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衣袋武志

いぶくろたけし

衣袋武志とは、ゲーム『逆転裁判』の登場人物である(一番、右側の人物)
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概要編集

『逆転裁判』第3話『逆転のトノサマン』に登場。年齢37歳。身長184cm。


英都プロダクション』所属のベテラン俳優。現在は子供向け特撮ヒーロー番組『大江戸戦士トノサマン』に登場する悪役・アクダイカーンを演じている。


かつては『英都プロダクション』の看板役者にして、数多くの名作を主役として彩った「天下一の大スター」であった。代表作は『ダイナマイト侍』という題名で、作中では名前のみが登場する。この他にもコテージの内部では「衣袋がメインキャストを務めた、歴代出演作品のポスター」が複数貼られている。「若干の暑苦しさが漂う、いぶし銀」といった感じの男前で、筋骨隆々で均整の取れた肉体の持ち主。『英都撮影所』の警備員・大場カオルことオバチャンは、彼が人気俳優として名を馳せていた頃からの大ファンで「衣袋ちゃん」と愛称を付けて呼んでいる。


トノサマン役の荷星三郎も「名優時代の衣袋」に憧れて若手俳優となった。今も尚、荷星は彼を尊敬していて「現在は代表作でもある、大人気番組で共演している事」を誇らしいと同時に喜ばしく思っている。衣袋を「敬愛する大先輩」として慕っている荷星だが、当の衣袋の後輩に対する心情は冷たい。表には出さないものの、内心では「昨今の躍進目覚ましい後輩の荷星」「今や見る影も無いまでに落ちぶれた自分」を比較して、嫌悪感や劣等感、嫉妬心を向けている。


撮影所は秘匿にしているが、5年前にある不祥事を起こした事が原因で大スターの座から転落してしまい、今となっては『トノサマン』しか出演作品がない惨状に陥っている。自分の不祥事を揉み消してくれたプロデューサー・姫神サクラには未だに不祥事絡みで恨まれているのか、彼女による冷遇も転落の一因となっている模様。


第3話の事件の被害者となり、何故かアクダイカーンの着ぐるみを着た状態で遺体が発見された。遺体はマスクも被っていて外した時、衣袋本人だと確認された。死因は刺殺で、胸には「トノサマンの武器である槍トノサマン・スピアー」が突き刺さっていたので、これが凶器と見られている。本来は荷星がトノサマンを演じる際、使用する道具が犯行に利用されている上「犯行当時には楽屋で昼寝をしていた」という曖昧なアリバイから、彼が容疑者として逮捕される事となった。


理由こそ不明だが「現在、人気爆発中の特撮番組に出演する、正義のヒーロー役の俳優が武器を利用して、ライバル兼悪役の俳優を殺害する」という、この事件が世間に与えた衝撃は非常に大きなものだった。


開発者によると「当初は衣袋サケルという名前にしようかとも思ったが、刺された場所が違う上、あんまりな名前なので、流石にやめた」そうだ。











以下ネタバレ注意











落ちぶれた侍編集

殺害事件の被害者ではあるが、実は第3話の事件の「真の元凶」とも言える人物である。


事の発端は5年前に遡る。当時の撮影所では新設のコテージにて映画撮影が行われていた。この映画の主な出演者は、当時人気絶頂だった衣袋と若手俳優のタクミであった。この頃からプロデューサーを担当していた姫神とタクミは懇意にしており、彼女も撮影に立ち会った。タクミが姫神にとってどの様な存在であったかは明確にされていないが、作中の描写を見るに「年下の恋人もしくは片思い相手で、プロデューサーとして将来に期待を寄せていた若手俳優」が妥当か。


だが撮影の最中「衣袋が誤ってコテージの階段から、タクミを転落死させてしまう事故」が発生する。タクミは併設された花壇の鉄柵に胸を刺し貫かれ死亡してしまう。この事故は衣袋だけでなく、当時は彼と共に絶頂期だった『英都プロダクション』のスキャンダルにして死活問題にもなった。事故の真相を世間に公表するのは勿論、衣袋を自首または芸能界追放させても、いずれ世間には不祥事が知られてしまい、彼とプロダクションは共倒れとなる危険性も高い。姫神は所属企業の未来を考えた末「スキャンダルを揉み消した上で、タクミの仇である衣袋への復讐を両立出来る計画」を講じて実行する。


姫神は「事故を揉み消して雇用を続行してやるのと引き換えに、多方面から衣袋を冷遇し徐々に転落させる復讐」に及び、ここから衣袋と彼女の間には確執が生じ、みるみる2人の関係は険悪化、彼の転落人生が始まった。芸能界の頂点にいた大物芸能人にとってある意味、業界追放よりも末端の存在にまで貶められる方が堪えるだろう。


「どんなに辛くとも、過去の栄光を少しでも取り戻したい」「せめて芸能人という職業だけは維持したい」「一般人に戻るのだけは避けたい」「若い頃に業界入りして、他の世界での生き方を知らないから転職するのが怖い」


