蒼月天音
あおつきあまね
「一巴君、年上の女性ってどう思う?」
元自衛空軍のガンシップ・パイロット。戦争終結後に生死者追跡者となった十年選手のベテラン。かつては「ガンシップと結婚した女」とも呼ばれたが本人は結婚願望が強く、三十路で独り身であることを非常に気にしており、最近は人間の結婚相手を探すのに必死のようである。所長には、まずは深酒をしては絡んでくる、その生活態度を改めるべきだと思われている。
ガンシップと結婚した女。
元自衛空軍のガンシップパイロットであり、米中戦争の終戦間際に南方戦線で活躍し、戦争終結後に退役。軍警察の誘いを断って生死者追跡者となった。歴史の浅い民間特別生死者追跡者制度の中で十年選手のベテラン。
一見すると生死者追跡者としても女性としても隙がないが、本人は結婚願望が強く、三十代で独り身であることを非常に気にしている。その鬱憤が溜まっているのか私生活は乱れきっており、自室では下着姿でカップ酒を飲みながらクダを巻いている残念美人。しかも誰かと飲むと絡み酒になる。
年上の頼れる男性を探しているが、阿蛭生死者追跡事務所で過ごすうちに「年下もいいかも」と思い始める。
蒼月天音はかねてからオンオフの差が激しく、仕事中には一分の隙もなく制服に身を包みながら、休日は寝間着同然の格好で酒浸りの日々を送っていた。
それでも「元自衛空軍のガンシップ・パイロット」という経歴に相応しい外面だけはかろうじて保ってきたのだが、最近では家の外でもすっかりこのありさまである。
かつては誰にも見られないようにしていただらしのない格好でごみ捨てに出て、近所でお酒を買い、コールドキャブに乗ってちょっと遠出までしたりする。ついでに道で会ったリビングデッドも再殺する。
天音自身が「堅苦しい制服よりも戦いやすいくらい」といっているために、彼女に「それでいいのか」と問いかける勇者は今のところいない。