「あなた達の存在を、この宇宙から抹消してあげます…!!」
概要
「攻撃とは、こうするものです」
ネオ・グランゾン最大最強の火力を誇る最終兵器であり、スパロボ史上最凶の攻撃の一角に君臨する恐るべき威力を持つ。
簡潔にいうと「超新星爆発をぶちかます」というトンデモない武器で、SFC時代からPS時代までに登場した際には攻撃力18000という規格外過ぎる性能(ラスボスや自軍トップクラスの機体が持つ武器の攻撃力が6000前後。これでも一部のボスユニット以外は一撃で倒せてしまうくらいに強い)を持っていた。さらにMAP兵器版は射程範囲50というどうやっても逃げられない、これまたチート過ぎる性能でプレイヤーたちを恐怖のどん底へと突き落とし、いうまでもなくみんなのトラウマとなった。
EXでは裏技としてネオ・グランゾンが使用可能になり、当然この技も使用可能。この技が猛威を振るった…訳ではなかった。
攻撃力18000は変わらないのだが、当時の仕様ではダメージの最大値が9999だった為、HPが10000以上の敵はどうあがいても一撃で倒せなかった(一応、第4次では最大で65535まで上限が上がったが…)。
魔装機神ではネオ・グランゾンがルート次第で味方として使用可能になり、ダメージ上限も取っ払われたので今度こそ猛威を振るった…と思いきや
実質使えるのは2話であり、さらにラスボスにはこの武器ではなく、これより弱いブラックホールクラスターを最初にぶち当ててバリアを解除しないと他の攻撃が一切通用しない。バリアを解除したら、あとは好きなだけ縮退砲を打ち込んでやろう。
そして『OG外伝』では演出面が強化され、一発ぶちかましただけで地球終了のお知らせ……どころか太陽系が消滅するという奇天烈なものに…。本人は相手を宇宙「から」抹消すると宣言しているが、どう見ても宇宙もろともに抹消している。
しかし精神コマンド「不屈」を使えばたったのダメージ10で済んでしまう。不屈の意思があれば銀河を巻き込む大爆発でもなんともないぜ!
「不屈」抜きにしても、以前とのゲームバランスの違いもあってかつての攻撃力は見る影もないほど弱体化しており、おかげでネオ・グランゾンがラスボス(笑)呼ばわりされてしまったのは言うまでも無い。もっとも、シュウの能力もあって直撃すれば一撃で吹き飛ぶほどの威力という点は変わってはいないのだが。
当時とは違って設定のインフレが進んでおり、宇宙そのものに干渉できる機体も増えてきたので仕方がない。今となっては唯一の存在というより「ラ・ギアス7大超兵器」の一角にすぎないのである。
単独主役作『ダークプリズン』では、ヴォルクルスありきであったネオ・グランゾンへの変身を完全にシュウが掌握するというイベントが発生し、ネオ・グランゾンを自機として運用できる。通常使用できるのはヴォルクルス戦とラスボス戦でのスポット参戦のみだが、EXと同様に裏技を使うことで常時ネオ・グランゾンとなる。
縮退砲の攻撃力もデフォで9000、フル改造で10600と往年ほどとは言わないが強化された。
演出もさらに凄まじいものになり、発射する前に相手を嵐の吹き荒れる謎の異空間に隔離し、満を持して空間ごと破壊するというシャレにならないものになった。
この設定により『OG外伝』の頃にはヴォルクルスに対する反撃準備を密かに整えていた時期であることが明らかになったので、このころの弱体化はシュウのささやかな反抗だったのだと解釈することもできなくはない。
続編の『ムーンデュエラーズ』においては他のユニットとのバランス調整のためか、再び大きく弱体化してしまった。それでも合体攻撃を除けば自軍最強の攻撃力ではあるが。
初代αでは素のグランゾンが「試作型縮退砲」なるものをぶっ放していたが、後の作品ではなかったことになった。この時点では設定が曖昧だったためか、単にどす黒い極太ビームとして表現されている。
後に、縮退砲の発射にはネオ・グランゾンの背中のリング(バリオン生成ハイロウ)が必要であると再設定されたため、縮退砲はネオ・グランゾン専用兵器となった。