現実でも進退窮まった芸能人は、これらの考えに固執する。衣袋もまた然りで、どうしても芸能人を辞められない彼の人生は「生き地獄」に変容していく。その結果、衣袋は「サクセスストーリーの主人公」から「転落劇の主人公」を演じる人生を強制される羽目になってしまう。大きな仕事は貰えなくなり、仕事では酷使されるのにギャラは格安。出演作品も大幅に減らされて、世間からは「ほぼ過去の人」として扱われる。大人向け番組の出演者からも外され、仕舞いには優れた容姿も売りにしていたのに「子供向け番組で、着ぐるみ姿に徹する役」を強要されるに至った。


この強要された役こそが、衣袋の遺作ともなる『トノサマン』のアクダイカーン役である。今の彼に残された仕事は『トノサマン』のアクダイカーン役しかない。『トノサマン』という作品自体は「社会現象を巻き起こした名作」ではあるが、衣袋にとっては「子供向け番組の悪役しか任されない、屈辱の日々を送る象徴」でしかなかった。彼はこんなにも自分の権威も生活も失墜させた姫神を「不幸の元凶」として恨んでおり、自分とは正反対に大役を任されて、順風満帆な俳優人生を送る荷星には「嫉妬からの逆恨み」を向ける様になった。


5年にも渡る苦難の人生に我慢の限界を迎えた衣袋は、遂に憎き2人を同時に破滅させるべく犯行に及ぶ。その内容は「荷星を睡眠薬で眠らせ、盗んだトノサマンの衣装を着た姿で姫神が1人でいる所を狙って殺害、その罪を荷星に着せる」という余りにも身勝手かつ残忍なものだった。会議を終えて1人コテージに残っていた姫神を襲撃するまでは成功するも、彼女に激しく抵抗された衣袋は誤ってコテージの階段から転落、花壇の鉄柵に胸を刺されて絶命した。偶然にもかつて自分が事故死させた人物と共通する最期を遂げたのは因果応報と言う他ない。姫神もまた自分の起こした事故を隠蔽して、荷星に濡れ衣を着せようと画策し、以前から主従関係にあった『トノサマン』の監督・宇在拓也を呼び出して共犯者に加えた。2人によって行われた「現場工作の一環」として衣袋の遺体は細工され、胸に空いた穴には新たにトノサマン・スピアーが射し込まれた。そしてトノサマンの着ぐるみを脱がされて、代わりにアクダイカーンの着ぐるみを着せられた。


『逆転』シリーズの被害者達は一部の例外を除いて、基本的には「メインキャラと比べると無個性で普通の人に近い人物として描かれ、殆んどモブと言える扱いなので人間性が具体的に描写される事が少ない存在」となっている。しかし衣袋は姫神、タクミ、荷星への対応を見るだけでも、お世辞にも褒められた人格の持ち主とは言い難い。


特に姫神は「実は衣袋は後輩俳優のタクミを疎ましく思い、故意に事故に見せかけて殺害した説」を有力視して、これこそ真実だと仄めかす発言まで口にしている。実際に過去でも現在でも、そこまで強く疑惑を向けられても不自然ではない程の事をしている。撮影所の人々に制止されたかもしれないが、本当に真っ当な倫理観を持っていれば、タクミの事故死直後に自首や芸能界引退まで考えたであろう。それなのに衣袋はその手の思考や言動は全く見せず、ひたすら芸能界に居座る事だけを考えていた。


「①恨まれて冷遇を受けるのも当然の事をしておきながら、図太く姫神の側で俳優業を続けて芸能界に居座り続けようとする」「②姫神の大切な人の命を奪っておいて、今度は私怨から彼女まで意図的に殺害しようとする」「③荷星を自分を尊敬してくれる善良な人物と知りながら、平気で嫉妬の対象だからと、自身による姫神殺害の濡れ衣まで着せようとする」この3点だけでも、衣袋が胸の内に秘めた「芸能人特有の醜い自己顕示欲、浅ましい自己保身」が窺い知れる。「タクミの殺害は意図的な犯行」と語る姫神の主張も「衣袋が本当に犯人ならば然もありなん」と思わざるを得ないのが現状である。


訳あっての事とは言え「長年に渡って、自ら衣袋の恨みを買う真似をしていた姫神の殺害」はまだしも、自分に何もしていない所か、寧ろ憧れを抱いていた荷星すらも「自分の罪を擦り付ける相手」として利用したのは擁護出来ない。「衣袋は薄情者で嫉妬深く、自分の名誉の為なら手段を選ばない冷血漢」だと知らずに、憧れて慕っていたのに裏切られた荷星が哀れでならない。皮肉にも、自分の代表作での担当役・アクダイカーンとは異なる、卑劣さや悪辣さを見せたとも言えよう。


以上の事から「『逆転』シリーズでは、最初の落ち度のある被害者」として描かれたのが、この衣袋武志という男である。


関連タグ編集

逆転裁判

逆転のトノサマン


逆転裁判・逆転検事シリーズキャラクター一覧


荷星三郎 姫神サクラ 宇在拓也 大場カオル


トノサマン


生倉雪夫:次話に登場する被害者だが、こちらも自己中心的かつ傲慢な態度を取っていた最低な人物。但し彼は復讐者により直接殺害されている。

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