概要
煌帝国二代目皇帝で、初代皇帝の練白徳の弟。
練紅炎、練紅明、練紅覇、練紅玉らの実父で、練白瑛、練白龍姉弟の叔父にして義父。
容姿は長い髭を生やした肥満体の男性で、若い頃は今より瘦せており息子の紅炎に似ていた。
元々、絶大なカリスマと実力で国を築いた兄の白徳の事を疎んでいたらしく、当時彼の妻だった練玉艶率いるアル・サーメンと手を組んで白徳らを暗殺させ、王位を簒奪して煌帝国皇帝の座に就いた。そして玉艶を自身の妻にしてアル・サーメンの支援も受けて絶大な権力を手にした。
その為に、白龍からは玉艶らと並んで復讐対象として見られている。
性格は愚昧そのものであるらしく、玉艶やアル・サーメンの良いように操られながら権力を貪っているだけの人物であり、アル・サーメンからは付け入り易い相手として見られている。権力欲だけでなく女性にもだらしなく、皇帝なので妻が多いのは珍しくはないのだが、紅玉の母親のように遊女などの身分の低い女性にも手を出しており、かなり節操のない好色家である事が窺える(紅覇の過去編の回想でも、遊女と思われる女性を複数人はべらせている描写がある)。
さらに心の病を患った紅覇の母親を幼い紅覇共々捨てており(彼女が心の病を患った原因もそもそもコイツにあった可能性が高い)、人としても親としても皇帝としても非常に問題の多い人物である。
このような人物なので、当然ながら皇帝ではあるものの実際の人望はほぼ皆無に等しく、白龍は影では「俗物」と呼んで上記の通り復讐対象として見ていた他、紅覇も自分と母を捨てた件で内心では激しく憎悪しており、ジュダルも「ブタ野郎」と吐き捨てて露骨に見下している。
さらに紅炎と紅明も、実は彼ではなく白徳の事を父も同然に慕っており、最初から白徳の遺志を継いで活動していた。特に紅炎は内心では白徳の息子として生まれたかったと思っていた程で、そんな彼等としても実父の紅徳は、アル・サーメンとまとめていずれ排除すべき対象でしかなかったと思われる(紅炎らの世界統一の目的を考えても、紅徳もアル・サーメンも邪魔でしかない)。
作中では、殆ど各キャラの回想や台詞等で登場するのみで、マグノシュタット編の初め頃に突如急逝して退場する。死因は表向きは病気の悪化とされているが、実際は玉艶とアル・サーメンによって用済みとして暗殺されたらしく、何をされたかは不明だが亡骸は全身をイボに覆われた悍ましい姿に変わり果てていた。
そして彼の遺書(十中八九アル・サーメンがでっち上げたもの)によって、玉艶が第三代臨時皇帝に選ばれて煌帝国の実権を直接掌握し、いよいよアル・サーメンは歴史の表舞台で活動を始める事となった。