代わりに設定された素グランゾンの技がディストリオンブレイクである。
そして「スーパーロボット大戦DD」において、「魔装機神」シリーズの生みの親と言える阪田雅彦氏の全面監修の元に試作型縮退砲が再設定され、「ブラックホールディスラプター」の名で実に22年振りに日の目を見ることになった。
余談
この縮退砲、原理としては上述の通り簡単に説明すると超新星爆発を喰らわせる技なのだが、その際限界寸前のチャンドラセカール状態(ギュウギュウに圧縮された星の重さの限界値のこと、これ以上重くなられたら耐えられません!という状態)のフェルミ縮退核(圧力が高まりすぎて変な動作を起こし始めた核のこと、空気でパンパンになって何もしていないのにミチミチ言い始めた風船)と化した星を起爆前の爆弾として産み出している
ダークプリズンの描写を元にすると三つの重力核を発生させた後にそれを合成するシーン直後で一瞬映る一回りだけ大きな球状の光がソレである。
そうこうしてチャンドラセカール限界を超えてしまうと強まりすぎた重力によって星の核が自壊、重力の発生源がなくなったことで圧縮されていた熱が放出される。
この際高まりすぎたエネルギーで星の内部で起きている核融合が暴走し、爆発秒読みの超新星となる
逆に重力が高まりつづけた結果、チャンドラセカール限界を超えた状態で出力が安定した場合、ブラックホールとなる。
(そっちをぶっ放すのがブラックホールクラスターであり、そちらの方が出力は少なく済む。意外にも思えるかもしれないが、BHCはグランゾンが重力制御機能を持っている都合上、「光すら逃れられない程の超重力そのものだけをぶっ放す」ことでも再現可能なため「実際に死ぬ寸前の星作って爆破に巻き込む」縮退砲の方が強いのは発生するエネルギー上当然である。"星サイズのモノがブラックホールになる"のと"ブラックホールクラスの重力を持った力場を作る"のとでは威力も内包エネルギーも必要エネルギーも訳も桁も違うのだ。)
どちらにしても超新星爆発を起こせる星を作り出すには太陽の八倍以上のエネルギーが最低限必要となるがその程度ネオ・グランゾンには造作もない事である(太陽の8倍程度までの質量の星は軽すぎるため、死ぬと潰れてガスを放出した後、爆発も圧壊せず真っ白の石ころ=白色矮星になってしまう、それ以上だと爆発するが、8〜20倍程度までだと爆発した後残骸として中性子星などの残骸が残り、BHCとは違う本物のブラックホール星になるのは30倍以上のエネルギーと質量が要る)
こちらも同じくダークプリズンの描写を元にすると上記の演出の後一度画面が引いて、その後再度ネオ・グランゾンが映った後発生する巨大な光が放出された熱で、その直後に映る禍々しい色の球体が、核が崩壊し爆発寸前の縮退星=超新星
こうなった超新星が爆発すると計り知れない爆発力と共に強烈なガンマ線放射線等のありとあらゆる光線が辺りに撒き散らされる、その結果どうなるかはその後の演出の通りである。
爆心地の周囲半径5光年以内のあらゆる生命体は絶滅し、25光年以内の生命体の過半が完全に死滅し、50光年以内の生命体は壊滅的打撃を受けることとなる(1光年=およそ9.5兆km)
そして爆発の際に撒き散らされたガスはやがて集まり星雲となって、新たな星を芽吹かせるのである。
「理解できましたか?」
ちなみに地球から冥王星までの距離はおよそ0.0006光年なので、地球圏内で縮退砲が放たれた場合、当然のことながら太陽系は跡形もなく消滅することとなる。
助かる確率は万に一つか億に一つか兆か京か那由多の彼方か等と問答するまでもなく確実に0である
また、これは人工的にぶっ放せるからスゴいのであって、同じ現象は宇宙の各地で自然と起こっており、別段珍しい現象ではない(「観測される」のは珍しいが)
地球から50光年以内の星が縮退星になったりした結果、天然縮退砲をぶっ放されないことを祈るばかりである。