素性

すじょう

その者の血筋。または境遇。

その者の事情、辿ってきた経歴、本来の性質、状態。

素性法師（そせいほうし）

　平安時代前期から中期にかけての歌人・僧侶。

桓武天皇の曾孫で、僧正遍昭（良岑宗貞）の子。俗名は諸説あるが、一説に良岑玄利（よしみねのはるとし）。 三十六歌仙の一人。

父の遍昭と共に宮廷に近い僧侶として、和歌の道で活躍した人物。

古今和歌集では三十六首入集され、以降の勅撰和歌集にも多く入集されている。

藤原定家の小倉百人一首にも採られる。

後世の他撰ではあるが、家集に『素性集』がある。

• 今来むと 言ひしばかりに 長月の有明の月を 待ち出でつるかな

「今すぐにいくよ」とあなたが言ってきたのを真に受けて、九月の長い夜を待ち続けて、とうとう有明の月が出る明け方になってしまった

※ 長月… 陰暦の九月。晩秋で夜が長い。

※ 有明の月… 空に月が残ったまま夜が明けることで、その状態の月のこと。