う「オカマ」になるような状態(ドラマ「西遊記(2006年)」第8回の孫悟空、「勇者ヨシヒコと魔王の城」第3話のダンジョーなど)。創作・同人界隈ではBL作品において僅かに見られる程度であるが、一般作品のコメディ要素、コントなどには比較的多く見られる。
注意点
精神男性化との使われ方の違い
精神男性化タグは「肉体的には女性のまま、心だけが男性的になってしまう」というシチュエーションで使われる。女性の登場人物もしくは版権キャラに男性の精神を付与し、言動ががさつになる、自らの身体に魅力を感じたり女性の見た目を利用して他の女性に襲いかかるなどの展開が主流だ。男性化とあるが定義的には精神変化系ジャンルに属し、男体化やTSF等の性転換ジャンルとは異なるジャンルに属する。以上のことから精神女性化とは異なる意味で使われるケースが多いため注意が必要である。
恋愛対象の変化について
精神女性化した結果、必ずしも男性を好きになるとは限らない。
セクシャルマイノリティへの配慮が叫ばれはじめた現代において、ひとことに「心が女になる」という表現だけでは個人の女性像に差異があるため解釈違いを起こしたり、誰かのアイデンティティを傷つける可能性があるので注意されたい。
もちろん男性を好きになっても全く問題はないのだが、男時代の自意識のまま女性を好きになってよいし、むしろ男性が苦手になってもよい。女性らしい衣服を着たくなっても、ならなくてもよい。現状はすべて精神女性化、ひいてはTSFの範囲内で解釈できることである。
「性」という概念に密接に結びついた創作ジャンルゆえに、「女装はTSFではない」「急に女々しくなるなんておかしい」「精神女性化なのに男と絡まないのか」「結局のところ全部ホモでは…？」などの個々の解釈違いはあっても、そのシチュエーションの供給を切に願っている方々のためにも極力寛大になり好きなシチュエーションを個々で愛することが望まれる。
関連タグ
TSF 性転換 女体化 性転換過程 TS百合 性別逆転 立場交換 女性化
TSF以外の関連ジャンル
